scene.1
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八十吉先生「そうだ、そのままの姿勢で岸まで泳ぎ着くんだ!」
モリーニ「もうだめだよぅ、先生ッ!もう息出来ないもん〜プルルッ〜」
八十吉先生「お主忘れたのかッ!平泳ぎは足をカエルのように掻くのじゃッ、ほれ、3ハイッ!」
モリーニ「もうだめだよぅッ……ププルッブクブクゥ〜ッ……」
八十吉「な、なんじゃとぅ〜ッ、お主今死んでも良いのかあ?」
モリーニ「な、なんですとぅ?しぬって……ナニソレ?」
八十吉先生「そのまま溺れて死んでも良いのかって事じゃ。お前さんのいる場所はおおよその水位20cmなのはご存知で?」
モリーニ「なんですとぅ〜ッ?では僕は足が着ける水位なのでして?」
八十吉先生「そうかもね。でもそうじゃなかったら、お前ならどうする?」
モリーニ「うんとね、取り敢えず岸まで泳いでみますよねッ、キャハッ!」
八十吉先生「やれやれ、最近の子は訳がわからん……。」
遠泳教室の教師と生徒。不思議なやりとりをモリーニの同級生一同はさぞさぞかし信じられない様子でただ湘南の穏やかな波に映る真夏の水面のきらめきの中じっと見守るしか出来ずにいるのでしたーーー
ようやく水位20cmの波間からどうやら生還した様子のちびっ子モリーニが中学体育教師八十吉ことヤソキチ先生の目の前で溺れたりしながらも、既に意識もなく流れ着く湘南海岸。他の教師達も心配して慌てて駆け寄るのでしたーーー
〜〜〜☆☆☆
モリーニ「アレッ、此処は何処?僕は何者?……」
ヤソキチ先生「なんじゃ、お前さんや。此処は君が望んだ異世界ではあ〜リませんかっ!」
モリーニ「い、異世界ですとぅ〜〜〜ッ!なんてこった!」
ヤソキチ先生「まぁしょうがないのぅ……お前さんが望んだのだから。あちらの世界に何の興味も失ってしまったのじゃからな。ワシらには如何様にもい難い。なにせお前さんが勝手に空想したこの現実なのだから、誰にも止められやしない。そう、皆んな心配してたぞ。何故ならばお前さんがもう少しクロールが上手にできるものだと思っていたからな。なのにお前さんと来たら一番不得意な背泳ぎで岸まで辿り着くことに懸命で、ワシの忠告すら耳に入らない様子だったからな!」
モリーニ「ち、違うよぅ…何だかあの時水の女神の囁きが聞こえて……あぁ、あれは何だったのかな、でもそうしなきゃ溺れてしまいそうでどうしようも無かったんだからね……」
ヤソキチ先生「そうか、あ奴か。また現れおって……そう、ワシの記憶が確かならばワシがこの異世界にたどり着いた二万五千億年前に恋焦がれた女神ユリヤの囁きに、お前さんも操られてしまったのじゃろうーーー」
ヤソキチ先生の妙な話に困惑を隠せないモリーニ。ということは此処はあの湘南の砂浜じゃなくて、何処ぞの異世界の海岸に辿り着いたって事なの?だがモリーニはヤソキチ先生の話を全て鵜呑みにすることなど出来ないでいた。だって他の教師達も心配して慌てて駆け寄ってきたんだし、どう見ても此処は湘南の砂浜そのものだったのだからね。
モリーニ「ヘヘッ、ヤソキチ先生っていつもそうやって僕を騙すんだからな!意地悪だよ。ほら、他の先生達も僕の事を心配してるじゃないか?」
ヤソキチ先生「ふ〜ん。お前さんは何もわかっちゃ居ないな。ならばその先生達にこの事を聞いてみるが良い。」
変なことを言うヤソキチ先生の言葉に不安ながらも、隣の担任のマツコ先生と思しき目の前の女性に呟くモリーニーーー
モリーニ「あのぅ、マツコ先生。このヤソキチがいつもより変なことを言うのでお聴きしますが、こちらは湘南の砂浜で間違いではないですよね?」
すると目の前のマツコ先生と思しき湘南がまるで鳩が豆鉄砲でも食らったように目をまん丸くしてポロッポと答えたではないかッ!
モリーニ「ええと…ポロッポとはなんぞや?」
マツコ先生と思しき女性「ポ、ポロッポ!ププルッププルッ!ルルッ……」
モリーニ「え、変なのぅ〜ッ……ププルッて!もう笑わせないでよぅ〜ッ、キャハッ!」
マツコ先生と思しき女性「プルル?ププルッ……」
モリーニ「だからさぁ、その鳩みたいな真似辞めてくんない?そんなんじゃ会話にならないし、大体あなた教師ですよね~(笑)」
ヤソキチ先生「ほれ、この通りじゃ。お前さんまだ気づかんか?だから言ったろ、お主はお主が望んだこの異世界ワンダーランドに既に突入した身なのじゃ!諦めてこの異世界にどっぷり浸かって楽しむが良い!」
異世界?、お主が望んだこの異世界ワンダーランド?先ほどから不思議な言葉を羅列するヤソキチ先生が何故か信じられなくなるモリーニ。もしや僕はあの遠泳の最中に本当は湘南の海に溺れてしまって、そしてこの異世界に訪れる羽目になってしまったのじゃないかッ!急にモリーニは現実を把握できないで泣き出すのであった……
///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




