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第四百四十三話 身体鍛錬×魔法学総合

「セレーナ!」

「セレーナさま!」


 駆けてきたリーズとチコリは、まっすぐセレーナのもとへ。

 セタ王子も、二人について駆けてくる。


「やっと、一緒に授業を受けられるのね!」

「うれしいです、セレーナさま!」


 リーズとチコリは本音を爆発させている。

 セタ王子は、


「ぼ、僕も皆さんと授業を受けるのが楽しみです」


 そう言ってはいるが、本当はリーゼロッテと一緒なのが嬉しいのだろう。


「私もうれしいわ」


 セレーナが微笑む。

 わたしが、


「わたしもだよ!」


 と言うと、


「あなたは別に」


 リーズの相変わらずの返しにずっこける。


 そんな感じで、わたしたちは喜び合う。

 六人で一緒の授業を受けられるなんて、なんだかわくわくする。


 と、


「やあみんな! 元気そうだね!」


 ジェイクの声がする。


 校庭へ現れたのは、イェルサの稲妻の面々だ。

 ジェイク、メティオ、ジュナ、ルーベンダイクの四人が揃って、生徒たちを見ている。


 皆が驚いて、口々に言う。


「イェルサの稲妻が来たってことは……」

「身体鍛錬の授業なのか」

「意外だな!」


 ジュナが、


「今日の身体鍛錬の授業は合同授業よん」


 と言うと、メティオが補足する。


「……今回は三年生と一年生の合同クラス」


「合同授業って、何をするの? メティオ」


 リーズが訊ねる。

 メティオはたしなめるように言う。


「リーズ、メティオ『先生』」

「ぐっ……。め、メティオ先生」


 メティオは満足そうに頷くと、


「ジェイク、説明」


 ジェイクに話を振る。ジェイクはうなずいて、話す。


「授業を担当するのは、僕たちイェルサの稲妻と……」


 ジェイクたちの後ろから、もうひとり、先生が現れる。

 頭の禿げあがった、恰幅のいい男の先生だ。


「ショウグリフだ。よろしく」




   ◆




「イェルサの稲妻と、ショウグリフ先生?」


 生徒たちがざわつく。

 イェルサの稲妻は、身体鍛錬の先生。

 ショウグリフ先生は、魔法学総合の教師だ。

 意外な組み合わせに、みんな驚いている。


「いったい、どんな内容なんだろう? 気になるな」


 さっそくリーゼロッテは、


「おもしろそうだ」


 と興味を示している。


 ジェイクが話しはじめる。


「さて、今回の授業だけど……」


 と言いかけてから後ろを向いて、


「ここは、ショウグリフ先生に説明してもらおうかな」


 ショウグリフ先生はうなずくと、頭をさすりながら、学生たちの前に進み出る。

 コホン、と咳をして、先生は言った。


「今回の授業では、生徒同士の模擬戦を行う」


「えっ」


 わたしは驚く。模擬戦……?


「身体鍛錬の授業では、何度か模擬戦を行っているそうだが」


 先生は説明する。


「今回は、いつもとはすこし形を変えた模擬戦を行う」


 皆が注目する。すこし形を変えるって、どういうことだろう。


「君たちには、三対三のチーム戦を行ってもらうが……」


 ショウグリフ先生は、低いけれど、よく響く声でこう言った。


「この模擬戦では、魔法を用いてもよいこととする」


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