その頃のカエン達~2~
カエン達は深手のカエンを抱え、ワインバーンの討伐依頼が失敗したことを報告するためにギルドに来た。
依頼は失敗すると、達成金額10%の違約金を支払わなければいけない。だがカエン達はカエンが深手をおったことを口実にうやむやにしようとしたが…
「なんでだ!こっちはリーダーの右腕が一本なくなっているんだ!」
「ギルドはそちらの事情を感知しません。ルールはルールですので違約金をお支払ください。」
「うっ」
ガアルは受付嬢に言われ押し黙ってしまった。
「くそがっ!どうすんだよ!こんなんじゃ、真面に生活もできやしない!」
とカエンが怒鳴る。
「まあ、落ち着けよ」
「落ち着いてられるか!そもそもこんなことになったのは、カレンお前のせいだろ!」
とカレンを罵る。
「なんで、私なんですの?へまをしたのはあなたの方ですわよね」
「お前がたかが数回しか魔法を使ってないくせに魔力切れを起こしたからだろう!魔力がきれるって分かってんなら回復ポーションぐらい買っとけ!」
「回復魔法はとても魔力を使うんですの!それなのに考えもせず突っ込んで行くからですわ!回復ポーション何てものを使わなきゃいけなくなるまで怪我をしたあなたが悪いんじゃないですの?」
二人が互いを罵りあっていると…
「二人とも落ち着け!そんなに言い合っても過去は変わらない。ここは心機一転新しい依頼を受けようじゃないか」
とガアルが提案する。
「ちっ!新しい依頼を見に行くぞ」
だが、1回、2回、3回と立て続けに依頼は失敗していく。
「また失敗だ!ただのオークの巣の破壊じゃないか!なんで失敗すんだよ!このままじゃランクが降格しちまうぞ!」
オークは単体ならCランク相当だが、今回のように集まると、Aランクにも匹敵する。
「あなたリーダーに向いていないんじゃないんですの」
「うるさい!この役立たず回復魔法士!」
カエンとカレンが言い合っていると受付嬢がこちらにやって来た。
「カエン様、ギルドからのお知らせです。あなたのパーティーの依頼達成率の低下によりAランクからCランクに降格になりました。」
「ち、ちょっと待てよ!」
カエンは呼び止めるが…
「失礼します。」
カエンの声は、聞こえてないと言わんばかりに無慈悲に去っていく。
「くそがぁぁぁぁぁぁぁあ!」
カエンの声が鳴り響いたのだった。