48
その後のお茶会は、とっても楽しかったです。
スーニャのお話は聞いててとても面白い話ばかりで、逆に私のお話は、つまらないものばかりだと思うのですけども、笑顔で聞いてくださって。
特に私の実家での話はとても興味をもってくださったようで、何度も詳しく教えてといってくださりました。
「ミミの御家族は、大変素敵ね!」
「ありがとうございます。父はとても優しい人で領民達からも愛されていると思います。母はとても逞しい方で、確か、昔はどこかのお姫様だったとかって、父は言ってますが、母はそれは父の妄想よとか言ってはいますね。」
「そうなの?」
「はい、まぁ、名ばかりの貴族な家ですもの。母がお姫様だったら結婚できてませんし、それに母はだれよりも逞しいんですよ!お姫様なんて柄じゃないのにねとか言って笑ってます。」
「そうなのね。とても面白い家族ね!」
「はい!弟や妹達も可愛くて。弟はとっても賢いんですよ!自慢の弟です!それに妹達は私とは違って美少女たちなんです!しっかりとデビューさせてあげて、素敵な旦那様が捕まえられるようにしてあげないとって、話をしてるんですよ。」
「ふふ、ミミの妹さん達だものね!美少女なのは分かるわ!」
「へっ?」
「だって、ミミがこーんなに可愛いんですもの!その妹さん達もとっても可愛いに決まってるわ!」
「えぇ!?」
スーニャがあまりにもにこにこと笑いながら言うので、とりあえずお礼しか言えませんでした。
そして、スーニャの仕事のお話も聞かせて貰えて、とってもためになりました。
スーニャの考え方は私に無い考え方だし、見たことがない世界に興味津々で聞いてしまいました。
そして、いつの間にやら時間が経ったようで、気付けば帰る時間に。
スーニャがそのまま泊まればいいとか言ってくれますが、さすがにそれはと言って断ったのですが、なかなかスーニャが折れてくれず困ってしまっていると、いつの間にか居た黒い影。
旦那様に後ろから抱きつかれて、びっくりしました。
驚いているうちに旦那様に連れられ、帰りました。
少し不機嫌そうな旦那様でしたが、一緒にご飯を食べ、話をしているうちに機嫌が治ったみたいです。
仕事でなにか、あったのでしょうか?
そんなこんなで、いつもにはない1日で、疲れてしまい、早めに寝たのですが、急に目覚めてしまいました。
「あら、まだ真っ暗ね。」
月明かりに照らされた部屋に、ゆっくりと起き上がり水を飲もうとベッドから出る。
ふと視線を感じ、窓を見れば、いつもの彼がそこに居た。
「あら、あなた、なんでそんな所に?」
急いで近づいて、窓を開ければ、彼、銀狼はゆっくりと、中に入ってきた。
「ふふふ、久しぶりね。元気にしていた?」
「ワフッ。」
「そう、それは良かったわ。最近はどう?忙しいの?」
「ウウウッ。」
首を横に振る銀狼に、どうやら最近は忙しくはないようで良かったと思う。
最初会った時には怪我をしていた彼。
忙しく無いということは、あんな怪我もしなくていちってこと。
一安心だわ。
「そうそう、今日はいつもとは違って、お出かけしたから疲れてしまってね。だから早くに寝ちゃってたの。だから気づくのが遅くなってしまったわ。ごめんなさい。でも、ずっと外にいるのは駄目よ?風邪を引いてしまうわ。」
「ウゥ。」
「また次来てくれたらいいのよ?」
「ワゥ。」
「ふふふ、まぁ、いいわ。そうそう。今日はね、お茶会に行ったのよ。それでね。」
今日の話を銀狼にすれば、彼は静かに聞いてくれる。
ふふふ、本当に優しい子。
頭を撫でてやれば嬉しそうにしている。
本当に犬みたい。
なんて少し失礼よね。
「あら?少し話しすぎたみたいね。夜が明けだしているわ。」
部屋に月明かりではない光が差し出し、気がつけば外が薄明るい。
あらあら、もう楽しいとあっという間ね。
またおいでと言おうと思い、銀狼を見れば、あれ?
「旦那様??」
「ミミ、って、あっ!!」
「えっえっ、え!!??」
銀狼がいた場所に旦那様がいる。
しかも裸で!!
思わず叫びそうになるのを旦那様に口を塞がれて止められた。
「すまないっ!!ミミ!!まさか、こんなに早く戻るとは!?」
「んっんっんーーー!!!」
「驚かせて本当にすまないっ!!」
えっと、頭の思考が追いつかないのですが!?
なんで銀狼が、いなくなって、旦那様が居るんですか???
というかとりあえず旦那様。
「ぷはっ!ふっふっ服を!あっ、なっないのか!でも、あのとりあえず、何かを!!!」
「えっ、あっああ!!」
裸のままでは困ります!!
旦那様にそう伝えれば気づいたようで、私はベッドの上のシーツを剥がして、旦那様に渡した。




