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「また来てねー!」



こちらに笑顔で手を振るお嬢の可愛いこと可愛いこと。

やっぱり、うちのお嬢が1番だな。



「それにしても、流石はお嬢というところか。」



あれほど心配していた旦那様があれほどになるとはね。

お嬢の人たらしも、天性のものだなっと感じる。

それこそ、あの方と同じ、いや下手したら、それ以上かもしれない。



「特に変わった人種ほど、お嬢に懐くな。」



お嬢のことはそれこそお嬢が小さい時から知っている。

そのころからよく笑う子だった。

キラキラキラキラと輝く原石だった。

それは今も変わらない。



「まだまだ原石だけども、変わった物は気づくんだよね。」



だからこそ、心配になる。

原石を壊すものがいないかと。

だから見守っている。

それが私の役目。



「お嬢ってば、素直だからすーぐ、信じちゃうんだよねー。」



可笑しいとは思わないのかってツッコミが入れたくなるぐらい本当に純粋。

可笑しいでしょう?

なんで、お嬢のもとにまた現れるか。

何故、ここに店を出しているのか。

疑問に思うことは沢山あるはずなのに、聞きもしない。

私がそうだと言えば信じてしまう。

なんともまぁ、おバカさんって思うけど、だからこそ愛おしい。



「公爵様はなんとなーく、可笑しいとは思ってはいるみたいだったけども、私が魔導師ってことで納得したみたいだし。」



まぁ、魔導師って本当に変わり者だから、真剣に考える方が馬鹿らしいと思ったのかもしれない。

それはそうだが、ちゃーんとお嬢に関してだけは気まぐれではないのだけども。



「まぁ、公爵様が知る必要はないからいいけども。」



寧ろ、知らない方が公爵様にとっちゃーいいのかもね。

まぁ、知られない方が私的にも、きっとお嬢的にもいいさ。



「お嬢の秘密はお嬢さえ知らないのだからね。」



知る必要がない。

その方がいいのさ。

お嬢が知らない方がいい。

まぁ、知ったところでお嬢がお嬢ってことは変わりがないが、周りがどうするか分からない。

お嬢は原石のままでいて欲しい。

誰から見てもただの石でいて欲しい。



「そうであれと願うけども、こればっかりは神様さえわかんないのかもね。」



お嬢の秘密は、周りをきっと変えてしまうからね。

このまま何事もなくいけばいいけども。



「嗚呼、そうだ、報告しないと。」



お嬢のことについて報告しないとね。

きっと、あの方はお嬢を1番心配してるから。

いや、心配もしてるけど、楽しみにもしてるかもしれない。

そういう人だもんな。

私的にはお嬢はこのままでいいと思うけども。

あの方は例え、そうなってもいいと思っているのだろうし。

まぁ、無理にはさせたくないと思っているだろうけど。

だからこそ、あんなものも用意しているけどもお嬢に渡すような素振りは一切見せないし。



「なんというか、本当にあの人らしい。」



お嬢のことを大切に思ってるくせに、お嬢が自分で判断できるように、必要以上の情報は与えない。

今回の結婚だってそうだ。

私達は反対したがあの方はあの子が決めたことならっと言って笑っていた。

それは、きっと分かっていたからだ。

お嬢がこうなるって、公爵様のことも知っていたのだろう。

なんとも、まぁ。



「魔導師なんかよりも恐ろしい方だよ。」



魔術も使えないはずなのに、何故か魔導師の私だって勝てない気がする。

いや事実勝ったことはないんだけども。



「さてさて、報告報告。」



報告しないと、きっとあの方から鬼電があるから、その前に報告しないと。

きっと、また、違う国に行ってるのだろう。

本当に忙しい方だ。



「お嬢が公爵様と仲良くできてるって報告したらなんて反応するかな?」



喜ぶ?

笑う?

うん、笑うでしょう。

大笑いすることでしょう。

そして言うことでしょう。

流石は私の子だと。

それにしても、あれはあの方でなくても笑ってしまう。

聞いていた話と全く違っていて本当におかしかった。

聞いた話ではお嬢は公爵様には見向きもされていないと言われていたのに、実際に見れば真逆。

いや、お嬢は特に公爵様に対して想いを持っていた訳ではないので、真逆とは言えないか。

しかし、公爵様のあの目。

どう考えてもお嬢に心底惚れている。



「私にさえ嫉妬してたなんてね。」



お嬢に近づくもの全てに嫉妬してるのかね?

重すぎる愛だな。

まぁ、お嬢の周りの奴らは大体嗚呼いう重い愛をもっている奴らばっかだけども。



「まぁ、お嬢には害がないし、お嬢の良い方にしかもっていかないからいいけどねー。」



でも、おっちょこちょいなお嬢のことだ。

何か事件に巻き込まれるかもしれない。



「しっかりと見ておかないとね。」



何かあった時には私が動かないと。

そんなことが自然と考える私も。



「お嬢を愛しているからね。」

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