表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初心者キャンパーの異世界転生 スキル[キャンプ]でなんとか生きていきます。  作者: 奈輝
自由気ままなお子様ひとり旅。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

204/449

奪還作戦。ノリと勢いで。

いきなり暑くなり過ぎて……



『こちらラグナ、現場へと到着。これより潜入を開始する。』


すでに日は落ち、暗闇が広がっている。


ラグナは昨日偵察のために登った建物の屋根に再び登ると、周囲の様子を確認していた。


『本当に魅せるための作りをしてるから助かるよ。』


城の敷地内は至る所に木が植えられおり、すぐ近くまで接近することが出来そうだった。


兵士達の巡回のタイミングを伺うラグナ。


『今だ!!』


ラグナは屋根から飛び降りると、城の敷地内をぐるっと囲んでいる低めの柵を飛び越えて一気に木の側へ。


そして羽織っているカモフラージュローブに魔力を流すとすぐに隠れる。


そして少しの時間そのまま待機する。


『大丈夫かな……?』


時折巡回する兵士達の足音が聞こえるが、侵入したことに気がついていないのか慌てているような様子は無い。


ラグナはゆっくりと木々を移動していき、城の側まで簡単に接近することが出来た。


『さて……ここからが問題だよな。』


侵入予定の城のベランダ付近までは結構高さがある。


何度か屋根伝いにジャンプしていかなければたどり着けない。


『城の外から登るか。城内に潜入は……無理だな。絶対に見つかる。』


とりあえず工作活動をする事にした。


『まぁ工作っていってもこれくらいしか出来ないけど。』


カモフラージュローブに魔力を通して身を潜めながら、城外の通路へと少量の着火材を撒いていく。


城外の通路の半分くらいは撒くことができた。


『このくらいならすぐに消えるだろうし、目くらましにはなるかな。後はこっち。』


通路からそのまま城に向かってジェルを撒いていく。


『城は石材で出来ているっぽいし、多少燃えても大丈夫でしょ。石だし。』


ちなみにジェルを撒いている場所は、ラグナが侵入する際に登っていく場所とは反対方向。


そしてなるべく下に向かって視線が向くように、上の方には着火材は撒いたりはしていない。


『よし、こんなもんかな。』


兵士の巡回の目を潜りながらなんとか仕込みが終わった。


そして侵入経路へと到着すると、再び身を隠す。


『この巡回の兵士が通り過ぎたら作戦開始だ。』


兵士が2人、話しながらラグナの目の前を通過していく。


「昨日の話聞いたか?急に目の前にグラスが降ってきたらしいぞ。」


「あぁ、ムンバの目の前に落ちたらしいな。あのグラスだって幾らすんだよ。」


「まぁ当たらなかっただけいいんじゃないか?この前なんて空から皿が降ってきたんだろ?」


「ザガンの頭に直撃してそのままポックリ逝っちまったってあれか。あれはひでぇよな……なんの補償もなくて、ザガンの嫁さんが怒り狂って領主様の文句を言ったらそのままコレだろ?」


そういいながら首を切る動きをしていた。


「怖い、怖い。俺達も気をつけなきゃな。」


兵士達が通り過ぎたのを確認したラグナは着火材に点火。


すぐに身体強化魔法を発動させるとその場で城の屋根を目指して飛ぶ。


そして城の屋根伝いにジャンプしていき、どんどん上を目指して登っていく。


数回飛んだ結果、領主がいると思われる部屋の屋根へと到着した。


ラグナが到着した頃、城外は慌ただしく騒いでいた。


「火事だぁぁぁぁ!!」


「水だ!水を持って来い!!」


兵士達や使用人達が城内から慌ただしく外へと飛び出していた。


その騒ぎの声に気がついたのか、ラグナがいる屋根の真下の部屋の主が声を荒げながらベランダへと飛び出してきた。


「こんな真夜中に何事だ!!っ!?何故我が城が燃えているのだ!はやく消せ!!」


領主はベランダから再び室内へ。


そしてバンと勢い良く扉が開かれた音を確認したラグナは屋根の上から室内をのぞき込む。


部屋の扉は開かれたまま。


『誰も居ないな……』


音を立てないようにベランダへと着地。


すぐに室内へと侵入する。


『ここは寝室か……』


部屋にはベッドと机、そして……


『良かった……ここにあったんだ。』


目的である宝石を発見した。


ガラスケースに手を添える。


『収納』


取り戻すのは無理かと思っていた宝石が自分の手元に……


寝室の扉の先は廊下では無く、どうやら部屋のようだった。


『ここは執務室……?』


ラグナは嫌がらせを思い付く。


執務室にある机に手を添える。


『収納』


机の中にある書類ごと収納する事にした。


他にも執務室には似つかわしくない宝飾品などが、あちこちに飾られている。


これも奪いたい気持ちはあるがグッと堪えて急いでベランダへと戻る。


外では必死に水をかけて消火活動をする兵士や使用人達の姿と、はやく消せと罵声を浴びせる領主の姿があった。


『もっとはやく消えると思ってたんだけど……結構燃え続けてるんだ。しかも水をかけても火が消えてないし。』


ラグナが思っていた以上に着火材に着火した火は燃え続けていた。


『まぁいいや。おかげで脱出は楽になったし。』


ラグナは兵士達が居ない方向へと身体強化魔法を使いジャンプする。


そして誰にも気付かれる事無く、木々の側に隠れるとカモフラージュローブに魔力を流して身を隠す。


そしてゆっくりと城の敷地から離れていくと、フェンスを乗り越えて脱出。


再び偵察時に使用していた建物の屋根の上へと退避する。


収納から転移球を取り出すと魔力を流す。


『さようなら、公爵さん。俺の宝石は返してもらったよ。』




今回も読んでいただき本当にありがとうございます。

少しでも気に入って頂きましたらブックマークの登録や☆☆☆☆☆にて高評価して頂けると焚き火の火を見ながら1人嬉し涙を流すかもしれません。

ただ、もう焚き火をやるには暑すぎる……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 宝石奪還成功しましたな!完全犯罪!…ですかね!? [気になる点] あの余分野郎を痛めつけてほしかった!!!(怒)ラグナなら、完全犯罪可能ですからね! [一言] …さて… 先生!熱中症と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ