自分の進路相談。
今週の予約投稿すべて一日ズレてました。
2日連続ごめんなさい。
明日の分からは修正済みです。
今日は本編1話以外に19時に閑話1話投稿予定です。
「それで……どうするんじゃ?こんな危険なスキル、バレたらラグナの身に危険しか無いぞ。」
そりゃそうか。
ひとつは香辛料が出せるスキル。
もうひとつは勇者が唯一保有していた収納スキル。
「本来だったらこんな予定では無かったが……3人で話し合って決めたことがある。10歳になったら王都の魔法学園に入学させる。5歳からスキルが使えるんだ。魔力無しってことでは無いだろうしな。」
「うーむ……それも止む無しか。魔法学園ならば警備も確実だのう。将来魔法が使えるようになれば自衛も出来るようになるし、職にも困らんだろうしな。」
「本当なら行かせたくなんて無いんですよ。愛しい我が子と離れるなんて辛いですもの。でもこの子の将来を考えれば仕方ないと思うしかありませんわ。」
「だのう。この子の身を守るにはそれが一番か。しかし入学試験はどうするんじゃ?このスキルは公開出来んのじゃよ?」
本来なら10歳でスキルが使えるとなればそれが例えどんなものであろうと確実に魔力が使えると判るので魔法学園に特待生扱いで入学出来る。
でも俺が持ってるスキルは2つとも公開なんてする事が出来ない。
だから自力で入学する必要がある。
「それは……」
「父さんの魔法剣を習います。」
「ラグナ、本気かの?確かに魔法剣ならば入学できるじゃろうが……しかし魔法剣か……この国ではない異国の魔法じゃぞ?」
魔法剣とは父さんが育った『剣の国エーミルダ国』の軍用魔法。
勇者の仲間だった無詠唱の二刀流魔法剣使い『エミルダス』が魔王討伐後に作った国。
元々は魔王討伐後に魔剣神と呼ばれていたエミルダスが何時かまた復活するかもしれない魔王に備えて弟子を集めた。
己の技術を継承する為に訓練に丁度いいと魔王の国だった一部、魔物が跋扈する魔境に作られた道場が始まりと言われている。
「俺も悩んでる。魔法剣は使えれば武器にはなるが……機密も多い。国元にバレたら結局は身に危険が及ぶかもしれん。」
「だから父さんには話したじゃないですか。無詠唱で使えればスキルってことに出来るかもって。」
「確かにそうかもしれんが……無詠唱の魔法剣使いなんてこの世に数えられるほどしか居ないんだぞ?昔は自分で言うのも恥ずかしいが剣の申し子と言われた俺ですらこの国にきて魔物狩りをしながらやっと数年前に使えるようになったくらいだ。」
母さんからも教えられたが父さんは剣の扱いに関しては天才的だったと。
さらに次期伯爵様筆頭だったからとてもモテたのよ?なんて話も聞いたな。
父さんも母さんも伯爵家の出身だったらしい。
「例え使えるようになったとしよう。勉学はどうするんじゃ?」
「それは私が教えますわ。これでも一応は一通り嗜んでましたから。」
母さんは武術よりも経済を学んでいたらしい。
なんでも剣だけは才能が無かったと。
エーミルダでは男女関係無く剣やその他の武術を学ぶ。
母さんに何を習ったのか聞いたけど「内緒よ」って言われて教えてくれなかった。
父さんにも聞いたけどミーナは特殊だからなぁで終わってしまった。
そういえば話をしていなかった。
我が家は夫婦揃って魔物狩り。
母さんは俺の子育ての為に一線を退いた。
たまーに近くの魔物を狩ってお小遣い稼ぎをしながら勘を鈍らせないようにしているらしい。
最近ではついでにと俺のために茸狩りにも勤しんでいる。
2人して魔物狩りが出来るので正直な所、周りの家に比べれば裕福だとは思う。
まぁイルマの家に比べたら全然だけどね。
「それにしても魔法剣か。あれは我が国の魔法体系とは違うからのぅ。」
「そうなんですか?同じ魔法なのに?」
「魔法剣とはつまり剣に魔法を纏わせる付与魔法に近い存在だ。そしてこの国の魔法は放出系。まぁ中には大規模破壊魔法なんて代物もあるな。」
「大規模破壊魔法……」
中2病の病が再発してしまいそうだ。
頑張れば出来るんじゃないかとコップに水を入れて葉っぱを浮かばせて動けと念じた日々。
かめ○め波の練習をした日々。
レ○ガンと言い続けた日々。
「どうした、ラグナ?急にニヤニヤし始めて。」
いけない、本当に出来るようになるかもしれないと思い始めたら病気の前兆が……
「なんでもないです。それよりも魔法と魔法剣はどちらが強いの?」
「まぁ戦争になったら魔法だろうなぁ。遠距離からバカスカ撃たれたら魔法剣ではどうにもならん。」
確かに。魔法剣は近距離特化、魔法は近距離から遠距離までオールマイティー。
うん。魔法剣だと厳しいな。
「魔法剣か……昔戦ったのぅ。」
「そうか、じいさんはあの国との戦争経験者か。」
そういえば数十年前にヒノハバラとエーミルダって戦争したんだっけ。
たしか戦争した理由が……
「懐かしいのぅ。強い剣が欲しいとか言い始めた前王がエーミルダにエミルダスの剣を寄越せと言い始めたのが始まりだったか。」
そう。戦争を始めた理由はただ剣が欲しかった。
そのためだけに戦争を始めた。
戦争が終わった理由も凄かった。
「急に戦争が終結したと思ったら理由が本当に酷かったのぅ。」
剣ってやっぱり重たいし疲れるから要らないや。
その一言で戦争は終結。
本当にこの国は愚王しか現れない。
ねぇ、初代勇者。この国の現状を見てどう思う?
せっかく世界を救ったのにね。




