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パーティーの当日になった。
私は屋敷の使用人たちによって磨き上げられ、豪華なドレスを着用している。
顔には化粧がほどこされ、女伯爵にふさわしく飾られる。
胸元は豪華な首飾りが目立ち、小さなブローチはおまけ程度だ。
(今夜はリチャード様に謝らなくては)
今まで身分を偽っていた無礼を。私だってさすがにだまし続ける気はなかった。
「これはこれは美しい」
公爵様のエスコートで居間に入る。
今夜は私的なパーティーだから、招待客も数人。
「まあ聖女様よ」
「さすがにお美しい」
招待客と一通りあいさつを終えると、真っ青なリチャード様に近づいた。
「君は‥」
「ルイーズ・サフランがリチャード様にごあいさつ申し上げます」
令息にカーシィーを披露する。
「今までのご無礼、どうぞお許し下さい」
リチャード様は何も返さなかった。
(笑って許してくれるわけ、なかったわね)
パーティーでは彼以外の男性全員がダンスに誘ってくれた。
まだ良心は痛むけれど、顔には出さない。
パーティーが終わるともうクタクタ。ベッドに入るとすぐ眠ってしまった。
翌日はちょっとお寝坊したから、朝食の後はすぐ出発だ。
荷造りは昨日のうちに済ませてあり、もう馬車に積んである。
別館に行く余裕などない。
(たぶん嫌われちゃったし‥ あと腐れないだけマシよね)
さようなら、とだけ書いた手紙をメイドに託した。
カーテシーではなくカーシィーと表記してみました。




