第4話
不定期更新です。
私は今、不機嫌です。朝も暗い内から放って置いてくれて良かったのに、馬車に強制的に乗せられました。どんな訳があるのか知りませんが、ドアを壊して連れて行くのは勘弁して下さい。
「すまない!どうしても出発しないといけなかったんだ!」
コブのお兄さんが言いますが、それ私に関係ないですよね。寧ろ、巻き込まないで欲しかった。
「……」
喋りたくなくて、顔を反対の方向に向けています。
「許してくれないのか?ダメなのか?」
朝早くから、煩いコブのお兄さんにうんざりしています。眠たいです。
「こう言ってるから、主人を許してやってくれないか」
頼まれても嫌です。諦めて静かになればいいのに。
「君が許してくれないと、何時迄もしつこいよ」
もうひとりの連れの人が言います。やめてよーっ!益々嫌になる。
「え?本当?許すから二度としないで!」
「分かった。しないかもしれない」
ん?しないかも?かもって何ですか!絶対しないと言えないの!ダメです。終わってます。やっぱり変な人です。
「話が纏まった様ですね。馬車のスピードあげますよ」
どこが!全くダメですよ!スルーですか?この御付きの人も主人が主人なら、御付きも御付きと似た者なんですね。私の意見は無視なんですね。
どこに連れて行かれるか知りませんが、変な場所に軟禁だけはやめてください!と心の中で文句を言いました。
「殿下、転移できる距離に来ました。王宮入口転移門に移動します」
え?殿下?殿下って言いました?王族何ですか!なんと!厄介な!そして、このまま王宮に行くのー!御付きの人が詠唱してますね。なし崩しに連れて行かれるのが決定している!眩しい!!
「王宮に着きました、殿下報せは陛下に先ほど送っておきましたのでお待ちだと思いますよ」
「分かった、父上達のもとに行く付いて来い」
「「はい、殿下」」
ゴブのお兄さんのご両親のもとに行くんですか?遠慮したいです。全力で拒否したいんです。
「離してください!家に帰して!」
暴れて逃げようとしても、ゴブのお兄さんの力が強くて腕の中から逃げ出せません!
「大丈夫何もしない」
信用できません!下ろしてください!
「やだ!やだ!離してーっ!人さらい!」
「殿下、仕方ないです。静かにさせます」
御付き人が詠唱すると喋れなくなりました。手に持っていた、夜着を私に巻いて連れて行かれます。どっちにしても、碌でもない事が待ち受けてるに違いないと思います。