学園内の散策とまさかの。
「それではこれより学園生活について説明を始めたいと思います。」
学園生活か。考えてみれば今年10歳になる子ども達がいきなり寮生活だもんな。
前世では考えられないよ。
10歳で親元を離れて生活なんて。
「まずは特級組について説明します。」
コレットさんが黒板の横にある丸い水晶?みたいなのに手を触れると教室にセットされている黒板がスクリーンの様になった。
こういう所は無駄に前世っぽいよな。
初代勇者様以外にも転移者とか転生者が居たんじゃないかって思えるような部分がちらほら見える。
《特級組の専用寮の説明と生活スケジュール》
専用寮は各学年毎に場所が分かれている。
また全部で部屋は16部屋。
男の子は1階、女の子は2階。
異性の部屋へ行くことは禁止。
2階に上がる唯一の階段には警備員が居る。
ルールを破った者は即退学らしい。
専用寮では毎朝午前6時にアラームの魔道具が起動する。
朝食は寮併設の食堂にて6時30分~7時30分の間で提供。
食事のタイミングは時間内だったら自由。
8時30分より学園にて授業。
学園にて授業の間に各部屋は毎日掃除される。
洗濯について。
各部屋に専用の洗濯回収ボックス有り。
ボックスに入れた洗濯物は夕方には各部屋へと戻される。
昼食は学校内にある特級組専用の食堂にて提供。
日替わりでだいたい3種類のメニューから好きな物を注文可能。
なお、他の学年の特級組クラスと食堂は同じ。
しかし揉め事回避の為に席はあらかじめ学年毎に指定されている。
そして授業は午後3時まで。
この国では1ヶ月が30日。
1週間が6日間。
学園は1週間のうち4日間は連続して午前8時30分から午後3時まで授業。
1日は半日授業。最後の1日は休日らしい。
つまり休みは毎月5日間。
夕食までの空き時間は自由時間。
同じく半日授業後や休みの日も自由にしていいらしい。
勉強するもよし、訓練するもよし。休んでもいい。
夕食は夕方6時~7時に寮にて提供される。
特級組は毎月1日に国より支援金として大銀貨2枚が支給される。
支援金が出るのは特級組と銀組のみ。
特級組が大銀貨2枚に対して銀組は銀貨2枚。
その差は10倍だ。
買い物などは学園内に併設された複数の売店にて可能。
なお金銭に関しては毎月1日に親などからの振り込みを受け取れる仕組みがあるらしい。
また金銭的に困窮している生徒などは学園内にて募集されているアルバイトを行うことにより多少のお金を稼ぐことは出来るとのこと。
半年ごとに査定があり、その成績次第ではクラス入れ替えもある。
「基本は黒板に映し出された通りの生活になると思います。何か質問はありますか?」
双子の姉、ルーが手を挙げる。
「学園の外に出るにはどうしたらいいのでしょうか?」
「基本的に1年生の間は学園の外に出ることは出来ません。2年生からは長期休みが夏と年末から年明けにかけてあるのでその時には学園から出ることは可能です。」
つまり最初の1年は長期休み無しに勉強漬けってことか。
「他に質問はありますか?なければ学園内を案内致します。」
そしてコレットさんに連れられて学園内を歩いていく。
こちらがメインの売店ですと案内されたのが目の前のお店。
「思っていたよりも売店の品揃え凄かったね。」
「そうですね。うちの商品もチラホラありましたし。」
筆記用具・衣類・食料・武器防具・魔道具など品揃えは多岐に渡っていた。
売店と聞いていたので本当に小さい店舗を想像していたけど実際に見ると凄まじいサイズだった。
メインの売店は巨大そのもの。
スーパーくらいのサイズはあるんじゃないだろうか。
値段もピンキリ。安いものから超高級品まで。
「それでは次の場所に移動します。」
次に案内されたのは訓練場。
「こちらは授業で使用する魔法の訓練場になっております。申請することで放課後にも使用することが可能です。」
遠くには的が多数設置されていた。
「そしてあちらの奥に広がる広場は大規模魔法の訓練場ですので無闇に近寄らないで下さい。過去に巻き込まれて命を失った者もいます。」
大規模魔法ってどんな威力なんだろうか。
とりあえず近寄らないように気をつけよう。
その後も学園内で働く先生方の研究所があったり運動場があったり……
「魔法学園ってもはや小さな街の規模だよね。」
寮の食堂以外にも学園内にはレストランやカフェがあったりメインの売店以外にも小さな売店がちらほらあったり。
後は学園の教師たちの研究所なども。
「それではこれより寮に案内します。」
いよいよ俺達が生活する寮へと向かった。
学園から歩いて5分ほどの場所に6軒の巨大な建物が敷地毎に区切られて並んでいた。
「そしてこちらがあなた達専用の寮となっております。」
俺達の寮は1番学園に近い場所らしい。
寮の入口には衛兵が2人立っていた。
「お疲れ様です。今年入学になりました特級組10名をお連れしました。」
「了解しました。どうぞこちらへ。」
コレットさんが衛兵に挨拶すると扉が開かれた。
そしていよいよ建物の中へ。
「すごい……」
建物に入ると目に留まるのは天井から吊された巨大なシャンデリア。
これは寮というより大貴族の建物なんじゃないだろうか。
そして目の前に並ぶのは10人のメイドさん。
「「お帰りなさいませ。」」
深々とお辞儀される。
「特級組には各1人専属の使用人がサポートとして割り当てされます。」
まじかよ……
メイドさんの1人が一歩前に出てくる。
「皆様、初めまして。この寮のメイド長をつとめるミーシャと申します。私はラグナ様付きのメイドとなっておりますので以後お見知り置きを。これより各部屋の案内は専属のメイドが行います。」
目の前に現れたのは俺専属のメイド……
前世でも行くことが無かったメイド喫茶のメイドじゃなくてガチなメイドさんが現れたのだった。
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