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初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
女神様からのお願いと謎の宅配人

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出発準備

お待たせしました。

新章スタートです。




「いよいよか……」


今日から物資輸送の日々が始まる。


神殿の宿舎での生活の日々も今日で終わり。


「お待たせ~。それじゃあ行きましょうか?」


エイミーさんと腕を組みながら倉庫街へと向かう。


何度か腕を組んで出掛けることがあったので慣れてきた自分がいる。


しばらく2人で歩いていると、何人もの警備員らしき人達が倉庫を囲うように守っていた。


『物凄い厳重に警戒してるってことは目的の倉庫はあそこかな?』


エイミーさんが倉庫に近寄ると警備員達が一斉に敬礼。


「お疲れ様ぁ~。入ってもいいかしらぁ?」


「どうぞ!」


一人の警備員が扉を開くとエイミーと共に倉庫の中へ。


「……まじ?」


倉庫の中には大量に積み上げられた木箱が。


そして穀物の様な香りが充満していた。


「これでもまだ一部よ~?国を支えるだけの分量だもの。こんなもんじゃないわよ~?」


そう言われてみればそうか。


2国を支える分量としたらこんなものじゃすまないか。


流石のラグナもこれだけの量の物資を全て収納出来るのか不安になる。


「まぁウチとか他の商隊も運搬することになったし、そこまで緊張する事は無いわよ?」


何度か運搬について話し合いが行われたのだが、その時に全てラグナが運搬するのは如何なものかという意見があった。


確かにラグナの身に何かあった場合、全ての物資が失われる可能性も0ではない。


それに、ラグナばかりにプレッシャーを与えるのもどうなんだという意見もあった。


その話し合いの結果、今すぐにでも必要な物資はラグナが運搬。


ある程度余裕のある物資については商隊による運搬が行われることになった。


ラグナが今回運ぶ物資は穀物や保存食など食料関係。


「でも、大丈夫なんですか?あっちの国が文句を言ってきたりとか……」


鍛冶の国ガッデスと深緑の森アルテリオンの2国と争っている国は人族の国である救済国家ミラージュ。


ガッデスではドワーフ、アルテリオンではエルフが多く暮らしている。


シーカリオンはミラージュと同じく人族が多く生活している国。


ミラージュとしてみたら同族の国が異種族が多く生活している国を支援するのは許せないだろう。


だってあの国は自分達の行いが正義なのだから……


ラグナが少し不安になっていると


「向こうが敵視するならするで構わないのですよ。」


との声が。


エイミーさんや中の警備員が膝をつき頭を下げる。


積み上げられた荷の裏から現れたのは……


「女王陛下……」


ラグナも慌てて膝をつこうとするが、すぐに止められた。


シーカリオン現女王であるミオン・シーカリオンがラグナ達の前に現れたのだった。


「どうしても見送りたくて、来ちゃいました。」


うふふと笑いながら、ラグナにそう話しかけるミオン。


『びっくりした?驚いた?作戦大成功~!!』


頭の中に響く女性の声。


ラグナはその声を聞いてため息を吐こうとするが……


『ち な み に……私の声は君とミオンにしか聞こえていないから、ため息を吐くとタイミング的にはよろしくないかもよ?』


と言われて、吐こうとしたため息を飲み込む。


このタイミングでため息を吐くとラグナが女王陛下に対してため息を吐いたと他人からは見えてしまう演出付きだった。


心の中で深いため息を吐くラグナ。


2人のやり取りに笑う女王。


『本当に仲が宜しいのですね。嫉妬してしまいますわ!』


『なっ!?』


まさかの口撃に驚くリオ。


「冗談はさておき……道中の安全を心よりお祈りします。」 


「ありがとうございます!」


「頑張ってね。」


それじゃあ私がいるとお邪魔になっちゃうでしょうからと、颯爽に去っていくのだった。


その後はラグナが運ぶべき荷物を次々と収納していき準備は完了。


いよいよ出発を迎えるのだった。



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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