第十七話
今日はネルが寝返りを打てるようになった。産まれてから4ヵ月くらいたっている。
「ネルちゃんやったね!寝返りを打てたよ!」
「きゃは!」
「ネルちゃんもカー君も嬉しそうですね」
リンちゃんが微笑ましいものを見るような目で俺とネルを見ている。
「そりゃあ、やっと動けるようになったんだもん。嬉しくないわけないよ」
「それもそうですね」
「次はどんなふうに動けるようになるんだろうね」
「そうですね」
でも、本当に嬉しい。自分の妹が動けるようになったんだもん。あれ?なんか思考がヤバい気がしないでもないな。まぁ大丈夫だろう。
「じゃあ、僕は剣の練習をしてきていい?」
「はい。どうぞ行ってらっしゃい」
「うん」
俺はリンちゃんにネルを任して、とはいっても俺が任されていたんだが、部屋を出る。そして、剣を持って庭に出る。最近でもトレーニングは続けている。腕立て伏せと腹筋、ランニングは俺の日課だ。腕立て伏せと腹筋は1日5000回くらいを1時間で、ランニングは1000キロくらいを30分で走っている。最近は全く筋力が上がっている気がしない。筋肉痛にならないからだ。ぶっちゃけこの程度のトレーニングは苦にならない。
そしたら素振りをする。10000回だ。これも簡単に出来る。筋力的には。しかし、一本一本を鋭く、速く、無駄なくやらないといけないと意識してやるためとても辛い。精神的にだが。
魔法は最近やっていない。正確にはやっているが、魔粒子を消費させるためにだけやっている。魔粒子の量を増やすためだ。身体強化を密度全開でやっている。これはコントロールの練習にもなる。なぜかというと俺の魔粒子量は膨大になっているので、量を決めて使用するのは結構大変だからだ。それに、とっさにこの密度で強化することの練習にもなるしね。良いことばっかだ。そして、親父が帰ってくるまでシュミレーションをして待っている。もはや筋力は親父と同じくらいになっているのに、勝てたことがない。
それでも最初よりは全然良くなっている。身体能力が上がったのもあるが、やっぱり経験を積んで徐々に親父の動きが分かるようになっているからだと思う。最初は一撃やると反撃で負けていた。そこで、一撃やった後に隙を作らないようにした。しかし、それでも少し長くなっただけですぐに負けてしまった。その後も試行錯誤を繰り返し、最近になってなんとか勝負になってきた。それでも勝てないからどれだけ親父が強いのか分かるってもんだ。5歳になる前に一本取れるようになりたい。
そうしている間に母さんが学校から帰ってきた。
「ママ、おかえり!」
「ただいま、カー君」
母さんが帰ってきたってことは、もうすぐ親父も帰ってくるな。
「毎日練習頑張ってるわね」
「うん、パパを倒せるようになるんだ」
「お父さんは強いわよ」
「がんばる」
親父も帰ってきた。
「パパおかえり」
「おう、さっそく稽古やるか?」
「やる!」
「でも、疲れているんじゃないの?」
「大丈夫さ」
いやぁ、疲れててもやってくれる親父に感謝だね。




