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契約?いや餌付けかと?

なんとか無事?に魔力供給は完了出来た。


「はぁ……はぁ……全く、優しくって言ってるのに……はぁ……」


「これでも慎重にゆっくり魔力を練ったんですけど……」


「はぁ……はぁ……はぁ……本当に魔力タンクバカなんだからぁぁぁ。」


リオ型のゴーレムが「も~」と言いながらポカポカ叩いてくる。


どうにもこうにも、その姿が可愛らしく見えてしまう。


「もう良いですか?魔力の方は?」


「あ~……うん。問題無く動くよ。それで……旅はどうだったか聞かせて貰える?」


リオの表情が変わる。


「はい。」


ラグナはアルテリオンに行った際に起きた事件の説明。


ラグナがガッデスに到着した際の様子。


その帰りに発見した輸送隊の壊滅。


バケモノの姿と様子の説明。


エチゴヤの輸送部隊の覚悟をリオに対して説明したのだった。


「なるほどねぇ……まさか反人類同盟が増えていたなんてねぇ……やっぱり自分の目で見ないとわからないことが本当に多いや。ルテリオが元気そうだから安心したけどね。」



ホッとするリオに対し、


「ルテリオ様とは全く会っていないのですか?」


そう尋ねるラグナ。


「ん~、最後に会ったのはルテリオが精霊神になる前だったかな?私は動くことが出来ないからねぇ。最後に会った時のルテリオはヨボヨボのお婆ちゃんだったよ。本当にビックリだよねぇ。あんな姿でも昔は本当にきれいだったんだよ?」


笑い話のように話すが、実際には笑えない内容だった。


「えっ……??僕が会った時と違いますよ??つまり……ルテリオ様は精霊神となった時に若返ったのか??」


ラグナがルテリオが若返ったなどと言うので、驚いて固まるリオ。


「どうしました?」


「いや、今なんて言った?」


「だから、ルテリオ様は精霊神様になった事で、若い頃の姿に戻ったのかと……」


それを聞いたリオはラグナの肩を掴んで激しく揺さぶる。


「どういうこと!?そんな事私聞いてないよ!?」


「わっ、わかりましたから落ち着いて下さいよ!!」


暫くすると落ち着いたようで、今度は真剣な眼差しでラグナに詰め寄る。


「教えて。ルテリオは今どんな姿をしているの?」


「ルテリオ様ですか?えっと……大体20cmくらいの大きさの少女で、半透明の羽を持っていてまるで小さなお姫様の様でしたよ?」


ラグナの言葉を聞いて驚愕するリオ。


「う、嘘……じゃぁ、まさか……まさか……ルテリオは精霊神になった事で小さなロリババァになったって事!?若返りなんて詐欺じゃないかぁぁぁ!!」


うがぁぁっと騒ぐリオ。


だが直ぐにハッとするとラグナに尋ねてくる。


「ラ、ラグナ君はルテリオに何もされてない!?」


「いえ、特には何も……あっ……」


何をされたって訳ではないが、ルテリオに対して行っていた事を思い出していた。


「なになになになに?なにされたの!?何されたの!?」


「いや、その……」


ちょっと言い辛そうにしているラグナを見て何かを察したらしい。


「もしかして、キスとかされちゃったり……?えっ……?ロリババァめ、やりやがった!?」


またもやラグナの身体を掴んで激しく揺さぶり始めるリオ。


「ち、違いますよ!!そんな事は全くしてませんから!!」


そう言うと、今度は逆にラグナの顔を両手でガシッと掴むと、ジッとラグナの顔を見つめ始める。


しばらくそうしていたと思ったら……


「本当に……?」


「本当ですよ!ただ、魔力が欲しいと言われたのであげたくらいですよ?」


「えっ!?」


「えっ?」


リオの反応に驚くラグナ。


「えっ?えっ?えっ?えぇぇぇぇぇぇ!!!」


「うるさいですって!!なんでそんなに驚く事なんですか?」


「だってだってだってだって!!魔力だよ!?」


「魔力ですけど……それがどうかしましたか?リオさんにもあげてるじゃないですか。」


「私に魔力をあげた意味とは全然違うよ!!だって、だって、だって、だって!精霊に魔力っていったらアレじゃん!」


慌てふためくリオに対して首を傾げるだけのラグナ。


「アレって??だから何がなんです?」



「もー!!何で気が付かないの!!精霊に魔力を渡すって事は契約したって事じゃないの!?」


「契約……?でも、別にそういう感じは無かったですよ?」


「ほぇ?契約したんじゃないの??」


「いや、そんな話は全く……僕が練った魔力をもぐもぐと食べてただけですよ?ルテリオ様もおやつ感覚みたいな感じで食べていただけですし……」


「おやつ感覚……??」


「はい。ただ僕の魔力を食べていただけなんですよ。本当に契約とかそんな話は全く……」


「……えっと……なら許す。」


何故かはわからないけど、リオ型のゴーレムの顔が真っ赤に染まっていた。


「そ、そうだ!!これからの事を考えなきゃいけないね。ちょっと待って。ミオンが暇か聞いてくるから。」


リオはそう言うとゴーレムの目が閉じて動かなくなるのだった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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