閑話私の初恋が壊れた日
一週間だけ限定どんどん6日目魔女さんの事情です。怒らすと怖いですねこれぞ因果応報です。
私は魔法使いの家系に生まれた。国付きの魔法使いは、重宝される。魔女は血と力の階級があって私の母親が国付きの魔法使いだった。
「リルファ、あなたも素敵なお婿さんをもらわなければいけないわね」
母はこの国の侯爵家に妻として魔女としてこの国に仕えてきた。私が十歳になった時に婚約者ができた。かっこ良く頭もいい。
「リルファです。ミカエル様、よろしくお願いします」
そう自己紹介した後で横に居たあの男!殿下が言ったのだ。
「ミカエル、その子よりフランシーヌの方が可愛いからお嫁さんなら向こうの娘の方が似合うと思うぞ」
「え?君がそう言うならフランシーヌにしようかな」
その言葉と共にパーティー会場に居た隣国の魔女の娘の所に行ってしまった。母も周りの人も皆固まった。動けなかった。
「お母様、ひっく、私振られたの?」
お母様も何も言う事が出来なかった。相手はお母様より上の階級、魔女の娘が選んだのが彼なら口出しできない事になっていた。
「ごめんなさい、私達はこの国を去りましょう。あなた、今までお世話になりました。娘とこの国をお暇します」
お父様にお別れの言葉を言ってその場を離れた。荷物を纏め侯爵家を後にした。魔女の世界にもルールがある。階級持ちが国に仕える場合一家族だけだと決まっている。婚約者の家は代々受け継がれるが新しい魔女が来て階級が上の場合はその地位を譲る事に決まっていた。
お母様は、お父様が好きだったが決まりは破れないので泣く泣く別れた。私も婚約者に捨てられた娘として魔女の世界でバカにされたのだ。
こうして、私の初恋と家族は壊された。絶対!あの男の初恋なんて成就させない。壊してやるわ!あの後、私にも夫が出来て子供もいるけれど仕返しはしてもいいと夫と娘が言ってくれる。優しい家族だわ。それにしても、あの男の好きな娘も変わった子だ。地位も財産も要らないらしいわ。部屋いっぱいの贈り物を、気色悪い!とひとつも持ち出さなかった。おかしくて笑ってしまった。嫌われてる!最高に楽しいわ。