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義妹が真の聖女? 法的根拠はあるのかしら  作者: ノーネアユミ


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7/19

7

 田舎の邸宅は広い。別館は本館から50メルテは離れている。



 今朝は採りたての野菜を持って一人で別館に向かう。

 私は庶民の設定だから侍女はいない。

 

 入り口もわざと裏口から入る。


「こんにちは、若君に差し入れです」


 大きな声であいさつすれば目当ての青年にも届いたようだ。

 すぐに姿を現す。


「やあよく来てくれた、お茶を飲んで行かないかい」


 それくらいならと席に着く。

 メイドたちだが、執事さんに頼んで私の正体は口止めしてもらっている。

 抜かりはない。




「昨日は夕飯に君の作った野菜を食べた。とてもおいしくてびっくりしたよ」

「喜んでもらって何よりです。お好きな野菜はありますか?」


「う~ん、正直言って野菜はみんな好きじゃなかったんだ。君のが特別なんだよ」

「ふふ、では他にも収穫できたら持ってまいります」

「そうしてくれ。ところで‥公爵家の扱いはどうかな?」


 まじめに問いかけてくる。

 貴族の家で働く庶民を心配しているのだろう。


「このお屋敷はとても心地よいですわ。以前の職場は大変だったので助かっています」

 まあ災害対策がきつすぎただけで、普段であれば神殿もそこまで大変じゃないけどね。


「それは良かった。お爺様は気難しくてね、顔を合わせると公爵家の仕事を手伝えってうるさいんだ。休暇中はゆっくりしたいのに」



 どうもそっちが別館暮らしの本音らしい。


「リチャード様は公爵家を継がないのですか?」

 孫にかまってもらえない祖父に、少し同情をしてしまう。


「家は兄が継ぐよ。僕はただのスペアだ」


 なるほど。



「本館には聖女様もいるんだろう? 堅苦しくないかい?」


 おや私のことだ。


「問題ないですよ」

 無難に答えとこう。



 メイドがお茶のおかわりを勧めてきたところでおいとました。


 午後は図書室に引きこもる。読書は最高だ。



 次の日、は神殿でお祈りの日だから、私は仕事に集中した。




「今日はめずらしくリチャードの方からあいさつに来たぞ。どこぞの村娘を探しながらな」


 夕飯時に公爵様から報告される。


「明日はいると教えたら、すぐ帰りおった」



西洋人はあんまり野菜食べないんですよね。

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