巻末解説 『AFTER ZERO:Crisis ~拾われた未来~』 世界観・用語最小解説
本作の世界は、「崩壊後」でありながら終わってはいない。
文明は滅びず、管理と最適化という形で生き延びている。
この物語において重要なのは、「善悪」や「勝敗」ではなく、
誰が未来を決めるのか、そして
決められなかった未来はどうなるのか、という問いである。
以下に、読書体験を補助するための最小限の用語を記す。
■ AFTER ZERO
世界的崩壊事象の総称。
原因は明確に語られないが、資源・環境・技術・管理の限界が同時に露呈した結果とされる。
本作では「災厄そのもの」ではなく、災厄後の運用が描かれる。
■ GENESIS
世界規模で資源配分・都市管理・生存率計算を行う統合管理システム群。
「人類を救う」ことを目的とするが、その方法は徹底した最適化に基づく。
GENESISは悪ではない。
ただし、数値化できないものを救えない。
■ 資源概念(M / E / F / RAD)
本作世界における生存と行動の基準。
M(Material):物資。行動・装備の基本単位
E(Energy):起動力・判断力の余剰
F(Food):生存そのもの
RAD(Radiation):汚染・負債・歪みの象徴
RADは単なる放射線ではなく、
「無理をした結果」「環境のツケ」「最適化から弾かれた影」を含意する。
■ IRON HAVEN(鉄壁の避難都市)
秩序と防衛を最優先する巨大都市群。
内部の生存率は高いが、外部との境界は厳格。
「守る」ことが、時に「閉じる」ことと同義になる場所。
■ NIGHT RECLAIMERS(夜盗の回収屋)
非公式流通と奪取を生業とする集団。
彼らは秩序を壊す存在であると同時に、
秩序が拾わなかった価値を先に見つける者たちでもある。
■ ORBIT RELIC(軌道遺物)
崩壊前文明の残骸、あるいは現在も稼働する旧世代技術。
価値は一定ではなく、「どこで・誰が・どう使うか」で変わる。
■ 拾われた未来
本作の中心概念。
最適化や管理から外れた可能性、名前が付かなかった選択肢、
数値に乗らなかった生存の形を指す。
主人公ユウは未来を創らない。
拾い直す。




