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魔界へ

遅れましたというか、もういつものことですが遅れました(?) とりあえず読んでいただきありがとうございます〜!!!

 俺は、先程百位階の魔法を放つことになった経緯をリューネに説明した。

 呆れたようにため息を吐かれ、今後は敵襲などと勘違いする紛らわしい行為はしないようにと釘を刺された。


 その後、何故かさらにこの前のテストに落書きした魔法陣のことについても言及されたが、魔族であっても属性神の奥の手である《終焉魔法》を知っているとは思えず、適当に誤魔化した。


 その後、教室へと戻ってきた俺はネネとリリカにアムリスを加えた三人を探したが、教室に残っていたのはアムリスだけだった。


「……よう、随分時間かかったな。んで、どんなことして怒られたんだ?」


 アムリスは揶揄(からか)うようにニヤリと笑う。


「……お前、よく目的の賓客を目の前に言えたな」


「……お、てことはリューネのやつから話は大体聞いたってことか、まぁ、そういうことだ。そんときは宜しく頼むよ」


「ああ、こちらこそな」


 俺たちは互いに確かめ合うかのように手をガシッと握った。


 ふむ、なんとも言えないが存外こういうことも悪くないな。


 前世の世界ではこのような学舎がなかったことからこういう風に朋友を作ることはなかった。


 無論、ネネやリリカ、メアリ、ディルメイドなど朋友と呼べる者は多々いるが、こういう形で友を作ることは初めてだった。


「……と、魔界に行くってことを伝えたんだったら、流石に敬語で話した方がいいか?」


「今更何をいう、今まで通りにしてくれ。そちらの方がこちらとしても接しやすい」


「……了解だ。こちらとしてはそちらの方が気が楽だからな。それで、今からは何するよ?」


「それなら今から準備を……と言いたいところではあるが、実際、準備自体はもう出来ている」


「は? え、いつしたんだよ? こっちに戻ってくるまでにしたのか?」


 そう言ってアムリスが身を乗り出してくる。


「落ち着け、それに俺は簡単なことをしたまでだ、話を聞く前から準備をしていただけのことだ」


「……はぁ、事前準備ってヤツか」


 若干、ニュアンスが違うのだがまぁ、置いておこう。


「……ただ、面倒な事態のために常備しているものだけで事足りるというだけだ。とはいえ、ポーション類を揃えただけだが」


「ハハッ、アンタが言うんだ。そのポーションとかもエリクサーとかそんなもんなんだろ?って流石に言い過ぎか」


 冗談半分で言ったように薄い笑みを浮かべるアムリスだが、その言葉は的を射ていた。


「何を言う、大当たりだ」


 そういうと、アムリスは苦笑いをした後ため息を溢した。

 その顔には驚きで若干頬が引き攣っていたが、それより、呆れの念がありありと浮かんでいた。


「……魔界でも中々調合に苦労して、効果のあるエリクサーも少ないっていうのにそれを常備品とは……いやはや、英雄の考えることは俺には理解できんな」


 呆れたような声をあげるアムリスに俺は返す。


「お前、俺を化け物かなんかと――」


 勘違いしてないか、と言おうとしたときに後ろから声がかけられた。


「あ、カイトくん、戻ってたんだ〜」


「おかえりなさいませ、マスター」


 声をかけてきたのは制服姿のネネとリリカだった。

 行きたい場所をあらかた周れたのか、二人ともだいぶ満足そうな顔をしている。


「二人とも、学園は周れたのか?」


「はい、ある程度学園の内装は覚えたので今度一緒に周りましょう!」


「あ、ずるい! 私もカイトくんと一緒に周りたい!」


 何やら、学園を周ることについてネネとリリカが言い争いを始めてしまった。


 喧嘩をするほどなんとやらというので仲が良いのは結構だが、見ていていいとは思えないので止めに入ろうとしたとき、その様子をみていたアムリスが俺に訊いてきた。


「いや、英雄様はモテて大変だな」


 アムリスはいきなりそんなことを言ってきた。

 だいぶ揶揄いの意を含んだように感じる言葉だったが、その中に一つ気になる単語があった。


「アムリス、モテるとはなんだ? この時代の言葉か?」

 

 そう問うと、アムリスは一瞬固まった後、頭を抱え始めた。


「……あー、そういえば、カイトって転生したとか転移したとか言われてたんだったか」


「まぁ、転生の魔法を使ったのは事実だな。名義上は転生の魔法だが、仕組みとしては時間軸に干渉する《転移魔法》と考えれば簡単だ」


「……あー、だったら知らなくても仕方ないのかなぁ、あんまり大きい声では言えないが、一般にモテるっていうと異性に対する好意の現れってヤツだな」


 小声で俺の側でそういうアムリス。


 その説明で大体納得することが出来た。


 仲間として異性に好意を寄せるということは多くあることだ。

 つまりは二人は俺を仲間として好意を寄せてくれるほど信頼してもらっているということだ。


 そう思うと嬉しく、不覚にも口角が少し上がってしまった。


「……ふむ、それは嬉しいな。仲間としてそれだけ認めてもらえているということだ」


 そう呟くとアムリスはなんだか納得のいっていないような表情を一瞬作ったのち、何かを察したかのように言葉を紡いだ。


「……んまぁ、それでいいか。んで、あのお嬢さんたちが帰ってきたんだ、アンタのことだからリューネに仲間でも連れてくって言ってあんだろ?」


「その通りだが、この件は俺が依頼を受けたものだからな。二人に強要はしないがついてきてくれると心強い」


「んじゃ、さっさと言ってこいよ。長引かせると後で面倒になるからな」


 アムリスのいうことに嘘はないので、若干重く感じる身体を動かし、彼女たちに依頼の内容を伝えた。



「……それじゃあ、魔界へ転移させるのはこれで全員だな」


 魔法陣を展開したリューネは学園長室に集まった全員に眼を向けた。


 この部屋に集まったのはリューネを除き四人、俺、ネネ、リリカ、そしてアムリス。


 魔界に関することを話すとネネとリリカはすんなりと受け入れてくれた。

 ネネは魔界についてもっと知りたいとのことこで、メアリともまた会いたいと言っていた。

 リリカは魔界の状況が気になるので確認に行きたいという理由で同行をすることとなった。


 勿論、魔界に関する説明の際に戦いになる可能性もあると忠告はしたが、彼女たちはそれを踏まえた上での言葉だったらしい。


 ――つくづく良い仲間を持ったものだ。


 そしてその後、三日の期間で準備していたポーションを配ったり、戦いに備えて模擬戦などをして、今に至る。


 因みに、魔界へ行っている期間の学園の講義に関しては学園長であるリューネがなんとかすると言っていたが、その内容までは聞かされていない。


 ――講師たちへの言い訳なども含め、問題がなければいいのだが。


 リューネは人と関わっているとはいえ、魔族としての本質は変わらないため力加減などが分からない可能性がある。


 ……まぁ、考えるのは辞めにしよう。


「ああ、これで全員だ」


「……それじゃ、アルフェレア様のお屋敷付近に《転移魔法》を繋げる。そこからは、その不幸面のアムリスに道を聞いてくれ」


「誰が不幸面だっ! お前なんていっつも仏頂面じゃねえか!」


「仏頂面ですって!? 私より背が小さいくせに生意気な!」


「背は関係ねえだろ! てかお前がデカいんだよ!」


 なんだがよく分からないが、言い合いを始めた二人の肩を抑え俺は声を低くし、つぶやいた。


「お前たち、これ以上続けるなら灰にするぞ?」


「「……」」


 一喝すると二人とも顔を青ざめ、黙りこくっていた。

 

「……おほん、取り乱してしまい申し訳ない。……最後の確認だが、準備は出来ているのだよな?」


「……ああ、いつでも飛ばしてくれて構わない」


 俺がそう言うと、リューネは確認が出来たと言わんばかりに、魔法を発動させるための魔力を手に纏わせた。


「それでは、魔界へ転送先を繋げる。あと、最後にコレを渡しておく」


 そうリューネから渡されたのは一通の封筒だった。


「これは……?」


「それは今回の会合の招待券だな。英雄とはいえ、人類をよく思わない魔族はごまんといるからな。何か種族の違いでトラブルがあった場合、それをみせれば大抵何とかなる」


 魔界での戦闘を極力避けるための抑止力の材料ということか。

 念には念を、と言ったところだな。


「了解した。こちらとしても余計なトラブルは抑えたいからな、有効活用させてもらう」


 俺は封筒を《アイテムボックス》に収納し、今度こそ準備が整った。


「それでは、どうかご武運を」


「ああ、任せろ」


 その言葉を最後に、気づいたときには景色が変わっていた。

お読みいただきありがとうございます! 次回の投稿ですが、受験の関係上いつも以上に更新が遅くなることが予測されます。下手すれば一ヶ月以上開くかもしれません。その場合は誠に申し訳ありませんと先に謝っておきます(>人<;)ゴメンネ


それと、この作品がいいなぁと感じたら評価とブクマをポチポチっとしてくださるとこちらも作成意欲が爆上がりしますので何卒宜しくお願いします〜。それでは、また次回!( `・ω・‘)ノシ

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