第2話:『接近』
登場人物
一条 隼人:主人公。航空自衛隊のエースパイロット。階級は三等空尉。
二階堂 茜:一条の同僚パイロット。女性。階級は一条と同じく三等空尉。
高城 健二:一条の上官。芦屋基地の司令。階級は一等空佐。
謎のパイロット:国籍不明の戦闘機を操るパイロット。
第2話:『接近』
高城司令の言葉に、一条 隼人は背筋を伸ばした。
「一条、例の国籍不明機についてだが、情報が錯綜していてな」
「はい、司令。私も、あの機体の正体が気になっています」
「防衛省の分析では、機体の形状や性能から、旧ソ連製のMiG-29の改良型である可能性が高いという結論が出ている」
「MiG-29…」
隼人は、過去のデータを思い起こした。
MiG-29は、高い機動性を持つ戦闘機だが、航続距離が短く、電子装備も最新型とは言えない。
しかし、今回出現したMiG-29は、長距離を飛行し、最新の電子戦装備を搭載していた。
「一体、誰があの機体を操っているんだ…」
高城司令は、深刻な表情で言った。
「現在、情報機関が調査を進めているが、未だに有力な情報は得られていない。
警戒を怠るな」
「了解しました!」
その日の午後、隼人は、二階堂 茜と共に、訓練に励んでいた。
茜は、隼人の同僚パイロットであり、良き理解者でもあった。
「隼人さん、例の国籍不明機の件、気になりますね」
「ああ、気になるな。
MiG-29の改良型だとしたら、相当な技術力を持つ組織が関わっているはずだ」
「そうですね。
でも、一体、何が目的なんでしょうか?」
隼人は、腕を組み、考え込んだ。
「目的は、まだ分からない。
だが、何か大きな陰謀が隠されているような気がする」
その時、茜が微笑みながら言った。
「隼人さん、難しいことばかり考えていると、疲れちゃいますよ。
たまには、息抜きも必要ですよ」
「そうだな」
隼人は、茜の笑顔に、心が安らぐのを感じた。
茜は、明るく、誰とでも仲良くなれる性格で、基地のムードメーカー的存在だった。
しかし、その明るさの裏には、強い意志と、高い操縦技術が隠されていた。
隼人は、茜のことを、パイロットとして尊敬していた。
その日の夜、隼人は、茜と一緒に基地のバーで食事をしていた。
「隼人さん、明日はお休みですね。
どこかへ出かけませんか?」
「そうだな。
どこか、静かな場所へ行きたいな」
「でしたら、近くの海はどうですか?
景色も綺麗ですし、ゆっくりできますよ」
「いいな。
明日は、一緒に海へ行こう」
茜は、嬉しそうに微笑んだ。
隼人は、茜の笑顔を見て、心が温かくなるのを感じた。
いかがでしたでしょうか?
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