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第七十三話

 俺は、城を出た後、直ぐに南へと飛んだ。ネルギア連合国に行けと言われて、何か準備をしなければならないかと思ったのだが、極秘任務とも言われていたので、誰にも知られないようにするには直ぐに行くしかないと思い直して、直接出たのだ。家族には悪いが、きっと親父が説明してくれるだろう。


 ある程度飛んで、海が見えてきた辺りで任務が書かれているという紙を読んだ。そこには、団長の直筆と思われる字で任務の内容が書いてあった。


 その任務の内容は、ネルギアに出現したという、他の動物とは比べ物にならないほどの力を持った生物を発見し、討伐、その後その生物の一部を回収しろということだった。


 他の動物とは比べ物にならない力っていうのは、どれくらいの強さなんだ? 他国に極秘と言われて派遣されるほどだし、かなりの強さなのだろうか。


 取り敢えず、その紙は粉々に破って海に捨てた。極秘らしいので、一応そうした方が良いと思ったからだ。海に投げ捨てたので、粉々にする必要ないかとも思ったが、念には念をということでそうした。


 暫く。飛んでいると、海の中に膨大な量の魚の群れがあった。少しくらい寄り道してもバレないだろうということで、潜って見てみた。その魚たちは、一匹一匹はとても小さいのに全てが寄り集まって、大きな魚のように見えるほどの群れになっていた。前の世界ではテレビくらいでしか見たことのなかった光景が目前にあることに、感動ですら覚えるほどだった。


 そのまま魚を見ていても仕方がないので、再びネルギアに向けて飛んでいくと、段々と大小様々な島が見えてきた。それらには、小さな農村があったり、漁村があったり、少し大きな島になると、街と呼べるくらいのものもあった。脳裏に浮かべた世界地図と照らし合わせて見ると、それら島々の全てがネルギアであることが分かった。


 取り敢えず、今回行く必要のある首都を探す。ネルギアの首都は、首相が変わるごとに場所も変えている。基本的には首相の出身の地になるそうだ。そのため、多くの人が地元を活性化させるために首相を目指す。今の首都は、ネルギアの島々のほぼ中央にあるようだ。


 暫くネルギアの中央を目指して飛んでいると、島の全てに建物が建っている島があった。島が小さいから建物で一杯になっているのではなく、本当に島の全土に建物が広がっているのだ。俺は、これが首都だろうと見当をつけて、島に降りるために高度を下げた。


 あと数分で降り立てると思ったときに、あることに気が付いた。どこに着陸すればいいのかということだ。最初は、建物がない場所に降りようと思っていたのだが、この島には建物がない場所がない。


 このまま留まっていてもしょうがないし、騒ぎになるのを承知で正面から入っていくか。


 俺は、覚悟を決めて、正面と思われる船着き場へと向かった。

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