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鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース 感想

《鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース》はこの時点で、台湾で出版された島田先生の最新作です。主人公の御手洗潔さんは友人のサトルくんから、ある事件について教えてもらいました。サトルくんの友人、楓ちゃんが、小さい頃に出会った謎のような、まだ解決されていない事件でした。


島田先生の作品を読むの、今回は二年ぶりだったが、御手洗さんの素晴らしさは相変わらずでした。クリスマスの街を歩きながら、ベルの音やイルミネーションの明かりに包まれた御手洗さんは、この世界を、見透かされた世界だと語りました。人たちは誰も、目的を持って行動していながら、目的を持たない人がいることを勝手に妄想しています。それは恐らく、縛られた自分の心を解き放すためのでしょう。


推理小説を読むのが二年ぶりで、あれこれ考えるより、小説の内容を楽しむつもりだったが、御手洗さんの一言に興味を持って、いつの間にか推理を始めました。いつも、御手洗さんに引っ張られていました。そして最後に、私も正解を考え出して、まだ推理できることに嬉しかったと同時に、少しだけ、御手洗さんに近付けた気がしました。


御手洗さんの言ったように、私たちはずっと、目的を持って行動していると思います。しかし、自分の目的と他人の目的は、一致しない場合が多々あります。結局、どんなことでも、誰かの行動ではなく、全世界の行動によって、結末にたどり着けたのではありませんか。それを思うと、コントロールできない未来に不安を感じたと同時に、自分の目的を貫くことに、意外とかなり自己中なのかもしれません。自分の目的を諦めることも時によって、とても大事なことだと、思えるようになりました。


世界にただひとりのサンタクロース。彼が送ってきたプレゼントは、嬉しさや幸せばっかりではなく、時に、痛みや苦しみも送ってくれるんでしょう。しかし、そのプレゼントから目を逸らさず、しっかり受け止めて進むことこそが、私たちができることだと、そう思いました。

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