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「ミミ、俺の可愛いミミ、今日も愛らしいな。」


「だっ旦那様?」


「嗚呼、ミミには癒し効果があるな。」


「えっと?」



朝起きれば、旦那様に抱きしめられ、朝の挨拶される。

そして、エレナが注意するまで、放して貰えない。

筋力の差が悔しい。

私も普通のご令嬢よりは農業をしていたのですもの、筋力があるとは思いますがお城で騎士をされている旦那様には叶うはずもなく、藻掻くだけで精一杯なんですよね。

しかし、エレナは注意という名の力技で放すことができるのですよね。

何故できるのって聞くと、獣人族だからだとか。

エレナは山猫族なのだとか。

山猫族は、一般の猫族よりも筋力が凄く、力持ちさんが多いとか。

なので、旦那様でも話すことが出来るとか。

因みにクリスは鳥族で、梟谷族だとか。

賢いクリスにはピッタリな種族だと思いました。

そんなこんなで朝を終えるかと思いきや、朝食を共にし、それこそ一緒でない日がほとんど無いぐらいになってます。

そしてお仕事に行かれる際も、見送りをして欲しいと旦那様に頼まれましたので、見送るのですが。



「嗚呼、ミミと離れるなんて。辛すぎる。」


「旦那様、今日は1日で帰ってこられるのでしょう?」


「嗚呼、勿論!ミミに何日も会えないなんてありえないからな!!数日掛かる仕事は部下達に任せている。」


「ええっとそれは良いのでしょうか?」


「いいんだ。寧ろ今まで俺が出過ぎたから、部下達が育たなかったからな。これからは適度にしていき、部下達を育てることにしている。それに、部下達も上司の俺がいるよりも伸び伸びとしているからな。その方がいいんだよ。だから、心配しなくてもいいんだ。ミミは優しいからな。本当に女神のように優しくて、神が連れ戻しに来ないか心配だ。やはり、仕事を休んで!!!」


「えっ、旦那様!?」


「なーに、馬鹿なことを言っているですか?アホ旦那様。確かに奥様がお優しく女神のような方ですし、神から連れ戻されるということを考えられるのも一理あります。」


「エレナ?何を言ってるの?私は女神でもなんでも、ないわよ?」


「いいえ、いいえ、奥様ほどのお方を見たことがありませんもの!!人ではないと言われても納得出来ます!それこそ女神だと言われたらやはりと思えるほどですもの!!もしかして!本当に女神なのですか!!?なりませんなりません!!奥様を天に帰すなど!!」



いや、だから私は普通の人間ですって!

そう言っているのに止まらないエレナと旦那様。

天からのお迎えやらをどう反撃し撃退するかを話している2人にどうしたらいいことやら。

困り果てていると、いつもクリスが止めてくれて、旦那様を、仕事へと送り出してくれる。

本当に有能な執事さんですね。



「もう、エレナったら、こういう時には旦那様の話に乗るんだから!」


「それは、奥様のことですから!」


「もうもう!それにしても本当にエレナと旦那様は仲がいいわね。もちろん、クリスもだけども。」



エレナとクリスと旦那様は他の屋敷の人達よりも距離が近い気がするのよね。

そう問えば、エレナは心底嫌そうな表示を浮かべていた。



「えっとエレナ?」


「私とクリスさんと旦那様が距離が近いと思われたのは、一応私達が幼なじみだからではないでしょうか?」


「あら、そうなの?」


「はい、一応私もクリスさんも隣国では貴族の家の出で、私は三女で、たまたま旦那様と歳が近いので、この屋敷にやってきたんです。」


「えっ?じゃあ、幼い時から居たのね!」


「ええ、私の上に2人姉がおり、なかなかいい所の婚約も決まっていましたし、跡取りの兄も居たので、別に結婚に対して興味もなく、それならば働く方がいいなと思いこちらちやってきたのです。」


「そうなの。」


「元々は旦那様の話し相手などでした。だから歳の近いものをとのことで。旦那様も獣人族ですからね、もしなにかあったらとなり、そりゃあ、他にも幼なじみと呼ばれる方達はいるかもしれませんが、気を許してとなると同じ獣人族がいいと言うことで。クリスさんも同じ感じですね。クリスさんは4男でしたかね。だからこちらにやってきたと聞きました。」


「ふふふ、だから旦那様は2人をとても信頼しているのね。」


「そんなまさか!信頼など!!ただ、長い間共に過ごしましたので、気心はしれてるのかも知れません。なので意見をズカズカ言っても怒られることはあまりありませんね。まぁ、このように戻ったのはここ最近ですが。」


「ここ最近?」


「はい、ご存知の通り姫に片思いしてからは一切話を聞いてくれなくなりました。本当に糞ガキみたいになって。でも、奥様を気になり始めてからは話をまた聞くようになりました。」



糞ガキって。

確か、エレナより旦那様の方が年上のはずなのだけど。


「糞ガキは糞ガキです。昔の旦那様は、いえ、坊ちゃんの時には本当に糞ガキでした。2つも年上でしたが、本当に糞ガキとしか思えませんでしたよ。」


「えぇ。」

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