第二十二話
俺たちのいる教室の前で止まった人は、閉まっていたドアを開けて入ってきた。
「おはようございます」
おぉ、誰かなぁと思っていたら、さっきの司会の人だった。この人が担任なのかな?
司会の人は、教室の黒板の前に立つと、黒板消しを手にとって、黒板の一を消した。そして、俺たちの方を向いて、
「今日からこの一組の担任をするシェリア・シュバルツィエだ。よろしくな」
そう言って、自分の名前を黒板に書いた。とても綺麗な字だ。
「間違いがないように名前を呼ぶから自分の名前が呼ばれたら返事しろよ」
そう言って、シュバルツィエ先生は名簿を見ながら生徒の名前を読み上げていく。全員読み上げ終えたところで、必要なものがあるからと何かを取りに行った。そして、戻ってきたときに持っていたのはバッチ状の何かだった。
「これはお前らの名前が書いてある。ここから自分の奴を持っていけ」
シュバルツィエ先生は、横の方に置いてあった生徒用じゃない大きめの机を中心に持ってきて、その上にバッチ状の物をばらまいてから言った。俺たち生徒は戸惑いながらも取りに行くと確かに名前が書いてあった。
「それは学校内で自分がこの学校の生徒であることを証明するものだ。絶対に無くすなよ。胸とかに付けられるようになってるから付けておけ。付けられないやつはちゃんと言えよ。つけてやっから」
俺たち全員を見渡しながらシュバルツィエ先生は言った。俺は言われた通りに胸にすぐにつけたが、付けられない子もいた。その子にはシュバルツィエ先生が優しくつけてあげていた。
「よし、全員付けたな。必ず毎日付けてこいよ。無くしたり、忘れたりしたら私に言えよ。代わりの物はいちようあっから」
何か、男っぽい感じがする先生だが、結構優しいなと思った。
「今日は入学式だけだから授業はないぞ。明日からは、文字と算数、社会を午前中にやって、午後は魔術と体育のどちらかをやることになるからな。じゃあ、今日はもう帰れるからな。おい、カーディル・ナディア、お前声大きいから号令やれ。さようならでいい」
気を抜いたまま聞いていたら突然シュバルツィエ先生が俺を指名してきた。
「はい!」
俺はギリギリ返事をすることが出来た。良かった、出来なかったらなにをされるか分からないし。
「さようなら!」
「「「さようなら」」」
俺の号令に合わせて、他の人の挨拶が重なる。
「おぉ、気をつけて帰れよ」
シュバルツィエ先生はさようならって言わねぇのな......。
その後、校門の外で待ってくれていたリンちゃんと一緒に家に帰った。




