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初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
1年限りの自由時間。

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アヤトとの話し合い

流石に、焚き火でのんびりぬくぬくするのも厳しくなってきました。

焚き火をしても寒いものは寒い!




「まさか俺以外に日本人が居るとは思わなかったぜ。まだ子供なのに、こんな世界に飛ばされるなんて大変だったな。」


アヤトはラグナの頭をわしゃわしゃとしていた。


「これでも日本では19歳だったんですよ?この世界に転生して、0歳からスタートしたのでこんな姿ですけど。」


それを聞いて驚くアヤト。


「まじか!?じゃあ、俺みたいに転移してきたって訳じゃなくて赤ん坊に転生したのか?」


「はい。僕の事をこの世界の両親が拾ってくれて、ここまで育ててくれました。」


アヤトはラグナの返答に困惑していた。


「拾ってくれた……?つまりはお前さんは生まれてすぐに捨てられたのか……?ここまで育ててくれたのは本当の両親じゃなかったと……辛かったな。そして優しい両親で良かったな。」


『んー……勝手に勘違いしてるけど、創造神様に転生させてもらったとか説明するのもあれだから勝手に勘違いしてもらおう。それに……』


両親の姿が脳裏に浮かぶ。


「本当に優しい両親でした……」


ラグナの表情が僅かに変化したことに気が付いたアヤトは


「とりあえず家に入るか。さっきの実験失敗で少し汚れてるけど、茶くらいは出すぞ。」


先ほどのラグナの表情の変化


『何かあったんだろうな……こいつも苦労してきた訳か……』


アヤトは家の中へとラグナを案内する。


家の中に入ってすぐ目の前に、地下に向かう階段があった。


地下に実験する場所があるらしい。


「まぁここに座ってくれや。」


奥にある部屋の扉を開けると、そこはリビングになっていた。


扉があったおかげか、室内は思っていたよりも汚れていない。


アヤトが慣れた手つきでお茶を用意してくれる。


「でも、まさか俺以外にも日本人が居るとはなぁ。まぁ、お前さんと俺では転生と転移って違いがあるけどな。」


「僕も驚きましたよ。初代勇者が日本人だったって事は知ってましたけど、まさかこの時代に同郷の人がいるなんて思ってもいませんでした。もしかしてアヤトさんは神様に召喚された勇者だったりします?」


創造神様は勇者はいないって言っていたけど……


その後、召喚された可能性もあるし。


「俺が勇者?はっ!ないない。勇者ってのはあれだろ?魔物をバッタバッタ倒していくやつ。俺なんて、人並みよりちょっとだけ魔力が多い人間ってだけだ。それに物語でよくある神様とやらにも一切会ってないからな。」


神様に会ってないと言うアヤト。


「えっ??じゃあどうやってこの世界に?」


日本からどうやってこの人は転移したんだ?


「あ~。なんつーか……正直な所、俺自身もなんでこの世界に転移出来たのかよくわからねぇんだ。」


「よくわからない??」


「あぁ。話せば長くなるんだけどよ。俺は、とある物を開発に成功してしまったせいで、日本にいるのに様々な所から命を狙われる事になったんだ。まさか、日本で生活しているのに命の危険が訪れるなんて思ってもいなかったぜ。」


そう言うとアヤトは日本からこの世界に転移したきっかけを話してくれた。


アヤトは日本で発明家のモノマネの様な事をしており、自身が作った作品を動画サイトにアップしては広告収入を得て生活していたらしい。


その後、数年間掛けて自立思考型AIを個人で開発。


個人での開発など普通に考えれば無理なのだが、アヤト曰く何故か作れてしまった。


数年間は開発が停滞していたのだが、ちょっとした事件の後にアイデアが次々と思い浮かんできた。


自分自身でも不思議な感覚だったらしく、何かに取り付かれたんじゃないだろうかと思うほどだったらしい。


同じ物を作ろうと思っても、自分で作った事ははっきりと覚えているのだが……どうやって組んだのか、詳しい工程の記憶がすっぽ抜けていると。


「んでな、そのAIの名前がナデシコって言うんだけどさ。そいつが急に言ってきたんだよ。」



『アヤト、このままでは君の命が危ないのは理解してるか?』


「……あぁ。確実に捕まるか殺されるだろうな。」


『私を開発したせいでこんな事になってしまいすまない。』


「いや、元はと言えば俺がいけないんだ。何も考えずにお前の完成に喜び動画サイトにアップしちゃったんだから。」


アヤトはナデシコの完成を動画サイトにて発表。


最初はCGだろうとかそういうコメントが多発していたが……


CGにしてはお互いの会話に違和感が無い。


そしてLIVE放送でのアヤトとナデシコと視聴者のやり取り。


本当に個人での自立思考型AIの完成を成し遂げたこの事件はあっという間に全世界に広がる。


そして広告収入はうなぎ登り。


どんどん増える口座のお金にアヤトは笑いが止まらなかった。


この時はまだ気が付いていなかった。


まさか自身に危険が迫っているなんて……



今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] >焚き火でのんびりぬくぬくするのも厳しくなってきました。 玄人は焚き火に直に入って暖を取るのですよ
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