第9話
次の更新は来週を予定してます。魔女さんはここでは本名は名乗ってません。仮の名です。
魔女さんの家にお世話になってます。閉じ込められ生活から解放された私は幸せです。自由って素晴らしい!誰かがよく言ってましたよね。
「魔女さん、ここは過ごしやすいですよね。私、定住していいですか?」
山の麓でなんと!温泉が、温泉があるんです。前世の記憶しか無いので温泉は癒される。普通は、お風呂毎日は平民には無理ですが、ここでは温泉入り放題です。天国だあ!日本でお風呂に毎日入る習慣が染み付いているのに、記憶を思い出してお風呂に入れないのが一番辛かった。
「好きなだけいてもいいですわ。あなたも幸せ私も幸せ、あの男だけ不幸〜!おーほっほっほっほーっ!」
変態(コブのお兄さん。もう、総称変態に変更)さんが不幸だと、魔女さん機嫌がいいです。何かお手伝いでもしないと!
「そう言えば魔女さんの名前聞いてませんでした」
「ローリンよローリンと呼んで頂戴」
「はい、ローリン様」
私を、絶望していた未来から助け出してもらえました。温泉に毎日入れるここでの暮らしは捨てがたいです。
「そうだわ、前に言っていたあの男より素敵な人を紹介しますわ。楽しみにして頂戴」
え?素敵な人?遠慮します。平凡な生活がしたいのでまだ要りません。
「ごめんなさい。要りません」
速攻で断りました。記憶を思い出しましたので、のんびりと暮らしたいです。
「おーほっほっほーっ、王子が来たら困るので仮の婚約者を立てておく方が無難と言ったはずよ」
作戦ですか?連れ戻されても嫌ですが、私に協力してくれるお人好しな人がいる?
「仮で協力してくれる人がいますか?」
そうローリン様に聞くと、にっこり笑ってくれます。
「大丈夫、この前言った候補なら沢山いますわ。1番王子の邪魔ができる人達に連絡を取りましたから、時期ここに到着するはずですわ」
は?もう連絡してあるの?し、仕事が早いです。本当に王子の事が嫌いなんですね。背中に冷や汗が流れて行きます。ローリン様には逆らわないようにしよう。
「本当に?」
「ほら、到着したみたいよ。外を覗いて見ると良いですわ」
豪華な馬車が止まってます。普通の人じゃないですよね?一般人の方が私にはあってます。
「えーと、普通の人がいいです。無駄にイケメンでない人をお願いします」
馬車から煌びやかな一団が降りて来ます。あの中の誰かが、王子に嫌がらせする為に仮婚約者になってくれると?遠慮します。全力で遠慮します。無理です。私はフツメンの方が安心できます。
「そうかしら?あれぐらいでないと、あの男を牽制出来ないわ」
本当に仮ですよね?振りだけで後は静かな生活に戻れますよね。
「仮で変態さんを騙すだけですよね」
偽物の婚約者ができそうです。協力者が沢山いるなんて、どれだけあの変態さんは嫌われているんですか?人の恨みはあんまり買いたくないですよね。
「おーほっほっほーっ、あの男の泣き顔を見れそうですわ」
ローリン様がとても嬉しそうです。ですが変態さんに2度と会いたくないと思う私なのでした。




