ザリガニ釣り
その日オレはいつも通り食事をしようとした。
そしていつも通り餌に食らいついた。
しかしいつもと違うことが一つあった。
それは、今日の餌は普通ならこんな沼にあるはずのないスルメだったことだ。
いつもと違う餌に多少とまどっていたその瞬間―――
「あっ!ひいてる!」
こいつはそんなことを叫んだ。
オレはそんな事は気にもとめず、普通ならこんな沼にはないはずのスルメを多少戸惑いながらもまあいいやと食いちぎろうとしたその時だ。なぜかスルメが持ち上がった。
オレは普通ならこんな沼にないはずのスルメを逃がすまいと両手のハサミでスルメを挟んだ。
だがこんな小さなスルメがオレの体を持ち上げやがったんだ。
「何だと!?この!」
そう思った時オレは見た。そう、普通ならこんな沼にあるはずのないスルメから一つの線が上へ上へとのびているのを。そしてよく見たら普通ならこんな沼にあるはずのないスルメの先の方に糸ががんじがらめになっているのを。さらによく見たらオレの体の4分の1程の石がその糸と一緒についているのを。
「ヤバイ!!」
そう危機感を感じた時自分の両手のハサミがスルメに深くくいこんでいることに気付いた。しかしすでに水上は目の前だった。
「やった!こここまでいったのははじめてだ!」
水上からそんな声がきこえたが今のオレはそんなこときにしちゃいなかった。
一刻も早くこの場から離れなければという思いでいっぱいだった。
しかしスルメはそんな思い知るかと言わんばかりに水上へでた。オレの体ごと。そして
オレは見た。
オレよりも数倍いや数十倍いやいや数百倍というでかさの生き物を。
「これが、人間、なのか?話しには聞いていたがなんて巨大なんだ・・・」 オレは初めて見る物への好奇心から一瞬ぼーっとしていたがすぐに危機感を思い出しハサミをスルメからとろうと勤しむが、
「あっこいつ逃げようとしてる。させないぜ!」
そんなことをいったと同時にこいつは長い棒になにやら小さい穴のあいた袋が取り付いているもの取り出した。
「おらよっと」
こいつはそうゆうとさっきの長い棒になにやら以下略でオレの体をいとも簡単に包んでしまった。
「ぐわあぁぁ!」
オレの体&スルメは沼から1メートルぐらいの高さに持ち上げられた
「やった!捕獲成功!」
こいつはそう嬉しそうに言った。しかし油断大敵オレにとっては超大ラッキー☆なんと長い棒以下略の袋にでかい穴があいていたのだオレは重力によりぼてっと地面に落ちた
(注・その際にはハサミはスルメからとれていた)
オレは逃げようとしたが やめた。
逃げても水中でなきゃ動きの遅いオレなぞ簡単に追い付かれると思ったからだ。
「オレは、戦う!」
意味を決したオレは巨大な生き物に両のハサミを向けた。
「何だこいつ生意気な」
人間はオレの背中を掴もうとしたが、オレは
「させるか!」
と片方のハサミで力いっぱいに挟んだ
「いででででで!コノヤロー!」
がっ
オレは吹っ飛んでいた。
人間がオレを蹴ったのだ
ひゅーとまぬけな音を出して吹っ飛んでいたオレの体はボチャンと音をたてて沼にしずんだ。
数分後
オレは狭いところで目を覚ました。
水はあるようだが綺麗だ。だんだんとしっかり見えてきた時オレはここが沼じゃないこと、水の入った箱にいること、そしてその箱を一人の人間が持っていることに気付いた。
オレはさっと身構えた。
オレはこの人間もオレを襲うきかと思っていた。
ずきん!と背中が痛んだ。さっきの人間に蹴られたところだ。
このことを気付いた人間が言った。
「背中にひびが入ってるねだいじょーぶだよ
すぐにお医者さんにつれてくから」
オレはもう死ぬ覚悟をしていた。この怪我じゃ戦えない。
オレは悲しみながら口についていたスルメを食べた。
「後味悪すぎ」
そういい残し最後だと思う眠りについた。
「はい、おしまい」
そう老人がいった。
えー!?と老人の前にたくさんいる少年少女がいった。
「ザリガニ死んだの?」
とか
「ザリガニかわいそーう」とかいろいろ言っていた。 そこで老人が
「皆もそう思うか?わしもそう思ってな。わしがハッピーエンドを考えたんじゃよ」
「ホント!?」
「聞かせてよ!」
老人の言葉にいろいろな反応を見せる子供たちに老人は一度茶をすすりそれから言った。
「それはな、さっきまでのは全部夢だっ――― 」 「「えーーーーーー!?」」と老人のべたな結末に子供達は口をそろえてそういった。
終わり
初めて完結させた物語りですので、つまらないと言う方も多いと思います。申し訳ありません。ですが最後まで読んでくれてありがとうございます。