表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

最終話

 名残を惜しむように外を眺めていると、背後から声を掛けられる。


「…春美?」


「兄貴?」


 振り返ると兄貴が立っていた。不安げな顔が、俺の帰還を確かめて安堵のそれへと変わっていく。


「春美!よかった無事だったか!いや無事っていうか、お前やっぱり並行世界にいたのか!?今急に出てこなかったか!?」


「あーまぁ、一応」


 そう答えていると、玄関扉がひとりでに…いや、()()()()()()()()()()()()閉まった。これで世界は元通り…また、変わり映えのしない日常が始まる。


「心配したんだぞ、慌てて帰ったらカギは開けっぱでほんとにお前はいないし…な、並行世界はどうだった?あっちの俺とかお前はどんなだった!?」


「わ、わかってるよ兄貴、ちゃんと話すから!」


 肩をつかみ、目を輝かせる兄貴をなだめる。ふと、兄貴の視線が下を向いた。


「おい春美、それ…」


 兄貴に言われて気付く。俺のカバンには、()()()()()()()が乗っていた。そういえばあの桜の花びらは、あっちに置いてきたままだった。


 木の葉を手に取り、じっと見つめる…俺は、彼女を…『俺のひとつの可能性』を、助けることができたのだろうか?…去り際に見せた彼女の表情が、きっとその答えなのだと思う。


―――それは、とある()()()()()()()()の…奇跡のような出来事だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ