召喚スキルとは。
一週間連続更新チャレンジ、最終日にて失敗……
育児しながらの執筆は難易度が……
「迷惑をかけたねぇ。あと申し訳ないけど、爆炎魔法は魔法書がある時に比べると魔力の効率と威力が低下してしまうんだよねぇ。だから使う時には今までとは違うから気をつけるんだよぉ。」
「えっ?そうなんですか?」
フィオナからはそんな事一言も聞いていない。
「魔法の発動の補助を魔法書が行っているからねぇ。まぁ、ラグナ君の魔力を持ってすれば多少の誤差で済むと思うよぉ。」
後で一応確認するとして……
「爆炎魔法書はどうなったのですか?物凄く嫌がっているように見えましたけど……」
「爆炎魔法書はだねぇ……」
俺を抱きしめたままエミア様はふふっと笑っている。
「魔法神の元に送ったのさぁ。たぶん今頃は、ほぼ強制的に魔法発動の補助をやらされてるんじゃないかなぁ。何せ彼はスパルタだからねぇ。いくら魔法書が限界と叫んでも消滅ギリギリまで酷使される日々を送るんじゃないかなぁ?再教育って言っていたしねぇ。鼻っ柱をへし折って性格を矯正すると思うよぉ。それよりも、悪いんだけどスパイスを譲って貰えると助かるんだけどねぇ?」
エミア様からは、これ以上は聞くなという雰囲気を感じた。
「どのくらいの量を出せばいいですか?むしろこの空間でスキルって使えますかね?」
「どのくらいかぁ。逆に聞くと、どのくらいの量を用意出来るんだぃ?」
どのくらい……
どのくらい出せるんだろう?
俺がそう疑問に思っていると、キャンプスキルの魔道書が答えてくれた。
『ラグナの魔力に余裕はあるのですが、今すぐに召喚出来る分としては各1000個になります。』
「各1000個かぁ。まぁリソースもあるだろうし仕方ないねぇ。」
リソース??何だそれ?
俺が聞いたこともない言葉に戸惑っていると、
「君がスパイスを出すときって召喚だろぅ?召喚って事は異世界の物をこっちに呼び寄せてるんだ。だから無限に召喚出来る訳じゃないんだよ。」
それを聞いて驚くラグナ。
「えっ……?じゃあ召喚する度にあの世界の在庫分を無償でパクってたんですか、俺……」
流石に気がつかなかったとはいえ、スパイスの各メーカーに迷惑を掛けてしまっていたのならば罪悪感を感じてしまう。
「うーん……なんて説明したらいいかなぁ。いろいろと話せないことが多くてねぇ。まぁざっくり例えると、ラグナ君はスパイスの購入費用として魔力を支払い、その魔力はあの世界で金銭へと変換されるって思ってくれればいいさぁ。この説明でもギリギリなんだよねぇ。秩序の女神たる私がルール違反するわけにはいかないからさぁ。まぁ、きちんと払う物は払ってるって思ってくれればいいよぉ。」
その説明でホッとするラグナ。
『どうやって在庫分を持ってきているんだとかいろいろ気になることはあるけど……』
「それは秘密だねぇ?どうしても知りたいなら私の物になることだよ?」
エミアはラグナにそう伝えると耳をペロッと舐める。
ブルブルっと震えるラグナ。
しかし脱出しようにもエミアからのガッチリホールドから抜けられない。
「そ、それは……と、とりあえずスパイス召喚しますね!!」
『ラグナ、逃げた。』
「だねぇ。恥ずかしがる事なんて無いのにさぁ、残念。」
エミアからの色気のある声、それに物凄くいい香り。
そんな女神様からの誘いに流石のラグナも一瞬変な妄想をしかけてしまい、顔が真っ赤に染まっていた。
エミアは口では残念だといいながらも、一瞬ラグナが妄想しかけた思考を読みとり気分が良くなっていた。
『意識してくれただけでも良しとしようかねぇ。』
「それじゃあ行きます。『スパイス召喚』」
真っ赤になりながらも集中してスパイスを召喚するラグナ。
ラグナの周囲が光り輝く。
「で、出来ました。」
流石のラグナも各1000個スパイス召喚を一気に行うと激しい脱力感に襲われ、その場に座り込んでしまいそうになるが……
エミアはそんなラグナを支えると自分の膝枕で休ませるのだった。
「えっと……」
流れるような動作で自然とエミアの膝枕で休んでいた事にラグナは挙動不審になり激しく動揺
していた。
「初めての経験だねぇ、膝枕ってのは。」
慌てて起き上がろうとするが、何故か力が入らずに動けなかった。
「そんなに慌てなくて大丈夫だよぉ?今日は何もするつもりなんて無いからさぁ。」
エミアは優しくラグナの頭を撫でていた。
どうやっても動けないラグナは諦めてエミアに身を任せる。
エミアの表情を見ると物凄く優しい笑顔で頭を撫でてくれていた。
ずっと疑問だった事。
自惚れかもしれないけど。
「なんでエミア様は僕にそこまで構ってくれるのですか?」
俺がエミア様にそう質問すると、
「一目惚れって言ったらどうするぅ?」
エミア様はにっこりと笑いながらそう答えてきた。
『落ち着け、俺。深呼吸だ、深呼吸。』
相手は女神様。
「前世でもある程度生きてきたってのに、相変わらずこの手のことにはウブだねぇ。まぁ一目惚れってのは冗談よぉ?たぶんだけどぉ。」
たぶん……
「正直に言うとねぇ、多少の罪悪感もあるんだよねぇ?」
「罪悪感ですか?」
「そうだよぉ。世界が違うとはいえ、私と同じ立場の神がルールを破り君の命を奪ったんだからねぇ。」
「でもそれは……」
世界が違うからエミア様の管轄外で起きた事。
しかも俺の命を奪ったのは新神。
「新神、更に世界が違うとはいえ神がルール違反をした事には変わりないのさぁ。君は被害者なんだよぉ。」
先程とは違い、エミア様の悲しそうな表情。
「エミア様、そんな顔をしないで下さい。もう終わった事ですし、僕はこの世界で新たにスタートする事が出来ました。それで良いんです。」
辛いことが多いけどね……
今回も読んでいただき本当にありがとうございます。
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