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という訳で、やって参りました。

前回は、夜会でしたので、あまりよく、見れていませんでしたが、公爵家に負けず劣らずの素敵な御屋敷です。

あの後も何度か、お手紙のやりとりはさせて頂いたのですが、実際に会うのはあの夜会以来の2回目です。

なので、とっても緊張してしまう。

一応、クリス達と再度マナー等については勉強しなおしてはきたけども、何かしてしまったら、どうしましょう。

内心怯えながら、降りれば、すぐさま、笑顔のスーニャ様に迎えられました。



「お待ちしておりましたわ!ミシェル様!」


「お招きいただきありがとうございます。スーニャ様。」


「まぁまぁ、固い挨拶は後にして、行きましょう!ミシェル様が来て下さる日とっても楽しみにしていたのよ!!」


「えっ、まぁ、とっても嬉しいですわ。私も楽しみにしておりました。」


「本当に!?お手紙でミシェル様とやり取りしててとっても愛らしい人だって分かってたけども、実際に目にしたらとってもとっても愛らしいわー。」



あの、とっても嬉しいお言葉なのですし、私もお会いできてとっても嬉しいのですが、あのあの、なんで手を繋がれて私は進んでいるのでしょうか?

いえ、スーニャ様は案内してくれようとしているのですよね。

だからきっと手を繋いでいることも気づいていない?

ううん、でしたら伝えるべき?

悩んでいると、どうやら着いたようで、気を引き締めようとしたけど、逆に抜けてしまった。

だって、私とスーニャ様以外誰もいなかったから。

いえ、誰もいないと言ってもスーニャ様の御屋敷の人達はいましたが、他のお客様はいないのです。



「あれ?」


「ふふふ、どうしました?」



思わず声が出てしまい、笑われてしまった。

もしかして、まだ来てらっしゃらないだけかしら?



「今日はミシェル様だけよ。お呼びしたのは。」


「へっ?」


「ミシェル様とゆっくり話がしたかったからお呼びしたのよ?他の方を呼ぶ意味がなかったもの。」


「ええっと?」


「つまり、ミシェル様と私だけのお茶会ってことよ!」



ふふふっと笑うスーニャ様はとっても可愛らしい。

悪戯が成功した時の妹達みたいな笑い方だ。

とっても緊張してたけども、少しは緊張を解いてもいいのかしら?



「ミシェル様、あまり表にでることが好きでは無いのでしょう?」


「へっ?」


「今まで出てきてませんでしたし、夜会の雰囲気からそうなのかなって思いまして。」


「えっ、あの、その。」


「いいんです、私も好きじゃないもの。ミシェル様は素敵って言ってくださったけども、私が働いていることをよく思わない方が沢山いて、嫌味ばかり言ってくる方が多くて、話す気もおきなくなるのよね。」


「そんな!」


「だから、今日はミシェル様だけ!私が心の底からお話したいって思ったミシェル様だけよ!」


「スーニャ様。」



そんな、私となんて話したいって思ってくれただなんて!

嬉しい。

あっ、そうだ、感動して固まっている場合じゃなかった!



「あの、スーニャ様。」


「どうしました?ミシェル様。」


「あの、これ、そのスーニャ様に。」



そう言って渡したのはスーニャ様の為に用意していたプレゼント。

青の万年筆。

喜んでくれるかしら?



「その、お土産というか、プレゼントというか。あのその。」


「とっても、嬉しいわ!開けてもいいかしら?」


「ええ、どうぞ。」


「わぁ!万年筆!しかも素敵な青色!」


「スーニャ様はお仕事なされてますし、よくお使いになられるかと、思って。」


「私のことを考えてくれて?」


「えっええ。」



勿論、スーニャ様のことを考えてですよ?

えっ、何かおかしい所ありますか?

普通に渡す人のことを考えてプレゼントは選びますよね?

相手が喜んでくれるようにって。

なのに、なんでスーニャ様はそんなことを聞いて?

不思議に思っていると突然スーニャ様が飛びついてきた。



「とってもとっても嬉しいわ!ミシェル様!!」


「喜んで貰えたなら良かったです。」


「もうもうもう!!あー!そうよ、ミシェル様!私もミミって呼んでも構わないかしら?」


「えぇ、大丈夫ですよ。」


「本当に!ふふふっ!嬉しい!私の事はスーニャって呼んで!ねっ!」


「えっえっと?」


「ミシェル様、ミミとは、とっても仲良くなりたいの!だからミミにはそう呼んで欲しいの!お願い!」


「えぇ、喜んで。」



わぁ、初めて言われました。

貴族の方で仲良くして欲しいなんて!

スーニャ様に促されてスーニャと呼べば、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべていました。

そんな私たちの様子を見ていた執事さんがスーニャに声を掛けてくれて、ようやく私はお茶会の用意をしてくれている庭園に行くことが出来ました。



「うわぁ!」


「ふふふっ、ミミが喜んでくれるように準備したの。」


「とっても素敵ですっ!」


「そう?良かった!」



目の前に広がる庭園はとても素敵で、色とりどりのバラが生き生きと咲いておりとっても美しいお庭です。

そして用意されているお菓子達も宝石のようにキラキラと輝いてます。

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