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かくれんぼ

〜ギルド〜


「依頼を達成をした。確認してほしい」


俺が言うと受付の人が固まっていた。


「え、えっと、嘘ですよね。こんなに早くAランククエストってクリア出来るものでしたっけ?」


「いや、クリアしたからここにいるのですが」

「すいません。ちょっと確認してきます」


受付の人が急ぎ足でギルドの奥に駆けていった。

そして、すぐにその人は戻ってきた。


「えっと、カイトさんですか?でしたら応接間にお呼びしろとギルマスの要請ですので良いでしょうか?」

「ああ、2人も良いか?」


俺は後ろで2人が頷いているのを確認してから応接間に向かった。



〜応接間〜

「で、今度はどんなことをやらかしてくれたんだカイト?」


いきなり、レウスにそんなことを言われてしまった。

どんな、トラブルメーカーだと思われているんだ俺は。


「どうってことはない。Aランククエストを受けて1日でクリアしただけだ」


「そんなこと、普通はありないんだが。まあ、とりあえずどれだけ狩ってきたんだ?どうせ、きちんと5体ずつなんてことないんだろう?」


察しがいいじゃないか。その通りだ。


「マデルライガーが35体、その上位種と思われる魔物が12体、エントラーサーペントが34体で、その上位種に当たるパラスティスサーペントが15体で、あと‥‥」

「な、なんだ?まだいるのか?聞いているだけで耳を疑いそうな量の魔物なんだが」


この魔物に関していえば、ネネとリリカの2人で倒したのだが、まあ、面倒くさくなりそうだから言うのはやめておくか。


「あと倒したのは、黒淵竜だな」


その瞬間、空気が凍りついた。


「そ、それは本当なのか!?伝説級の魔物だぞ!?」


「本当ですよ。ほら」


俺はアイテムボックスから黒淵竜を含めた魔物全てを取り出した。


「これは……もういい!」


レウスがダンッとテーブルを叩いた。

いきなりのことに少しビックリしてしまった。

どうしたんだ?いきなり。


「お前たち全員をAランク冒険者として認めよう」


「「「へっ?」」」


「い、いや。まだ、試験を受けてませんよ!?」


「この魔物の山を見てどうしろと言うのだ!お前たちが不合格ならば、今までのAランク冒険者は全員化け物ということになるぞ」


「まあ、そうなるか。では、俺たちはAランク冒険者となるのか?」


「そうなるな。試験を受けずにAランクになったなんて前代未聞だがな」


Aランク冒険者になれたのは嬉しいのだが、試験というのがどういうものだったか、気になるな。


「じゃあ、とりあえず、この魔物全ての引き取りを頼んでも良いか?」


「その申し出は有り難いのだが、流石にこの量の魔物となると、このギルドだけでは手に負えん。王都の中で連絡の出来るギルドに協力をしてもらってから後ほど報酬を渡す形になってしまうが、良いか?」


「俺は構わないが、2人はどうだ?」


「私は構わないですよ」


「私も良いよ〜」


どうやら、2人とも納得してくれたようだ。


「では、それでお願いします」


「分かった。後、お前たちのランクカードを渡してくれるか?Aランク階級のギルドカードにする必要がある」


ああ、そういえば、ギルドカードというものがあったな。

俺はギルドカードをアイテムボックスから取り出し、レウスに渡した。


「後の2人の方は‥‥」


「私のはこれです」


「私のもよろしくお願いします」


ネネは俺と同じGランクのカードを渡し、リリカは青色のFランクのカードを渡していた。


「では、Aランクのものに換えてくる。渡すのはギルドカウンターの方になるから戻っていた方がいいだろう」


「分かりました。では、失礼します」


俺がお辞儀をすると後ろにいた2人もお辞儀をして3人で応接間を後にした。



〜応接間〜


誰も居なくなった室内でレウスは呟いていた。


「はぁ、全く、黒淵竜を倒してくるとは思わなかったなぁ。しかし、この竜以外の魔物はあの後ろにいたお嬢さん方2人が倒したんだろうな。カイトが倒したにしては太刀筋がブレているからな」


いつもとは全く違う口調で魔物を観察していた。


「しかし、この世界の魔物も弱いな。もっと強いのをヴェルフェンくんに創るように言った方がいいかな?」


レウスは手に持っていたギルドカードをみて興味深そうに呟いた。


「ネネ・クライフィアにリリカ・ランディアか。なかなか優秀な者たちだな。それに、ランディアか、懐かしい名だ。ふふっ」


人化の魔法を解き、レウスの姿を消え、創造神の姿が現れた。


「ふむ、今度の剣術大会、いきなり師匠が現れたらカイトは驚くかな?ふふっ。」


現れた創造神‥‥エルメスは、3枚のランクカードを全て金色のAランクカードに創り変えてから、自分の分身体を創り出した。


「僕が留守の間ギルマスの業務宜しく頼むよ」


『分かっている。そちらこそ途中でバレて残念でした〜wとかになるなよ?』


ちょくちょく言動が腹立たしいがキチンと役目を果たしてくれる優秀な分身体だ。


「それじゃあ、頼むよ。レウス」


『任された、エルメス』


2人は手でタッチをし、創造神は転移陣を発動させて、街に出て行った。



〜ウラルーク大森林〜


「マスター。質問なのですが、今日はなにをするのですか?」


「私も気になるよ〜。クエストでもないのにこんなところに来て」


俺たちは、Aランクになった次の日に特にクエストを受けた訳ではないがこの森に来ていた。

目的としては、2人の体力UPを主な目的としている。

まあ、俺の移動速度向上と魔法鍛錬のいい機会だと思ったのも事実だ。


「これから俺は、この森の中に隠れるから2人には制限時間内に俺を見つけて貰いたい。つまり、『かくれんぼ』だ」


「「かくれんぼ??」」


2人が同時に声を上げた。


「ルールは180分後までに俺を見つければ2人の勝ちで見つけられなければ2人の負け。2人が勝てばなんでも好きなものを1つご褒美としてあげよう。

後、途中で魔物と遭遇した場合は2人でなんとかすることな。対処出来ない様な魔物が来たら、その時は俺が対処するから安心してくれ。それと俺が対処したときに俺をタッチしたとしたら、それは2人の勝ちということにするからな。そして最後に魔法の使用は可とし俺を捕まえる手段としても使って良いことにする」


そう一息で俺はルールを説明し、転移陣を展開した。


「2人とも、分かったか?」


 2人の頷きを確認してから俺は、転移陣の方に歩き出した。


「それじゃあ、スタート!」


 俺は転移陣を起動して森の中に転移した。

 さて、どのくらいで見つけられるかな?


そして、取り残された2人はあることを話していた。


「ネネさん。聞きましたか?」


「うん!バッチリね。なんでもご褒美にくれるって言ってたね」


「何としてもマスターを見つけますよ!」


「うん!何としても見つけて‥‥」


そして、2人は同時に声を上げた。


「「カイトくん(マスター)になでなでしてもらいます!!」」


2人は自分の欲望を胸に意気投合し、森の中に進んでいった。

読者様へ


お読み頂き有難う御座います。m(_ _)m

下にある☆☆☆☆☆にて作者への応援が出来ますのでどうぞ宜しくお願いします(*´∀`)♪

感想などもお待ちしています( ^ω^ )


え?今回、題名が『かくれんぼ』なのにかくれんぼ要素があんま無い?気にするな! スイマセンm(_ _)m

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