繫がった手錠
今日 世界が変わった 何の前兆もなく
初夏にさしかかろうとしている5月5日
今日も布団が世界一重いものだなんてどうでもいいようなことを思いつつ、目を開ける
「なんだこれ?」
疑問の一言から始まる朝は驚くように飛び上がる
その中には
ステータス
所持物
と書かれている、
「ゲームみたいだな」
よくあるRPGのものと同じでゲームが好きな坂本 敦には楽しそうというものしかない
こんなにも面白そうなものがあるのに寝てられるかと思うようにリビングへ向かった
「まぁテレビでも見てこれがどういうものなのかとか知らないとね」
情報がないものに手を出すのはどうしても気が引ける
チャンネルを4に合わせる、ちょうどCMだったのでその間に朝食のパンをトースターに入れ、一日の初めとして珈琲を飲むので鍋に水を注ぎIHのボタンをいつもの手付きで沸騰させる
テレビを気にすると、CMが終わっている
ソファーに座り、この画面の事を興味津々に待っている
ニュースキャスターが
「今日目覚めて不思議に思った人も多いと思います、本日の朝突如現れている謎の画面、画面にはステータスと所持物というものが書かれています。専門家にも話を聞きました」
画面が専門家の話に変わる
「この謎の画面のことはまだ1%も解明されておりません、不思議で気にもなってしまいますが何も触らずいつも通りの日常をお過ごしください
」
と言っていた
「まだ何もわかっていないのか」
専門家も分からないことを知りたい知りたいと思ったって何もならないのでゆっくりと立ち上がり、コーヒーとパンを机の上におき
気分によって変わるパンの塗るものを決める
「んー、今日はピーナッツバターで行くか」
5種類しかないので基本曜日で決めているが、ハマっているときは毎日のなるが3日で飽きてしまう
パンにピーナッツバターを塗り終え口にパンを持ってきながら、昨日は部活もないくせに疲れ切って宿題を珍しくやってないことに気づく
「ヤベ、宿題終わってないし!ってか今日水曜だから物理のレポートあるし、今6時8分か急がないと結構ヤバい」
急いでパンを食べ終え、思ったより熱かったコーヒーに氷を入れアイスコーヒーにする、自分の部屋から宿題をとってくる
ついでに制服へと着替えて出来るだけの準備を行う
時計を見ると13分になっており、学校まで後2時間15分程度だが家がかなり近いといえ10分は自転車でもかかる
「あと2時間か、、、」
いつも4時間かかるはずのレポートを2時間で終わらすとなるとなかなか難しいとこがある
レポートはいつもの難易度よりも得意分野という物理であるために多少は速く終わると思うとギリギリのギリギリセーフかなと思い分からなそうな部分のページを開き参考書を頼りに終わらしていく
「あと一時間か、結構終わったがまだ半分か」
集中しているために、コーヒーの氷が溶けており早めに飲んでおこうと思い一気に飲み干す、その後すぐにシャーペンを持ち終わらしていく
「プルルー」
と近くにおいていた携帯から通知が流れる
「こっちは時間がないんだ」
と思いつつ、スルーをする
ずっと通知が来るため集中ができないので開いてみる、涼からのラインだ
「レポート終わらない」
という言葉だ
「こっちもだよ」
と送る
多分涼のことだから休んでいるんだろう
そうなことだろうかと思いさっさ送る
「休まずやっとけよ〜 」
と送る
「へいへい、さっさと頑張りますよ 」
終わらないとかなら送らないでほしい
後の一時間をフルで頭を使い時計が8時20分をさす
「ヤベ、遅刻ギリだ」
と思いつつ全力で準備をした
「あと8分」
最近買ったロードバイクをフルで漕ぎ信号に止まると腕時計を見る
「あと5分、間に合うか?」
ホントにここまでギリギリは初めてなので、休む暇なんてない
自転車をフックにかけ鍵をかけてからこんなにも速く走れたかと思うくらいのダッシュもして玄関についたときにはあと2分だった
「ギリギリ間に合うか?」
膝に手を当て疲れ切った僕は危なくコケそうになる
「大丈夫」
いつも聞き慣れる声がし、横から肩を支えてくれた
「あぁ、大丈夫ありがと」
そう言うと
「これくらいはいいけど気をつけて」
と学校の生徒会風紀委員の楓がいた
「今日もギリギリはなのね」
自分もかなりギリギリに来ることが多いので基本毎日見る
「敦もそうでしょうが!!」
基本毎日見て、この下りをするので半分日課と言って過言じゃない
「まぁ急ぎますかー」
上履きに履き替え、かかとを踏んでいたのでなおして二人は教室へと向かうが、途中でチャイムがなり始めたので、階段を駆け上がり教室の扉を開くと担任の後藤先生が「セーフ」と一言を言い二人は席に座る
こころは席が隣なので結構仲が良いので友達と言ってもいいくらいの関係である
「今日もチャイムギリギリとは、風紀委員として恥」
と隣に聞こえるかどうかというくらいの小声で言っているので
「いやー、風紀委員が遅刻ギリギリなんてあってはならないね〜恥ずかし」
と軽くバカにした感じに言うと、楓は振り向き
「敦にはあんまり言われたくない!」
と言う、その声が思ったよりも大きくクラスの人たちが振り向く
「おーい、仲がいいのはとても良いことなんだけど、少し静に喋ろっかね?」
後藤先生が冷やかすようにいう
「す、すいません」
と凄く恥ずかしそうに顔を伏せる、チラッとこちらを見ると鋭い目線で見つめてくる
僕はそんなに悪くないと思ったのに鋭い目線が飛んできたのがなんでやとは思った
「気を取りなおして、今日ニュースでみたと思うけど今もある画面の事で話があって、国と文科省が話し合って、絶対に触らないようにというのと、一番右上にある✕マークで画面を小さくすることがわかったために常時その状態にしておくとのことです」
「あと、気になるのはわかるんですが絶対に触れないように」
後藤先生が注意喚起をしているが、ほとんどの生徒はそんな話を聞くわけ無いだろうと思いつつも✕印に目線を合わすと勝手に消えた
「目線を少し長く合わせるだけで反応するのか、すごいな」
その機能がとても良い、と思いつつまだ不明な点が多いその謎に気が惹かれてしまいう
ホームルームが終わりゆっくりと椅子に座り次の世界史の準備をする
「なぁ、敦ーこの画面どう思う?」
小学からの付き合いで、友達と言われると一番に上がる人だ。
東 涼 名前が一番短いと思われる
「んー、なんとも言えないかな〜でもまぁ不思議でしょうがないけども下手にするとどーなるか分からないし、危険な状況ではないとは思うがね?あんまり触るの気が進まないね」
自分の目線にある謎の画面、触りたくなるのは人間としてあたりまえだが出来るだけ気持ちを抑える
「でもさ、そんなに危険でもなくないかな?」
その涼の声に疑問を持つ
「なんでそう思うのさ?僕は危険だと思うよ、人類がこれを作ったのなら作った人だけが安全になるようにしていたとすると人類殲滅計画みたいな」
結構真面目な事を言っているようになっているがふざけているのには間違いない実際考えただけでは情報が少なすぎて確証なんて東京で落ちたカードを見つけるようなものでしかない
「人類殲滅計画はないだろ、まぁ実験的なものはあるかもだけど」
敦の冗談を軽く受け流し、自分の考えをいうと1限目を知らすチャイムがなった
「月曜の1限目は一番めんどい、体育とか美術とか楽なのにしてくれ〜」
という楽したいという高校生活で月曜は皮肉にも来てほしくないのである
「よーし、じゃ世界史を始める」
という教師の言葉から今日もゆっくりと行きますか、という言葉が周りには聞こえない程度にこぼれた
1限目を終わらし、2限目の理科室に向かうといつの間にかに涼と一人女子がいた
五十嵐 楓
小学からの幼馴染である 部活は陸上部の短距離をしている
僕も陸上部の短距離だが、女子のくせに僕よりも速い
「敦ーいつもより疲れてない?」
肩を叩かれ、振り向くと心配したような顔で見つめる
楓はクラスでも少し低い身長で下からの目線は嫌いって訳ではないが苦手である
しかも、学年1の人気を誇り男子からも女子からも信頼が厚い
「大丈夫だけど、朝にレポート危なかったしそれで疲れたかも」
朝に作ったレポートを忘れていることに気づく
「ついでに棚に入れようと思ってたレポート取りにかえるから先行っといて」
腕時計を確認してまだ余裕で間に合う事を確認したあと、教室へと戻った
歩きながら3階の階段を上っていると後ろからさっき聞いた声を聞いた
「いやー私も忘れてたわ」
普通に横に並ぶ楓の表情を見るとかなり走ってきたのか少し赤くなっている
「珍しいな、忘れ物なんていつもキチッとしているのに」
僕はいつも忘れっぽいので確認はしているのだが忘れ物が減るなんて考えられないのが現実だ
「別にだめですか?私は機械じゃないですよ〜」
と言いながら僕の頬を人差し指でついてくる
これだけを見るとタダのカップル以外に無いように見える
「やめろよ、何歳と思っているんだ」
いつものことであるが学校なので嫉妬やらの感情を買うわけにはいかない
「まあいいでしょ、いつものことだし、もう私たち他の人たちから見たらカップルだよ?」
首をかしげながら言ってくる楓はいつもより子供っぽく見えた
「危ない、楓と喋っていたから時間ギリギリじゃん、あと30秒しかないよ」
ため息をつきながら、涼に言う
「それはお疲れ様ですわ、楓はよく俺たちに話しかけるよな、いつもは静かなのに」
楓はいつも静かで大人しい感じなのだが、僕と涼には他の人より数十倍は喋っている気がする
「いくら幼馴染と言っても喋りすぎかね?休み時間は8割くらい3人で喋ってないか?」
休み時間はいつも涼の机に集まり、3人で喋っている基本はゲームやら勉強の分からない事などがメインだ
「まぁ俺たちは学力低い組だからあんなトップを争う楓に教えてもらうだけで光栄だよな」
僕と涼は定期は低い点数で低いなりの学校に通っているが楓はもっといい高校があるはずなのにこの学校へと来た理由は
「敦と涼がいないと誰と暇を過ごすんだ」
と言っていた、暇潰し要員かとツッコミたくなったのはおいていこう
するとチャイムがなった
昼休み
3人は教室から食堂へと向かいながら朝の画面について喋っていた
「この画面なんだろうね?」
楓は最小化した画面をもとに戻しじっくりと観察しているようだ
「おい、あんまり触らないほうが、、、」
僕は楓を止めようとするがそんな事は知らんと言うばかりに見入っていた
止めているといつの間にか涼がいなくなっていた
「あれ?涼どっか行った?」
楓が夢中になってた画面から目をそらす
周りには二人だけとなっていた
腕時計を確認する、時計は秒針を刻んでいる
「結構時間過ぎてるな、涼も先に行ったかな?」
楓を見るとまた画面を触っている
「おい、やめといたほうがいいよ」
すると、楓の画面がいつの間にか見今日 世界が変わった 何の前兆もなく