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お世話になります。

ピリッとした空気に目が覚めました。


どうも翔弥です。


えっと……起きたら知らないおじいさんが居るんですが。


しかもめっちゃ雰囲気がこぇぇ……


「この子を育てることは了承した。しかし……お主等には辛いかもしれぬが覚悟してもらうことがあるぞ。」


えっ……この夫婦が俺のこと育ててくれるの……?


見ず知らずの突然現れた俺なのに……


やべぇ……嬉しすぎて涙出そう。


「おぎゃー、おぎゃー。」


赤子の身体には我慢が出来ないみたいです。


「あら?起きちゃったかしら?」


奥さんが抱っこしてくれた。


やべぇ…何これ…めっちゃ安心するわ。


「この子もお主らに心を許しておるようだな。それじゃあ改めて。覚悟してもらうことがある。」


「なんだ、じいさん?」


「この子を育てるのはいいだろう。だが領主への報告はどうするんだ?突然現れた赤子なんて怪しまれるぞ?面倒事になる前に……って可能性もある。」


「それは……」


「そこでだ……この子は主らの亡くなった子に成り代わってもらう。幸いまだ亡くなった届け出の書類は作成しておらん。」


「それは……」


「それが覚悟だ。例え書類上だけとは言え亡くなった子のことが無かったことになる……それが覚悟出来るなら育てることを許可しよう。」


考え込む夫婦。


この夫婦は産まれたばかりの子を失ったばかりなのか……


そんな辛い状態で俺が家の前に現れたと……


創造神様……この夫婦にこの仕打ちは辛すぎるよ。


流石に可哀想だよ。辛いよ。どうにかしてあげたいよ。


「おぎゃー。おぎゃー。」


「おー、よしよし。大丈夫、大丈夫だよー。」


おおぅ……涙が止まらないぜ……


精神が身体に引っ張られてるんたろうか。


「あなた……」


「あぁ、わかってる。これも何かの縁なんだろう。それに俺達以外に急に赤子を育ててくれと言われてこの子を育てる余裕が皆にあるとも思えん。」


「えぇ。うちは迎え入れる準備は出来てましたから……」


「本当に良いのか?」


「明日、村のみんなの前で説明しようと思う。じぃさん、よろしく頼む。」


「わかった。これから声をかけてくる。明日の昼、広場に集合だ。その時にその子も連れてくるがよい。」


どうやらこの夫婦が俺のことを引き取ってくれるみたいです。


自分達の子を亡くして悲しいだろうに……


この夫婦には心から精一杯の感謝を。


「あぁー。きゃあー。だぁだぁ。」


「あらあら。笑ってるわよ。」


「ふむ。やはり赤子は可愛いのぅ。しかしこの子はどうやってお主らの家の前に移動したんだろうか。」


すみません。創造神様が転送しました……


「ちゃぁ、だぁぶぅだばぁ。」


「良いじゃないですか、今は。確かに自分の子を亡くしたのはとても悲しいですし、忘れることなんて出来ません。でも何の運命か、この子と出逢いました。神様が見守ってくださり、この子を授けてくれたのだと思いながら育てて行こうと思います。」


本当にこの夫婦には感謝しかないよ。


見ず知らずの怪しい存在の俺を引き取ってくれてありがとうございます。


これからよろしくお願いします。


父さん、母さん。

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