表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
自由気ままなお子様ひとり旅。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

237/449

学園内のベンチに座る君。

37.5℃以上の発熱がすでに一週間継続中。

頭がボーッとしてます。

コロナはまじでぱねぇ……




『はぁ……なんで学費が振り込まれないんだろうってずっと疑問だったけど。まさか村が壊滅してたなんて……なぁ……』


イルマはぐちゃぐちゃな心を落ち着かせる為に学園の敷地内に設置されている公園のベンチに腰をかけると、ただただ空を見上げていた。


『これからどうすっかなぁ……』


11歳の若さで両親を失う。


そして手元にある資金は本当にあと極僅か。


更に現在いる場所は他国。


『孤児院にでも入れるか……相談してみるしかねぇよなぁ……』


心はぐちゃぐちゃのまま。


自然と涙が溢れてくる。


『私はこれからどうやって生きていけばいいんだよ……父さん、母さん……なんで……死んじゃったんだよ……』


いくら顔を上に向けても、涙が止まらなかった。


その頃、ラグナは


「ではそういう事でお願いします。」


「本当によろしいので?」


「はい。持っててもどうせ使い道は無いですし。それならばアイツの為に。」


「わかりました。こちらで手続きします。今日はこれからご予定はあります?」


「いえ、特には……」


「せっかく商業学園に来たんですもの。あの国の学園との違いを見てほしいわ。」


学園を見てほしいと学園長であるエミリーさんにお願いされたので、学園内を職員に案内してもらいながらイルマを探していた。


ちなみに神殿騎士の2人は見学が終わるまでは待機していますとのこと。


確かに学園内を見学するのに神殿騎士の付き添いがあると目立ってしまうしね。


『……いた。』


最悪、女子寮に向かってもらいイルマと会うしかないのかとも考えていたが……


『やっぱりショックだよな……それに学園でいろいろ大変だったらしいし。』


ベンチに腰掛けて空を見上げているイルマを発見した。


「ちょっとここで待っていて貰えますか?彼女に用がありまして。」


「……わかりました。」


ラグナを案内してくれている職員はラグナとイルマの2人の関係など知らない。


ただただ迷惑が絶対にあってはいけない大事なお客様としか学園長から聞いていなかった。


イルマが金銭的に困窮しているのは事務で仕事をしていたので知っていたので、ラグナの姿を見た時にはパトロンか身請けの下見にでも来た貴族の子供だろうか?と考えていた。


ただそんな子供に神殿騎士が付き添うだろうか?


それに……ただの貴族の子供に対してあの学園長が大事なお客様として対応するだろうか?


考えれば考えるほど、目の前にいる少年の存在や立場が全く判らなかった。


ラグナはイルマの隣に座ると優しく抱き寄せる。


「……間に合わなくて本当にごめん。助けられなかった。」


イルマは首を振る。


「ラグナのせいじゃねぇよ……スタンピードが起きたんだったらどうにもならねぇだろ……それに悲しいのは私だけじゃない。お前だって……両親の行方……わかんねぇんだろ?」


「……うん。村や周囲に遺体は無かった。」


「……無事だといいな。」


「……うん。」


人目を気にせずにラグナは優しくイルマを抱き寄せたまま、頭を撫でていた。


だんだんと冷静になるイルマ。


『わ、私。ラ、ラグナに抱きしめられてる!?み、皆に見られたらどうすんだ!?そ、そうだ!あ、あれ!』


「流石に恥ずかしいんだけど……いくら私でも……」


「ご、ごめん。」


イルマにそう指摘されたラグナはすぐに離れたが……


「私……?」


以前のイルマなら自分の事を『私』なんて呼んで無かった。


「……いろいろ大変だったんだよ、この学園はさ。言葉遣いから振る舞い方まで。貴族との取引でも困らないようにって事らしい。」


「だからか……それにしても……」


ラグナはじーっとイルマを観察する。


「な、なんだよ……」


「昔から可愛い顔だとは思っていたけど、少し大人びて綺麗になったね。」


ラグナは昔からイルマの事を幼なじみではなく、可愛らしい子供だよなぁとまるで保護者の様な目線でイルマを見ていた。


それもそうだろう。


ラグナには前世の記憶があるのだから。


急に綺麗だと言われたイルマは……


「ば、ばかやろう!急に何言ってるんだ!」


赤くなっていた顔が更に真っ赤に燃え上がっていた。


顔を真っ赤にしたイルマを笑いながらラグナは眺めていたが……


この光景をぶち壊す存在が現れたのだった。


「私のイルマ君に何をしているんだ!!すぐに離れろ!!」


息を切らせながら此方へと全力で向かってくる少年の姿が視界に入ってくるのだった。





今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] …奈輝先生…今年も後僅かです…間違いなく!今年は貴方の厄年ですが、それも終わり、来年は良い年になると思います! …ので…お大事に!と、頑張って下さい!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ