陰陽師と弟子 105話 荒行をするぞ
陰陽師と弟子 105話 荒行をするぞ。
陰陽師「春になって、暖かくなってきたから、山に修行にいくぞ。」
弟 子「え!山ですか?どこの山ですか? 高尾山とか。」
陰陽師「そんな低い山じゃ、修行にならん。もっと高い山にいかないとな。」
弟 子「じゃ、エベレストとか。」
陰陽師「そんな山に行ってどうする、だいたい、たどり着く前に死んでしまうだろう。」
弟 子「じゃ、どこなんです。」
陰陽師「浅間山で、修行をしようかな?」
弟 子「それって、近すぎません。」
陰陽師「浅間山は、信州の山のおくだぞ。」
弟 子「でも、目の前に、ありますよ。」
陰陽師「そんな筈はない。信州の山の中だぞ。」
弟 子「でも、目の前の看板はなんです。浅間山って書いてありますよ。」
陰陽師「あれは、「せんげんやま」と読むんだ。「あさまやま」ではない。」
弟 子「だって、浅間山ってちゃんと書いてありますよ。」
陰陽師「だから、「せんげんやま」と読むんだ。」
弟 子「どうやって、「あさまやま」と「せんげんやま」を区別すんです?」
陰陽師「区別はできん。地元の人が、どうやって読んでいるかによってきまる。浅間山は、日本中に50ぐらいはあるぞ。それをどう読むかは、地元の人しかわからん。」
弟 子「じゃ、浅間山で事件が起きたとかいっても、どこで、事件が起きたのかわからないじゃないですか。サスペンス劇場の信濃のコロンボだって、大混乱です。事件現場を特定不可能です。」
陰陽師「まあ、そうだな。いったい、どうすればいいんだ。」
弟 子「スマホで、緯度と軽度を表示するとか。最近は、デジカメでもちゃんと、撮影場所の緯度と経度が記録されるので、いつ、どこで撮影したのか、わかるようになっていますよ。」
陰陽師「そうか。じゃ、緯度と経度の示す場所で、修行だ。」
弟 子「面倒くさいなあ。えーとですね。北緯36度24分23秒 東経138度31分23秒 って、wikiに書いてありましたよ。」
陰陽師「そうか、そこで、修行するぞ。白糸の滝で、滝行するぞ。荒行をするぞ。」
弟 子「えー。本当にするんですか。ここの浅間山でやりましょうよ。」
陰陽師「この浅間山は、低すぎて、滝がない。だから、だめじゃ。」
弟 子「僕、お風呂で、シャワー浴びますから、滝行しなくても大丈夫です。」
陰陽師「それじゃ、修行にならん。」
弟 子「でも、オニクロン株が減少傾向にあるので、滝行しなくても、いいんじゃないですか。」
陰陽師「そうか。減少しているか。それなら、滝行なくてもいいかな。」
弟 子「わーい。よかった。」