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初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
自由気ままなお子様ひとり旅。

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露天風呂は心のオアシス。

これ……大丈夫だよね!?

※11月3日午後18時30分

一部表現変更しました。




こ、これくらいなら大丈夫だよね……!?



「うっめぇ!!」


イルマとの2人きりの夕食。


さっきからいろいろな料理を食べる度にこれの連続。


ひたすら美味いを連発。


まぁ気持ちはわかる。


エチゴヤの料理は本当に美味い。


確かに昼間に食べた煮付けは美味しかった。


しかし……


エチゴヤの夕食でも出て来た煮付けはさらに1ランク上の美味さだった。


2人で夢中になりながら夕食を楽しんだ。


「く、苦しい……」


「僕も……」


当然食後は動けなくなり、行儀は悪いかもしれないが2人でソファーにゴロンと寝っ転がっていた。


「風呂どうする~?イルマ先に入っていいぞ?」


このまま寝っ転がっているとそのまま寝てしまいそうなので、どちらが先に風呂に入るか話し合い。


「うーん。まだ苦しいから動きたくなーい。ラグナが先に入っていいぞ~?」


って事で俺が先に風呂に入ることに。


身体を洗い、ゆっくりと露天風呂の湯船に浸かる。


そして夜空に輝く星を見上げる。


波の音が微かに聞こえるが、真っ暗闇では海を見ることは出来ない。


「ふぅ~。」


あまりにも心地良い風呂で、おっさんのような声が出てしまった。


ガチャリ


扉が開く音がした。


思わず振り向こうとすると


「こっち見るな!」


何故かイルマの声が……


ラグナは視界に入れないようにただ外を見つめる。


内心はずっとパニック状態。


『イルマ何してんの!?』


慌てて風呂から脱出しようにも、タオルは洗い場に置いてきてしまったし……


ラグナは身動きが取れなくなっていた。


イルマが洗い場で身体を洗う音だけが聞こえる。


こんな展開になるなんて予想出来る訳が無い。


しばらくして湯船に入ってきた音が……


ぴたっ。


ラグナの背中に人の温もりを感じる。


「ふ、振り向くなよ!」


『振り向くなじゃねーよ!!』


ラグナは心の中で叫んでいた。


落ち着け、俺。


無心だ。


心を無にするんだ。


意識するな。


無だ。


無。


無……


ぎゅっ


更にイルマが密着。


暗闇のせいでよけいにイルマの温もりを感じてしまう。


「イ、イルマさん……?流石にこれはマズいのでは!?」


もう動揺は隠せなかった。


「ふふ……」


急に小さな声で笑うイルマ。


「な、何笑ってるのさ!?」


「は、恥ずかしいのは恥ずかしいけど……やっと心の底から初めてラグナに異性って認識されたと思ってさ。」


ぐっ……


姪っ子のような存在だった幼なじみの女の子に対して……


確かにイルマの事を異性と認識してしまっている。


「と、とりあえず少し離れようか?」


これ以上はマズい。


ラグナがそう言うとイルマは余計に密着してきた。


「ひぃ!?」


イルマの身体のラインを強制的に背中に感じてしまう。


硬直するラグナ。


その様子にやっと満足したのか、イルマがようやく離れてくれた。


そして2人で横並びで湯船に浸かりながら外を見る。


俺は決してイルマの方を見ないように。


「……本当にいろいろとありがとう。」


イルマはラグナに改めてお礼を伝える。


「本当にさ……学園を退学になったら、どうやって生きていけばいいんだろって……朝まで悩んでいたんだ。明日からどうすればいいのか……孤児院に入れなかったらどうしようとか……」


少し触れている肩越しに身体が震えているのがわかった。


手を伸ばして頭を撫でる。


決してイルマの方は見ない。


「人攫いに捕まって誰かに売られるんじゃないかとか、本当に悪いことしか考えられなくて怖かった……」


ラグナはイルマの話を黙って聞いていた。


「それならばサッシュの言う通りにした方がいいんじゃないかとか……考えたくもないことを考えてたから、ここ数日間はちゃんと寝れなかったよ。」


確かに、その状況下ではのんびり睡眠なんて出来るわけがない。


「いよいよ今日かって思っていたら……ラグナが助けてくれた。この恩をどうやって返したら良いんだろうって今は悩んでる。」


「別に恩だなんて思わなくていいんだよ。ただ……あえて言うなら、本当に間に合って良かった。今日イルマに会えたのは本当に偶然だったから。」


1日でも遅れていたらって思うと、ぞっとする……


もしも、明日学園に向かっていたのならイルマを見つけられただろうか。


見つかったとしても……


果たして無事だったかどうか……


「決めた!私は初代エチゴヤの様にラグナを裏から支えられる商人を目指す!」


急に湯船から立ち上がり宣言するイルマ。


急に湯船から立ち上がったので思わずイルマの方を見てしまった。


そして目が合う2人。


イルマの顔が真っ赤な茹で蛸のようになる。


そして……


「見るなぁぁぁ!!」


イルマはそのまま走って風呂から上がってしまった。


そのせいでバッチリとイルマの裸体を見てしまったラグナだった……





今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

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