第五話
あ、両親が来た。今日もいつも通りに羞恥プレイか。もう諦めて言葉を学ぶ事に集中しよう。
母さんのミラさんが上半身の服をはだける。最初は戸惑っていたけどもうどうとも思わなくなってしまったよ。ハハハ...。
「今日もおっぱい飲みまちょうね」
こんな感じのセリフも聞きあきてしまった。諦めて母の胸部の突起から俺の食事を食する。
「おぉ、ちゃんと飲んでるな」
親父はこれを見て何も思わないのだろうか。っていうか思ってたらおかしいな。息子が自分の妻の乳を飲む。普通の事じゃないか。
「でも、あまり美味しそうに飲んでないのよねぇ。なんでかしら」
「そんなの分からねぇよ。カーディルは喋れねぇんだから」
はぁ、喋れればこんなことやめてほしいってすぐ伝えるのになー。
「なら、あなたが飲んでみる?」
「はぁ!?飲めるわけねぇだろう!なにいってるんだよ」
「えぇ?でも、夜ピーーして、ピーーしてるじゃない?」
ん?知らない単語だな。でもなんか流れ的に分かるんだが。知りたくねぇ。両親のピーーなんて。
「おい!子供の前でなんて事言うんだよ。大きくなったら変な子に育ったらどうするんだよ」
そうだ!言ってやれ親父!
「大丈夫ですよ。意味なんて分かってるわけ無いじゃない」
......超分かってるんですが。というか、聞いて困ってるんですが。
「そういう問題じゃないだろう!恥ずかしくないのか!?子供にそんな話聞かれても!」
聞いてる俺も恥ずかしいです。
「えぇ?だっていつもしてることじゃない。ピーーでピーー、ピーーって」
「おぉい、どんだけ言うんだよ。聞いてる俺まで恥ずかしいだろ」
おぉ、顔が赤くなってるな。どんだけ恥ずかしがってんだよ。あんたら結構ここでそういう話してるじゃねぇか。親父はこんなにうぶだったんだな。
「あら、ピーー、ピーーなのに?」
もうやめてくれ。俺も親父もライフゼロだよ。
「だからやめろって!」
「良いじゃない、ピー、...ぅん」
おい!セリフが途中で止まったぞ。親父、お前なにキスしてやがる!こんなところで!
「もう、お前が欲求不満なのは分かったから。子供の前では言うな。なっ?」
「うん...」
くっそう。親父め。こんなところでイチャイチャしやがって。どうせこのあと子供には見せられないあんなことやこんなことするんだろ。母さんも頬を染めて親父のこと見やがって。超おのろけ夫婦め。
こんなことしてると、もう十分に飲んでいるので口を離す。
「あら、もう飲みおわったみたいね」
だから早く行ってくれ。
「じゃあ、行くか?」
「はい」
俺は親父の背中に向かって不能になる呪いをかけてやった。毎日毎日ここにやって来てはあんな会話ばっかりしやがって。
その日の夜、隣の方から音がしてきて眠れなかった赤ん坊はいたとかいなかったとか。