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ジンのバイト

ジンとソフィアは二人で、王国の雑貨屋にショッピングに来ていた。ソフィアが雑貨を眺めながら、目をキラキラさせ、どれを買うか。迷っている。その雰囲気を何気なく察したジンが言った。

「ソフィア。どれを買うか、迷ってんだろ。迷うのが楽しいって言う、乙女心って奴か。」ソフィアがジンを向き、ガッツポーズを決め「はい!その通りです!流石ジンさん!乙女心を分かっていますね!」と笑顔で口にする。ジンはやれやれと言った表情で頭をボリボリ掻くと、「それに付き合わされる男の方はたまったもんじゃねーんだよな…。」と文句を発する。「何か言いましたか?」ソフィアがギロリとジンを睨み付ける。

「うおっ!いっ、いや、別に!なっ、何でもねーよ!」ジンがビビる。そんなやり取りの後、結局ソフィアの買い物(とそれに付き合わされるジン)が数時間ぐらい続き、ようやく会計の為レジに立った頃だった。「ん!?」ジンが自分のポケットをまさぐり、ある事に気が付く。「どうしたんですか?ジンさん。」「…し、しまった…!日本の円しか持ってねえ。この王国の通貨持ってねえから、働いて稼がねーといけないのを忘れてた…!」ジンの頭に衝撃が落雷する。その時、会計の店員がジンを睨み「チッ!」と舌打ちする。

「いっ…いっけねー…すっかり忘れてたぜ…はっはっはっ!悪かったな!ソフィア!」ジンは一生懸命笑って誤魔化そうとした。したのだが、ソフィアはジンに背を向け、たったったっと走り出すと

「おっ、おい。どうしたソフィア!?」とリアクションしているジンに向かってUターンし、また、たったったっと走り込んで来ると思いっきり両キックをジンに食らわした。「ぐはああっ!」ジンは蹴られた衝撃で吹っ飛び、さっきのジンを睨んで舌打ちした会計の店員に向かって飛んで行く。だが、会計係の店員は飛んで来たジンを躱す。

躱されたジンはそのまま店の壁に激突した。

「ぐはああっ!」ジンの叫び声が店内にこだました。

―「あのさ、さっきは悪かったよ。ホント。ソフィア。」ソフィアによって包帯を巻かれているジンがそう言った。「駄〜目ですよジンさん。お店に入る時にはちゃんと財布の中身を持っていないと。」ソフィアが叱り付ける様にそう答えた。

「分かった。じゃあ俺はこれから、バイトしてこの国の通貨をきちっと稼ぐから。あ…バイト出来る場所、何処だ?」ジンはバイトの働き口をソフィアに尋ねる。こうして、ジンのバイト生活が幕を開ける。

「取り敢えず、このスケートボードで街を周り、各家にチラシを届けるバイトが、一番シンプルかつ時給も良さそうですよ!ジンさん!」ソフィアがバイトの求人のチラシを持って来る。そのチラシを見たジンは「いや、キングダムハーツか!?」とバイトの内容に対してツッコミを入れる。「キングダムハーツ?何ですか?それ。」ソフィアが首を傾げる。「…いや、何でも無い。どうやら、何かあると日本のゲームに結び付けてしまうのは、ヒカルだけで無く、俺もそうだったらしい。」良く分からないと言ったソフィアをよそに、ジンは勝手にその様にして一人で納得するのだった。

バイトの場所に辿り着くと、見た目の厳つい、見るからに怖そうな、身長が2m超えの求人募集人が現れた。(うおおおおおっ!!!?怖えええ!!?)

(ひいいいいっ!?怖いです!!)ジンとソフィアは二人で内心そう思った。しかし、二人とも声には出せない。「…お前らか。求人に応募して来やがったのは。」募集人が口を開く。「…制限時間は1時間だ。それ以内に、この王国中の全ての家と言う家にスケートボードで回り、チラシを届けて来い。出来なければ、殺す。分かってるな?」厳つい表情でジンを睨み付ける。ジンが相手を刺激しない様、下手に出ながら「いや、あの〜でも、このノヴァ王国って、広いですよね?こんな広い王国で全家庭に1時間以内に届けるってのは、ちょっと無理があるんじゃ…。」と伝えて見せる。しかし、厳つい募集人はジンの胸元を掴み、そのまま空中に引っ張り上げると「出来なければ、殺す。分かっているな。」と再度警告する。ジンは、半分走馬灯を見ながら「…は、はい…分かっていますとも…。」と了承するのだった。そしてその光景を見ていたソフィアが頭に汗を掻いていた。

バイトが始まると、スタートと同時にジンはスケートボードで全速力で王国中を駆け抜けた。そして、速攻で家々を回り、チラシを配りまくって見せた。(早く早く!1時間以内に終わらせ無きゃ俺の命はねえ!)ジンは焦る。そしてやはりスケートボードで駆け抜けている最中も半分走馬灯を見た。ソフィアはその様子を見て、(凄いです!ジンさん!あのペースなら、本当に1時間以内に終わらせられそうです…!)と期待を募らせるのだった。そして、ジンは全速力でチラシを配り、ようやく最後の一軒になった時だった。(や、ヤバい!後一分で制限時間一時間経っちまう!)残り時間が後一分まで迫っていた。そして、最後の家を無事発見し、その家に向かって行った。だが、運悪くそこに馬車が通ってしまい、ジンは馬車にスケートボード毎跳ねられてしまった。そのままジンは空中に身を放り出され、近くの川に落水。落水してしまった事で、最後の一枚のチラシが水に濡れ、ふやけて破れてしまう。「うっ!うわああああ!」ジンは叫び声を上げたが、文字通り時既に遅し。時間はもう既にラスト一分を過ぎてしまっていた。「や、ヤバい…!バイトのノルマ達成に失敗した!バレたら殺される…!ここは逃げ…!」ジンがそう言いかかった時だった。「何処へ逃げるんだ?」ジンのすぐ真後ろに募集人が立っていた。

野生の勘で、ジンがノルマ達成に失敗した事と、ジンの現在地を見抜いていたのだ。ジンがしどろもどろになりながら「いやっ、違っ…。あの、これは…」とたじたじになりつつ言い訳を開始する。しかし、「御託は良い。お前はただ俺との約束を破れなかった。それだけだ。」と募集人は一蹴した。一蹴したが早いかどうかそのままの勢いで募集人はジンに腹パンチを食らわせた。

「ぐはああっ!」ジンは吹っ飛んでいき、天を舞った。天空を吹っ飛び続け、ソフィアが待っている場所へと飛んで行く。「きゃああああっ!」

ソフィアが驚き、吹っ飛んで来たジンを躱す。

ジンはソフィアの後ろのガラクタ置き場に直撃した。「ぐはああっ!」ジンが雄叫びを上げる。ガラガラガラ…!ガラクタが音を立てて崩れさる。「だっ、大丈夫ですか!?ジンさん!」ソフィアが心配して駆け寄る。「あ…ああ…まあな…」ジンが頭を手で擦りながら立ち上がる。そして一言「悪い。ソフィア。俺、バイト失敗しちまった。」とソフィアに対し告げるのだった。その台詞を一言聞いたソフィアは「…ぷふっ…。あっはっはっはっ!」と笑い出すのだった。ジンがむっとしながら「何がおかしい?」と尋ねる。するとソフィアは「いいえ。良いんです。ショッピング何か出来なくても、私、楽しいですから。」と笑い泣きした目の涙を片手で擦り付けながら語る。その時、バイトの求人募集人がまた二人の前に現れ「とっとと失せろーっ!」と言うのだった。現場から強制的に摘み出された二人は、何やかんやで、結局二人揃ってお互いの顔を見合わせ、爆笑し合うのだった。「さて、次はどうします?ジンさん。」ソフィアが口にした。「勿論バイト…は言う迄も無く、もうコリゴリだ。」と答えるのだった。

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