第二十一話
新入生が行けと言われた通路の方へ行く。そこからは外で、床と屋根だけがあった。出てすぐの右側に入ってきた校門とグラウンドが見える。反対側は学校全体を囲んでいる壁がある。そこそこ高くて、簡単にはよじ登ることは出来なさそうだった。俺の身体能力なら飛び越えられるところが悩ましいところである。
通路の先には最初に見た校舎がある。木造の二階建てで、伝統を感じさせる建物になっている。窓は全てガラスになっている。俺の家の近くの家は全てガラス張りなのだが、それは、あの辺りに住んでいる人が金持ちや貴族が多いからで、普通の家は木の窓であることが殆どらしい。つまり、この学校にはそれだけ金がかかっているということだ。
ちゃんと外の通路から入れるようになっていて、そこは小さな木のドアがついている。中に入ると、これぞ学校、という感じの光景が広がっていた。茶色というか、焦げ茶色とでもいうのか、暖かい感じの色で、全面が作られていて、前の世界での小学校の頃を思い出した。その壁には、幼い子供が書いたかのような拙い字で書かれた看板に、一年生の教室と上に書かれたでっかい矢印が書かれていた。先輩の誰かが書いたのだろうか。
その矢印に従って進んでいく。すると、天井から吊るされた紙に、丸に囲まれた一が書いてあった。それで、近くの教室を見てみると人が入っていなくて、廊下の壁に名前が張り出されていた。名前が張り出されている教室は隣にもあった。つまり、ここが一年生の教室であるということだろう。自分の教室を探してみると、体育館側にある教室に自分の名前が張り出されていたので、こっちの教室なんだろう。入ってみると、体育館側の壁に黒板があって、一と書かれてあった。一組という事なんだろうか? 窓からはグラウンドが見える。中には木でできた机と椅子があって、横に六個、縦に五個の列で並べてあって、グラウンド側の列だけ六個並べてあり、全ての机の上に名前を書いた紙が置かれていた。
勝手に自分の名前がある席に座るのだろうと判断して、カーディルと書かれた席に座った。その後も、徐々に席が埋まっていって、三分もした頃には全部の席が埋まった。さっき挨拶をした王女様と思われる人もいる。護衛とかいらないのだろうか。隠れているのかもしれないな。普通、こういうときの学校は、しゃべってるやつがいるものだが、まだ初日だからか、友達になっている人が居ないからなのか、喋っている人は誰もいなかった。
そのまま待っていると、廊下から誰かの足音が近づいてきた。二人分だ。そして、俺たちのいる教室の前で一人が止まった。もう一人は隣の教室に行くようだ。さて、どんな先生なのだろうか。




