第十一話
親父から剣を貰ってから3ヵ月たった。俺はあの次の日から毎日筋力を上げるためにトレーニングをした。最初は2歳という年齢もあって腕立て伏せと腹筋は一回ずつしか出来なかったし、ランニングも100メートルも走ったら息が絶え絶えになってしまっていた。しかし、途中で気づいたのだ。魔法でなんとか出来んじゃね、ということに。
トレーニングは基本的に超回復が起こることで筋力が上がることを利用したものだ。つまり、1日で何度も超回復を起こすことが出来れば今よりも効率的にトレーニングが出来るはずだ。
その後、トレーニングの後は、回復させる魔法、おそらく回復魔法と思われるやつが出来るかどうか試してみた。最初の頃は超回復のイメージが湧かず全くできなかったが、1ヵ月もするとほとんど出来るようになっていた。どんな感じかというと、体中をめぐっている魔粒子を回復させたいところに留まらせておくのだ。そして、そこに溶け込ませていく。すると回復力が大幅に上がって、トレーニングの超回復が、2、3日かかるところを1分にまで縮めることに成功したのだ。
ちなみに、回復力は魔粒子の量に比例するようで、本気で込めると1秒で治すとこが出来た。しかし、使わないことにした。早いのだがそのぶん消費が激しく、自分の魔粒子の100分の1くらい使っているのだ。100分の1くらいなら少ないじゃん。と思う人がいると思うが、それは間違いだ。今の俺の魔粒子量は親父を1にした単位で1000億くらいになっている。その100分の1だから10億くらいか。それだと、この家でおそらく俺の次に多いリンちゃんですら使えないということになる。最近は庭から色々な人を見ているから分かるが、ほとんどの人は母さんくらいしかない。大体1000くらいを上下する感じだな。この辺は貴族しかいないが、普通の人の平均とそうは変わらないだろう。そして、多い人でも100万程度なのだ。まぁ、以前空に飛んでいる人がいて、その人は1億はあったのだが、きっと城に勤めている宮廷魔術師てきなやつだろう。それでも1億だ。つまり、今の俺程度のサイズの体を治すのに10億なのだから成人している人は100億以上は軽くいくだろう。俺の魔粒子はまだ限界を見せていないとはいえ、そんな量の消費は緊急時のみにするべきだろう。
しかし、1分にするならば、1000万にまで消費を抑えることが出来るのだ。今の俺はそんなに急いでるわけでもないし、それくらいで十分すぎるというわけだ。
そして、この、名付けて超回復を魔法でやっちゃえ作戦で、今の俺は、腕立て伏せを100回どころか1000回を疲れずに出来て、ランニングを10キロを息切れせずに全速力で走れる超スーパー2歳児になっているのだ。全速力の速さも圧倒的に上がっていて100メートルを8秒で走ることが出来る。2歳なのに現役陸上選手も真っ青なスピードになっているのだ。もはや下手な乗り物乗るより走った方が速いくらいの域にいたっている。前の世界だったら凄いと喜ばれるよりも、怖いと畏れられてしまうだろう。この世界がどうなのかは知らないが。
そういえば、回復魔法を調べている時に他の魔法も見つけた。おそらく筋力を強化する魔法だ。使うと使った魔粒子の量で強化される具合が決まる。使い方で時間なども決めることが出来る。これは、強化させたいところに魔粒子を集めて、まとわりつかせる。そして、魔粒子で筋肉を覆うことで強化されるみたいだ。まとわりつかせる時に密度を大きくすれば大きくするほど大幅に強化されて、まとわりつかせる太さで時間は決まるみたいだ。密度を俺の最高の10分の1くらいでやると今の俺の100倍くらいの力が出た。その時は、ジャンプをしたから家が小さく見えるくらいの高さまで行ってしまった。とても危険だからそれは封印した。時間を最大にすると、5日くらいずっと続いた。こんなに長くてもしょうがないと思った。
そして明日、親父に3ヵ月の成果を見せつけてやるのだ。どんな顔をするのか楽しみだ。




