第8話:『策謀』
登場人物
一条 隼人:主人公。航空自衛隊のエースパイロット。階級は三等空尉。
二階堂 茜:一条の同僚パイロット。女性。階級は一条と同じく三等空尉。
高城 健二:一条の上官。芦屋基地の司令。階級は一等空佐。
謎のパイロット:国籍不明の戦闘機を操るパイロット。
一条 隼人と二階堂 茜は、セルゲイ・コワレンコの背後に潜む組織の陰謀を突き止めるため、情報機関から提供された資料を丹念に調べ直していた。 コワレンコの過去、彼の所属していた部隊、湾岸戦争後の足取り… パズルのピースは少しずつ埋まっていくものの、核心にはまだ届かない。
「奴らの目的は芦屋基地の占拠だけじゃない…」
隼人は、資料を睨みながら呟いた。
「F-15Jを奪うことが最終目的じゃないなら、別の狙いがあるはずだ」
茜は、隼人の言葉に頷いた。
「そうですね。 芦屋基地には、他にも重要なものが…」
二人の視線は、ある場所に釘付けになった。
機密データ保管庫。
そこには、次期主力戦闘機の開発データや、最新兵器の情報など、日本の防衛に関わる極めて重要な機密が保管されていた。
「奴らの本当の狙いは… 機密データを奪うことだ!」
隼人は、確信を持って言った。
「芦屋基地の占拠は、データを奪うためのカムフラージュに過ぎない!」
その時、高城司令から緊急連絡が入った。
「一条、二階堂、直ちに司令室へ! 緊急事態発生だ!」
二人は、走り出した。
司令室に到着すると、高城司令は険しい表情で二人を迎えた。
「奴らが動き出した。
芦屋基地に向けて、複数の武装勢力が接近している!」
「やはり…!」
隼人は、覚悟を決めた。
「奴らの陰謀を阻止する!
芦屋基地を、日本を、守り抜く!」
「はい!」
茜も、力強く答えた。
「私たちにできることを、全てやりましょう!」
高城司令は、二人を見つめた。
「頼むぞ、二人とも。
日本の空は、君たちに託されている!」
隼人と茜は、敬礼し、F-15Jへと駆け上がった。
最後の戦いが、始まろうとしていた。
いかがでしたでしょうか?
今回は、物語の核心に迫り、緊迫感を高めることを意識して書きました。
次回の最終話では、一条 隼人と二階堂 茜が、テロ組織との最後の戦いに挑みます。