1-4 合流
「兄さん!朝田さん!」
礼節はGLOWWORMの前に立っていて、誰かを待っている様子。
「礼節!ごめん、さっきは詳しく説明する余裕がなくて。」
「わかっています。先ほど、警察の方から話を聞かせて頂きました。」
義孝はまだ戸惑っているが、綿はすでに周りを確認していた。
「輝星も質問されただろう」
「はい。輝星は店員ですし、その二人の客を見かけていましたので、質問されました。」
「ってことは、あなたはここで...?」
「旦那さんを待っています。」
礼節の話が終わったと同時に、ある車が急いで彼女の隣にたどり着いた。
「輝星が警察に連れていかれたってどういうこと!僕が話を通す!」
「落ち着いて。輝星に聞きたいことがあるだけだよ。」
「しかし...」
綿は微笑んで、隣にいた警察に何かを囁いた。
すると、その警察官が二人を案内すると言った。
「義孝、行くよ。」
「七海輝星の証言によると、死者は彼氏とカフェで食事をしたが、おかしい様子は特にありませんでした。」
徹は淡々と述べる。
「...つまり、動機になることは、食事をしたあとの話ですね。」
「そうでしょう。」
幸せそうなあの二人の間に、何かが爆発した。
しかしその導火線について、やなは綿に任せるしかなかった。
「その他に、輝星ちゃんは何か特別なことでも覚えていました?」
「その...あ。瀨間は左利きです。」
「左利き...そういえば、輝星ちゃんは店の閉店を手伝いますか?」
「ほとんど名瀨さん一人でやりますが、一度だけ、彼女が手伝ってあげることはありました。」
「つまり彼女は一応、どこが自動の鍵か、どこが普通の鍵か、知っていますね。」
「その通りです。我々は彼女の証言と合わせて、一つずつ確認しました。」
「その中に、自動の鍵はどれくらいありますか?」
「自動の...表口と裏口だけです。」
「表口にドアスコープはありますか?」
「えっと...はい。あります。」
やなは微笑んだ。
一つの密室が解かれた。
「当時、名瀨さんはこの机で寝ていました。彼女の証言によると、この机には袋がひとついたはずです。」
警察官は二人に語りながら、窓辺の机に指さした。
「袋...どんな袋なのかを説明しましたか?」
「はい。全体的にピンクですが、上にはラメがあって、縄の方は青色と言いました。」
「...なるほど。」
現場で見つけた袋に似ている。
綿はそれに気付いた
「彼女を起こすまで、他の突入方法は考えなかったの?」
「あります。裏口から入ろうと思ったけど、鍵がかけられています。」
「窓は?」
「見てる通り、全部鍵がかかっていました。」
綿は眉をひそめた。
もしこのカフェは密室だとしたら、その袋は必ず、現場に行くわけにはいかなかった。
GLOWWORMの調査が終わった綿と義孝は、七海夫婦に安心させたあと、警察署に向かう。
彼らを待ってる、二人がそこにいるから。
「佐藤先輩、朝田さんと黒沢さんが来ました。」
「わかった。やなさん、一緒に来ますか?」
「はい。」
やなの表情は、異常に冷静だった。
ソファに座っている綿と義孝は、すぐ徹とやなの姿を見つけた。
「もう現場に行ったか?」
「おう。現場には行ったし、GLOWWORMにもな。」
「ってことは、もう犯人がわかった?」
「ふむ、当然だ。」
綿はやなの目の前で立ち止まり、彼女の手を優しく握りしめた。
「一緒に行こう。」
「真相を示す。」