ホットコーヒー
君は、いつも格好をつける。
コーヒーはブラックで。
ミルクは無し。
砂糖も無し。
冷めたコーヒーは飲まないから、いつも淹れたて。
やせ我慢して、熱いのを飲む。
僕は、そこまで我慢しない。
苦ければ、ミルクも入れるし。
甘いのが好きだから、砂糖もたっぷり。
時には、生クリームだって入れちゃう。
猫舌だから、冷めてもおいしいって言って。
話し込んで、冷めてしまったコーヒーを、くいっと、飲む。
同じ事をしないのに、コーヒーは好きな、二人。
今度、お気に入りのマスターのお店に、行ってこよう。
ぼくは、頑張って、熱いコーヒーを、ブラックで飲んでみよう。
君は、冷めたコーヒーは飲まないかもしれないけれど。
熱いコーヒーを飲めば、君の声が聞こえるかもしれないから。
そうしたら、冷めたコーヒーで、僕の声も聴いてほしいな。
淹れてくれた人に感謝をするなら、熱い方がいいのだろうけど。
君を見てると、ついつい、冷めちゃうんだ。