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「あーあーあー!!!行きたくないーーーー!!」


「行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない!!」



親子は似るものですね。

今、とっても実感しております。



「あらあら、まあまあ。」



ニコニコ笑うお義母さまを隣に、必死に馬車に乗り込まないようにしているお義父さまと旦那様。

何故、こうなっているかと言うと、本来なら旦那様もお義父さまも夜会の日までゆっくりと過ごされるはずだったのですが、どうやら問題があったらしく旦那様は勿論、お義父さまも王様に呼ばれたそうで、朝一にお城から従者の方がやってきました。

それを聞いたお2人は本当に嫌そうな顔をして、なんだかんだと行かないように言い訳をしていましたが、流石はお義母さま。

一声で、お2人を黙らせて、そのままクリス達に用意をさせて馬車まで連れていきました。

お義母さまのあの細腕でお2人をズルズルと引きずっている姿は圧巻で。

やはり母は強しなんですね。

うちも母の方が強いですから。

我儘盛りの弟も、母に怒られるのが1番怖く、そうそう、母には逆らいません。

父は本当に優しい人ですが、人を困らせることがあれば怒りますがまずそうなることはないですし。

なので、基本母が1番怖いんですよね。

という訳で、馬車までは行けたのですが、そこから必死の抵抗をする旦那様とお義父さま。



「別に私が行かなくてもいいだろう!!もう私は隠居した身だぞ!!!息子が行けばいいだろう!!ただただ嫌がらせがしたいだけだろう!!アイツは!!うちに念願の可愛い娘ができたから嫉妬しているだろう!!本当に腹のたつ!!あいつだって娘がいるが、甘やかしすぎてああなったと言うのに!うちにこんなに可愛い子が嫁に来てくれて、娘となったことが羨ましいだけだ!!こんなことする前に自分の息子の嫁を探せ!というか、お前の娘をどうにかしろ!!!」


「はいはい、分かってますよ。陛下が、ただの嫌がらせであなたを呼んでいることわ。でも仕方がないでしょう?腐っても王様なのだから。大丈夫よ。ミミちゃんと楽しくお茶会してるからね!」


「そんな!ずるいぞ!!私も可愛い娘とゆっくり過ごしたい!!」


「可愛いミミと過ごしたい気持ちは分かりますが、それこそ父上が行ってくださいよ!まだまだ新婚さんな俺を可哀想とは思わないんですか!?父上が行けば、陛下も満足するんですから!!」


「嫌だ嫌だ!!私だけ仲間はずれなんぞ!それならお前も連れていく!!」


「なっ!!息子が可愛くないのですか!?」


「息子は今の今まで反抗期で可愛くない!!お嫁に来てくれて可愛い娘がいい!!」


「はいはい、分かりました。でも待たせれば待たせるほど、帰ってくる時間が遅くなるわよ?早く帰ってくることができなくなるわ。まぁ、私はミミちゃんと仲良くする時間が増えて嬉しいけど!」


「母上!!!」



ええっと、お話が早すぎてよく聞き取れなかったのですが、とりあえず今回の呼び出しは王様の我儘だそうです?

お義父さまは以前は陛下の護衛騎士としていたこともあるそうで、今はもう隠居されておりますが、陛下からしたら気心しれた友人でもあるそうで今までもこちらにいらっしゃった時にはよく呼ばれていたそうです。

今回も同じようなものだとお義母さまは言ってましたが。



「さあさあ、早く行きなさいっ!」



最後にはお義母さまが押し込んで無理矢理出発しました。

良かったです。



「本当に手がかかるんだから!」


「流石は大奥様です。」



エレナもキラキラした目で見ている。

公爵夫人とはこういうものなのですね。

私にはまだまだ遠いものですね。

頑張らないとっ!



「さあさあ!邪魔者はいなくなったわ!ミミちゃん、私と一緒にお話しましょう!」


「ええっと。」


「私は本当はミミちゃんとたーくさんお話したかったのだけど紹介してくれた時にはそんなに時間が無かったし、その時にはあの子がようやくお嫁さんを連れてきてくれたって喜びであんまりお話できなかったし。」


「お義母さま。」


「勿論、結婚式も忙しくてお話できなかったし、その後はあの子がなかなか会わせてくれてなかったのよね。ミミちゃんが慣れるまではダメだって言われたのよね。もうそろそろいいんじゃないのって言ってもまだダメだって言うばかりで。」



旦那様、そんなこと言ってたのね。

まぁ、結婚した当初は仕事仕事で屋敷にはいなかったし、お義父さま達が来たら困ってしまっていたわね。

だから、私を理由に断っていたのでしょう。

まぁ、ここ最近は旦那様も帰ってきていたのですが、それでもお義父さま達に来ていただくほど余裕はなかったのでしょうね。

色々ありましたし。



「だから!今回、姫の婚約発表の為の夜会だと言えどもこちらに来れることをとっても楽しみにしていたの!」


「そうなんですね。」


「ふふふ、本当にミミちゃんは可愛らしいわ!とっても手のかかる息子だったけど、ミミちゃんと結婚したことでその苦労も帳消しされるわ!」


「そんなことは!」


「私ね、本当に娘が欲しかったのよ。でも、もし本当に産まれていたらちゃんと幸せにできていたか分からないわ。」


「お義母さま?」


「息子が嗚呼なったのも、私達が支えてあげられなかったからだもの。だからこそ、ミミちゃんが現れて、そして、こうしてしっかりとあの子や、この屋敷の皆を受け入れていることが本当に嬉しいの。」


「え?」


「ミミちゃんは知っているのでしょう?この屋敷の秘密を。」

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