表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/22

17マス目・眠ったら一回休み

 サンライズはようやく、モニタの前に座るカイトに目をやった。

「どうだ?」

 カイトはちらっとふり向いただけで、また機器に集中している。

 目の配り方までシヴァに似ている。

「どうもこうもねえよ」

 それでも仕事としてはかなり気に入ったようだ。

 このまままっとうになってくれれば、MIROCでも雇えるのに。

 前回は取り逃がす前に、もっと感情的なものに訴えれば良かったのかもしれない。警察との打合せで、現在進行形の犯罪をとりあえず止めるほうに重点がおかれ、彼のような人間とは取引ばかりが先走ってしまい、犯罪そのものについて更生させるヒマがなかった。

 あのまま逃げなければ、サンライズが彼の『更生』に一役買うはずだったのだ。もしかしたら、力を遣ってでも。

 今回は、そこまでできるのだろうか? 時間はあるだろうか?

「シヴァ達が逃げたら教えてくれ、オレたちもキリのいい所でモニタを終了して、ここも撤収だ」

「あっちの2つの部屋はどうする?」

 カイトが壁越しに指さした。

「とにかく逃げるが勝ちだな。あっちの部屋に残ってる受信機の回収とかも後だ。ここの部屋には機器のほかは何も残したりしてないよな?」

「便所も使ってねえよ」

「ならいい」

 そこまで言うと、急に張り詰めていたものが緩んだ。いかん、眠るな。

 814を激しくノックする音が聴こえて来た。廊下ごしなのかモニタ通しなのかがはっきりしない。

「おい、開けろ」社長が怒鳴っている。

「ナカソネ、いるんだろう?」

 814の中からは物音一つしない。サンライズ、どうにかヤツを眠らせることには成功した。

 力を遣って、だと思う。サンライズは朦朧とした頭の中で思い返す。確かにシェイクした、ようなしないような。いや、したぞ。出来ていたと思う。あ、それともぶん殴っちまったかな? 忘れた。

 殴って寝かせると、後でノギからこっぴどく叱られる。実際、どうしたんだっけ?

 まあいい、とにかく寝ていてくれれば。

 数秒後に、自分も深い眠りの中に引きずり込まれていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ