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おとぼけ小話 陰陽師と弟子   作者: 春山秋彦
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陰陽師と弟子 106話 殺生石が割れた。

陰陽師と弟子 106話 殺生石が割れた。


弟 子「親分,ていへんだあ。」

陰陽師「盗賊じゃあるまいし、親分という言い方はやめなさい。礼儀正しく、お師匠様と呼びなさい。孫悟空が、あの三蔵法師に呼びかけるようにだ。」

弟 子「なにをのんきなことをいっているのですか。ていへんだあ。ていへんだあ。ていへんだあ」

陰陽師「なにが、たいへんなんだ?」

弟 子「那須のお山の殺生石せっしょうせきが割れたんです。」

陰陽師「それは、いつのことだ?」

弟 子「新聞によれば、2022年3月4日の夜から3月5日の夕方の間だそうです。」

陰陽師「確か、殺生石には、なにかが、封印されていたはずだが、それが、逃げたか?」

弟 子「お師匠さまは、ご存じない。」

陰陽師「あれは、我が先祖が行ったことで、わしがやったわけではないからな。ところで、なにが、封じ込めてあった?」

弟 子「新聞によりますと、えーとですね。鳥羽上皇の女官の玉藻前(たまものまえ)は、人間ではなくて、九尾のキツネがばけていたそうです。それを、陰陽師 安倍泰成によって、見破られたので、逃げ出したのですが、逃げた先が那須野で、三浦義明・千葉常胤・上総広常らに追われたに逃げ場を失って、この石に化けて、自らを封印したと伝えられている。つまり、この殺生石には、玉藻前に化けた九尾のキツネが隠れていたんです。それが、割れたということは?」

陰陽師「割れたということは?」

弟 子「九尾のキツネが逃げ出したと、噂されていますが。」

陰陽師「なに、封じ込められていた九尾のキツネが逃げ出したのか?」

弟 子「そうなんです。それでね。お師匠さまに九尾のキツネを、再び、封印してほしいという、メールが来ていますが。」

陰陽師「もちろん、大丈夫だ。九尾のキツネを見破って、封印するんだな。もちろんできるぞ。しかし、殺生石は割れてしまったんだぞ。捕まえたあと、どうすればいいんだ。」

弟 子「まさか、アロンアルファで、くっつけるわけにはいきませんよねー。」

陰陽師「われわれが、勝手に殺生石を、アロンアルファにくっつけるわけにはいかん。すくなくても、那須町の許可を得なくてはならんが、許可は、くれないだろうな。」

弟 子「許可があれば、封印できるんですか?」

陰陽師「もちろん、許可があれば、できるぞ。わしの実力があれば、簡単じゃ。先祖の安倍泰成から伝わった秘伝の巻物にたしか、書いてあるはずじゃ。しかし、残念なことに、那須町の許可はおりないだろうなあ。まことに、まことに、残念なことだ。われわれの出番だったのに。まことに残念。」

弟 子「では、どうすればいいんです? 今も、逃げ出した九尾のキツネは、美人に化けて、世界を混乱させようとしているかもしれないじゃないですか?」

陰陽師「そうだな。まず、安部泰成の例にしたがって、美人に化けた九尾のキツネを見つけ出す必要があるな。」


エーイ、ヤー、トー  九尾のキツネが、どこにいる。

キツネ、キツネは、どこだ。


あれ! パソコンのなにに、ウジャウジャいるぞ。


弟 子「あれは、Firefox といって、ブラウザーです。丸まっていますけどね。」

陰陽師「なに、ブラウザーとな。まぐらわしい。」

弟 子「九尾のキツネ、九尾のキツネ やーい。迷子の迷子の九尾のキツネさーん。」



キツネ「誰じゃ。俺の名前を呼ぶのは?」

弟 子「私ですけど。九尾のキツネさんは、美人の女性だと,お聞きしたんですが?まさか、こんなに怖いキツネさんとは。」

キツネ「わらわは、玉藻前たまものまえでありんす。」

弟 子「一瞬で、美人の女性になった。あれ!、なにか、あるぞ。尻尾かな?」

キツネ「尻尾?そんなものはない。わらわは、玉藻前でありんすえー。」

弟 子「でも、尻尾が。」

キツネ「これは、尻尾ではない。マフワーですのよ。フワフワして気持ちがいいわ。」


    ナゼナゼ


弟 子「きゃー、くすぐったい。」

キツネ「尻尾は9本もあると、いろいろ活用方法がありそうだな。毛皮のコートにもなるぞ。」

弟 子「キツネさんですよね。」

キツネ「わらわは、小野小町より美人と言われた玉藻前でありんすよ。」

弟 子「キツネさん、キツネさん。」

キツネ「わしは、キツネじゃない。ではなくて、玉藻前でありんすよー。」

弟 子「でも。尻尾が。」

キツネ「うるさいやつじゃ。これは、尻尾じゃない。マフラーじゃ。では、なかった。マフラーでありんすよよ。」


弟 子「お師匠さま。九尾のキツネをみつけました。」

陰陽師「どこじゃ。どこじゃ。」

弟 子「あそこのふわふわのマフラーしている美人の女性です。」

陰陽師「あの美人が、キツネとな。どうして、キツネをわかる。」

弟 子「あのマフラーは、尻尾ですよ。それに、尻尾もみえますよね。9本もあるから、隠しきれないんです。」

陰陽師「そうか、あの美人が、キツネか。対策を考えないといかんな。」

弟 子「すぐに捕まえないんですか?」

陰陽師「わしの術を使えば、捕まえることは、難しくはないが。捕まえた後、考えておかないと、困るだろう。なにか、閉じ込める場所を考えておかないと、捕まえてもこまるだろう。」

弟 子「そうなんですか?」











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