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死に星 ―twinkle of death―  作者: 白宮 安海
第二章 ベストフレンド
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2.塵と屑 2

星子とディーアは星の羅針盤の道しるべに従って次の街を目指す事にした。ギャラクシアを後に、道無き道を歩いていく。空は青々と晴れて暖かった。辺りに木や岩はなく、だだっ広い高野をただ歩いていく。

「ねぇ、ディーア。またホッリビスが現れたらどうするの?」

「心配ないよ。星の羅針盤を見てみればホッリビスの反応が分かる。それを避けていけばいいのさ。ただあまり逃げると星子自身が強くなれないかもしれないよ」

「でも逃げたいな……出来れば。せめて昴ちゃんが居てくれたらな」

「昴って、星子と同じリンカーの子かい?」

「うん、同い年みたいだし、一緒に居られるだけで嬉しいなって」

ディーアは黙ってから、再び口を開いた。

「僕はおすすめしないな」

ディーアの意外な言葉に、星子は目を丸めて見つめた。

「え?どうして?」

「あの子は星子にとって、良くない存在になる気がする」

「昴ちゃんが?まさか、そんなはずない」

星子はディーアの言う事が信じられなかった。あんな弱々しく、けれど強い眼差しを持った女の子が、自分にとって悪い存在になるとは思えなかった。

「ディーア、もしかしてヤキモチ?」

ディーアは再び黙り込んで答えずにいた。

すると突然「あの、星子ちゃん?」と、弱々しい声が後ろから聞こえた。後ろを振り返ってみると、そこには自分と同じリンカーの昴がいた。そしとその隣には赤い逆毛をして顔や上半身に炎のタトゥーの入っている男がいた。

「あれ、昴ちゃん……、どうしたの?」

「私達も星子ちゃんについて行こうと思って」

「え!?本当に!?」星子は心底嬉しそうに笑った。

「もちろん。だって、星子ちゃんは私の友達でしょ?だから、私も何か役に立てればなぁ……って。役に立たないかも、だけど」と、語尾を小さくしながら俯いた。星子は昴の両手を取って首を振った。

「ううん、そんな事ない。嬉しい。ありがとう、昴ちゃんが居てくれると心強いもの」

「本当に……?あ、それから」昴は隣にいる赤毛の男に目をやった。

「この子ね、私の死に星のアデス。次の街は凄く危険って聞いたから、ディーア君みたいに人間に変化したの」

「おいおい、昴。仲間なんていいだろ。厄介事に巻き込まれるだけだぜ?それよりホッリビスを殺しまくって憂さ晴らししようぜ」と、アデスは三白眼をギラつかせて言った。昴は困った顔をして「く、口は悪いけど。変な事言ったらごめんね」

「なんていうか、凄くロックな死に星ね」星子は気を遣って苦笑いを浮かべた。

「俺達だけでも十分強いんだしな!それにそっちの死に星も、全く歓迎してねぇみたいだぜ」 と、ディーアを指して。

「僕もあまり気が乗らないけど、星子がそうしたいのならそうする他ない。僕は星子に従うだけさ」ディーアは何の気も起こさずに言った。二人の剣幕に星子はおどおどと両者を見た。


「二人の方が都合いいと思うし、ね?何かあったら助け合えるし」と、昴が口を挟んだ。

「そう、だよね。だから二人共喧嘩しないの。というか、昴ちゃん、その髪留め可愛い」

「これ?これは何だか思い出せないけど、ここに来る時には既につけてたの。でもこの花の名前も思い出せなくて……凄く大切な気がするんだけど」昴はオレンジの花の髪留めを触りながら、少し悲しげな顔を浮かべた。それを見て星子も同じように、どこかへ思いを馳せた。そういえば、自分も昴と同じでここへ来る前の事が思い出せない。思い出せるのは自分が一度死んだ――いやそれもまだ定かではないが、とにかく自殺をして目が覚めた時にはここにいたという事だ。昴は一体何故ここに来たのだろう、自分と同じく自殺をしたのだろうか。考えてみても答えは出なかった。だが唯一、星子には気にかかる事があった。昴のその髪飾りには何となく見覚えがあったのだ。

「その花の名前、何だか探してみよう?」

「え?」

「私もその花の名前知りたいから。昴ちゃんの記憶が戻るまで私も花の名前探すの手伝うよ」

星子にとっても、ここへ何故連れてこられたのか、手掛かりになると思った。昴はにっこりと笑って、大きく頷いた。


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