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転生から散策

「これで九万六千二百八十四体目っと」


俺は、剣の血を振り落として呟いた。


「はぁ〜、十万体近く倒すと邪神も出てこなくなってくるな〜」


俺は、目の前に倒れている邪神を見てそういった。

邪神は、基本的に概念から生まれる神々の中で負の概念から生まれた邪悪な存在だ。


基本的に神を倒すことは不可能だが、俺は邪神を十万体近く倒して強さを手に入れた。

まあ、概念に干渉して邪神自体を形成している負のエネルギーを結晶体である『神髄玉(しんずいぎょく)』を破壊することで倒しているのだが‥‥‥。


「まだまだ強くなりたいというのに……【能力板開示(ステータスオープン)】」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名:カイト・ルイーク


種族:人間


Lv9057

HP:389,347,565/389,347,565

MP:801,724,898/801,724,898

攻撃:3,454,682

防御:1,254,825

素早さ:2,342,526


能力:SSS+


固有スキル

種族変換、言語理解、物質融合、全属性魔法行使 大剣術、生物錬成、鑑定、魔力感知、アイテムボックス、魔法統合、森羅万象、 原初魔法行使、身体変化


スキル

火炎魔法Lv10 氷結魔法Lv10 自然魔法Lv10

白光魔法Lv10 黒闇魔法Lv10 時空魔法Lv10

背反魔法Lv10 砂嵐魔法Lv10 猛毒魔法Lv10

雷電魔法Lv10 水流魔法Lv10 極炎魔法Lv10

極氷魔法Lv10 転移魔法Lv10 極癒魔法Lv10

幻影魔法Lv10 創造魔法Lv10 精神魔法Lv10

呪術魔法Lv10 解毒魔法Lv10 解呪魔法Lv10

破壊魔法Lv10 大嵐魔法Lv10 終焉魔法Lv10


称号

龍殺し、魔族の支配者、時の支配者、大魔導士、

剣豪、神殺し、神々の弟子、神託者、邪神の天敵

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おぉ! Lv9000台か! やっとか〜。ここまで来るまで疲れた〜」


 以前までは、Lv8000台だったのが上がったので嬉しかった。邪神の基本レベルは五千から八千が基本であり、一体を倒すだけで結構な量の経験値を得ることが出来る。だが、倒しすぎたのか最近はあまり出現することがなくなった。


「しかし、暇だ。邪神を倒すというのも最近では飽きてきたな」


 俺は見た目は十五歳程の少年だが実年齢は八千二百五十歳である。そんな長い年月を生きてきたので試せることは試してきたのだ。だが、それが仇となり今現在、死ぬほど暇なのだ。一度本当に死ぬというのも一興かもしれないが、今この体を手放すというのはあまりに惜しいことだ。

 あの人に一歩近づいたのだからな。


その時、頭にあるアイデアが浮かんだ。


「そうだ、転生しよう」


 転生とは本来、魂を肉体から分離して時を超えるものなのだが俺は、肉体ごと転生する魔法を編み出していた。


「だが、そうなると()()()()に知らせとかした方がいいのか? まあ、置き手紙をしておけば誰か気がついてくれるだろう」


最悪、転生後に伝えても良いしな。

そんなことを思いながら転生に必要な《時空魔法》の術式を組み上げていった。


「《時空魔法》【転生扉(レジェナ)】」


これで、二千年後に転生する。願わくば、こんな壊れた世界ではなく退屈のない世界であることを願い、俺は魔法術式を発動した。



〜二千年後〜


ーウラルーク大森林ー


「ふむ、転生完了か?」


転生して一番に目に入ったものは木の幹であり、見渡すと、どうやらそこは森のようだった。


「まずは、街を探してみるかな? 【魔力感知(ガリス)】」


 生命が発する絶対普遍な力である魔力を感知する魔法を使い、どこか街などの人のいる場所を探す。


 そして、すぐに反応があった。


 どうやら、五十キロほど南西の方角に街があるようだった。


「まずは、そこまで行ってみようかな」


スタスタと歩いていると突然、四足獣の魔物が襲ってきた。が、特に怯えたりなどせず、飛びかかられる三秒前に四足獣の頭に鷲掴みにし、頭蓋をへし折り、頭を潰した。


 砕け散った、魔物の骨を見てとあることに気づいた。


「奇妙な形だな。こんな種類の魔物は見たことが無い」


 魔物から魔石を取り出して、血抜きした魔物と魔石を一緒にアイテムボックスにしまった。

 その後も同じような魔物に何度か出くわしたが、最初のやつとは違い、綺麗に処理した。でないとギルドで売値が下がってしまうからな。


「この程度の魔物だ。せいぜい、飯と宿代くらいには、なって欲しいが‥‥」


そんなことを考えていると、差す光が強くなっていきやがて鬱蒼をしている森を抜けたようで、先程の魔力に引っかかったのであろう街が見えてきた。


「ふむ、あれが街か?なかなか清潔そうな場所だ。こういう場所は好きだから良かった」


こう見えて、俺は綺麗好きなんだ。


因みに今の格好は、自動回復能力のある『不死鳥の帳』と万物を切り裂くことの出来る『断絶剣ベルフェゴール』を装備している。どちらも創造神にもらった物だから大切にしている。


「っと、何やってんだ?あいつら」


森を抜け、人の通るであろう道に沿って歩いていると一人の少女を大柄の男三人で囲んでいた。


「オイ、ガキ! ここを通りたいんだったら、通行料を払え!」


「そうだ! そうだ!」


 なんか、いかにも盗賊やら、強盗とかそんな類な格好をしてる。


「や、やめて下さい。お、お金なんて持って無いんです。薬を買ってしまったから、もう持ってません」


涙ぐみながら、そういう少女。どうやら買い物の途中で出くわしたようで、不運なことだ。


「だったら身体で支払ってもらおうか!」


「きゃっ!」


 男の一人が少女の胸ぐらを掴みにかかるが、その腕は途中で止まることとなる。無論、俺が止めたのだが。

 だが、今回の場合明らかに男たちが悪いと判断したため止めに入るには正当だろう。


「それは、ちょっと乱暴じゃないのか?」


俺が問いかけるとーー


「なんだ、てめぇ。死にてぇのか!」


その瞬間、ナイフやらの武器を取り出した男三人がこちらに襲いかかってきた。


 だが――


「遅いな、貴様ら本当に盗賊か? それに動きが稚拙すぎて読みやすい。攻撃してくれと言ってるようなものだぞ?」


 そう言った次の瞬間には、男どもの顔面には俺の蹴りが入り、漏れなく全員が気絶した。


 死なぬ程度に加減はしたが、この程度で気絶とはだいぶ柔だな、コイツら。


 俺は魔力で盗賊らを縛り上げ、道の真ん中に放った。ここまで分かりやすければ、警備をしているものが気付くだろう。


 俺は振り向き、もう一人の存在に話しかける。


「これで良いだろ、お嬢さん?」


そっと、襲われていた少女に手を差し伸べる。


「あ、ありがとうございます! お母さんの薬の買い出しの途中だったんです。このお礼は必ず致しますので」


 ぺこりと頭を下げると、彼女の白い髪のツインテールが揺れる。

 彼女の容姿は十五歳程で、見た目からして冒険者であろう。


「では、あの街まで道案内を頼みたい。あぁ、俺はカイトという者だ」


「カイトさんですか。先程はありがとうございます。私は、ネネ・クライフィアといいます」


ネネと言うのか、この時代に来て初めて接触する人間だ。さて、どのくらいの強さか‥‥


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名:ネネ・クライフィア


種族:人間


Lv5

HP:4824

MP:2570

攻撃:680

防御:520

素早さ:340


能力:D-


固有スキル

魔法適性:上、武器適正:上


スキル

火炎魔法Lv3 風魔法Lv4 雷魔法Lv4 生活魔法Lv6

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なっ!?」


ステータスを見て驚いた。

Lv5という数字を見て驚いた。俺の元いた時代では、弱い者でもLv100は普通にあった。なのでレベルが一桁という光景を見るのが初めてだったのだ。


「な、なぁ、ネネ。質問してもいいか?」


「はい! どうしたんですか?」


元気に返事をするネネ。


「その、ちょっと《鑑定》のスキルを使ってステータスを見せてもらったのだが、Lv5というのはどういうことだ?」


「あ、はい、弱いですよね私。平均にも達していなくて、まともなクエストも受けられないんです。だからお母さんの薬の代金もやっと買えるまで貯めて薬を届ける途中にさっきの人たちに襲われたんです」


うつむきながら言うネネ。

なるほど、そういうことか。ん? 待てよ‥‥


「なぁ、ネネ、平均のレベルって一体何いくつなんだ?」


「Lv12です」


「十二!?」


 なんという低さだ。こんなに低かったのでは魔物とまともに戦っていけないではないか。


「ネネ、因みに街で一番強い人は何レベなんだ?」


「えっと、たしか、聖騎士長のオルガイドさんの五八が一番強かったと思います」


 五八か、流石に弱すぎる。聖騎士長なんてLv500以上が常識だ。


「オルガイドさんはとっても強いんですよ! 猪モンスターの『ベヒモス』だって倒しちゃうんだよ!」


「……ベヒモスか。それは褒められた話なのか?」


 俺の元いた時代ではベヒモスなんて十歳の子供が練習のために倒していた魔物だ。それを聖騎士長が倒して強いとは‥‥。


「そんな、ベヒモスは『戦争級』の魔物ですよ?」


「『戦争級』?なんだそれ?」


聞いたことのない単語だった。


「戦争級というのは、魔物の強さを表すランクのことです。無害級→有害級→超有害級→戦争級→戦災級→災害級→超災害級→災厄級→伝説級→神話級の以上十ランクに格付けされています。まぁ、伝説級や神話級というのは、お伽話に出てくる龍や神様たちに格付けをするためにつけた階級ですので、現実的には、災厄級までの八ランクまでですね」


 龍や神ならば転生前の時代で阿呆みたいに倒してたけどな。

まぁ、その時代ごとに魔物の強さは変わるものだ。さっきの話を聞く限りでは、あまり強い魔物がいるとは思えないが地道に探していくのも良いことだろう。


「ありがとうネネ。おかげで大分こっちの状態が分かったよ。じゃあ、話が逸れたけど、街へ案内してくれるかい?」


「はい! もちろんです!」


俺たち二人は、その後も話ながら街へと向かった。

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