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 リチャード視点 その1


 今日から休暇で田舎暮らしだ。

 殿下の騒ぎがあったから、例年より遅くなってしまった。



 どうも現在我が館には『あの』聖女が滞在しているらしい。

 殿下を追い詰めていた姿は、令嬢とは思えないすごみがあって怖かった。



 あまり会いたくない。

 急いで本館から離れ、用意させておいた別館に逃げこむ。


(まあ我が家で静養して、気を鎮めてくれればいいか)

 この地を守ってくれているのだから、滞在そのものには文句などないが。



 のんびり庭園を散歩していたら、公爵邸に似つかわしくない簡素な服装の少女を見かけた。


 庭番の家族だろうか? 通いの使用人だろうか?



 彼女はあろうことかトマトを食べている。

 庶民はそんな物まで食べるのか?


 しかし彼女に勧められて口に入れたトマトは甘かった。

 僕がほめると彼女もうれしそうだ。

 

 名前はルイーゼと言うらしい。



 身分が違う者との交流は新鮮だ。

 一緒にお茶を飲むのも楽しかった。




 ルイーゼを散歩に誘ったのはただの気まぐれだ。

 一人で散歩するより女の子とおしゃべりしながらの方が良いであろう。



 しかしルイーゼの方はちっとも楽しんでいないようだった。


 期待が外れた。

 笑った顔が見たかったのに‥。



「楽しくなかったかな」

 思わずつぶやいてしまった。


 ルイーゼが立ち止まる。




「そのぅ‥ 私、男性とお話するの、どうしたらいいか分からないんです!」


(ん?)


「前は婚約者がいたけどほとんど相手にされなかったし、職場は女性ばかりで若い男性とは業務連絡しかしたことないんです。‥だから今日は楽しいのにどうやって話したらいいか‥」 


 つまりルイーゼは男性に慣れていないせいで、僕との会話が上手くできなかっただけなのか。


 心がぱあっと晴れた。


「では、しばらく僕で練習するといい」


 お茶も散歩もどんどん誘おうと決意する。




 別れ際、いつもの習慣で彼女の手にキスをしたら真っ赤になっていた。

 初めてなのだろう。



 恋愛物が書けないので、何とかならんものかと思案した結果‥


 ギリギリまで友情にすればいいんじゃね? と思いついてしまいました。

 ゆるすぎてスミマセン。

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