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2 いびつ -1

 アキラの言う通り、坂巻正太は予備校が乱立していることで有名な駅で降りた。ここから三つ目の駅だ。それからしばらく、点が動かなくなったので、アキラの予想の信用度はますます上がり、俺たちは、彼がどの予備校に入っているのか、探しに行くことにした。

 それにしても、ますます分からない。

 正太はもう二十四歳だ。そりゃ、何歳になっても大学を受けることはできるし、実際、働いて金を貯めてから、大学に行こうという立派な人はいる。

 正太が二十歳でロストアンガーを受け、心を入れ替え、立派で意欲に富んだ人間となり、大学に挑戦するため猛勉強しているのかもしれない。

「だけどなぁ」

 バケモノと大学に挑戦というのが結びつかない。これは根拠なき偏見ではなく、ロストアンガー施術を受けると、攻撃的衝動がなくなる為、欲求も薄まる。大学に入りたいというのも、欲求には違いない。その欲求達成に向けてのやる気というものが、バケモノになると決定的に欠けてくるのだ。

 それに予備校の授業料は高額だ。無職の若者に出せるわけもない。親が行かせているのだろう。

「うーん」

 電車に乗っている間中、腕を組んで唸っていると、アキラにそっと間を空けられてしまった。


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