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甲斐甲斐しくお世話をしてくださる人たちに、とっても慣れません!

だって、今まで私は名ばかりの貴族だったので、自分のことは自分でしてたんですもの!

嗚呼、もうこんな甲斐甲斐しくお世話されるなんて・・・。

我が家の家訓でもある働かざる者食うべからずに反してしまいます。

思わず動こうとすれば、クリスさんが笑顔で止めに入ります。

うぅ・・・出されたお茶は高級品ですよね。

恐れ多くて飲めないのですが・・・。

ハーブティーが好きというか、家でとれたハーブを使った物しか飲めなかったっていうのが事実なんですが・・・。

嗚呼、匂いが高級な匂いですぅぅう。

私があまりにも口を付けないことに気付いたメイドさん達は、お気に召さなかったでしょうか?なんて聞いてきます。

いいえいいえ、そんなはずがありません!

っというか分かりません!

だってこんな高級なお茶いただいたことないんですものー!!

えっ、違う物に変えます!?

いいえいいえ、いけません!

そんな勿体ないこと!

下げようとする前にゴクリと飲みます。



「嗚呼、美味しい。」



思わず、呟けば、周囲の人たちは大変嬉しそうで。

嗚呼、良かった。

捨てるなんて勿体ないすぎて、私の胃がきゅうってなりますよ。

でも、このお茶・・・一体いくらなんでしょう・・・。

聞くのも怖いです。



「奥様。今日はお疲れでしょう。お部屋の準備は整っておりますので、そちらでおくつろぎください。」


「えっ?部屋?」



お茶を頂いて、一息つけばクリスさんがそう言ってきましたが・・・。

私のお部屋?

えっと・・・もしかして旦那様と一緒とかではないですよね?



「奥様のお部屋です。旦那様のお部屋から少々離れた場所にあるのですが。」


あー良かった!

一緒とかでなくて!!

っというかそうですよね!

だって私はお飾り妻ですもの!

他人と一緒!

名ばかりの妻。

他人と一緒の部屋なんて旦那様が許しませんよね!

嗚呼、安心しました!

というか、そんなクリスさん申し訳なさそうにしないでくださいよ!

クリスさんだって知ってるでしょう?

他の人たちは誰がどこまで知っているかは分かりませんから、易々とその話をすることは出来ませんけど。

でもクリスさんは知ってるはずです!

だってあの時最初から最後まで部屋にいたのですから!

なのに、なんでそんな表情を?

疑問に思いながらも案内される部屋に行けば。



「えっ?これが・・・私の部屋・・・ですか?」


「はい、奥様のお部屋です。」



開けば、またビックリ。

豪華すぎです!

豪華すぎで全く私の部屋って感じがしません!

なんですか、あのキラキラ輝く家具は!

目が痛いのですが!!

嗚呼、落ち着かない!

絶対に落ち着かない!!!



「あっあの、本当にこれが私のお部屋ですか?」


「えぇ、奥様のお部屋です。・・・お気に召さなかったでしょうか?」


「えっと・・・お気に召すとかではなくてですね・・・いささか、私には豪華すぎというか・・・キラキラしすぎというか・・・」


「奥様のご趣味には合わないと。」


「いえ、そういう訳でもなくてですね!!クリスさんもご存じでしょう?私は名ばかりの貴族でしたので・・・。こう豪華なものは落ち着かないのです・・・。すみません・・・。」



見たでしょう?

私の家を!

贅沢は敵という家を!

なので、私は本当にこういう部屋でくつろげる気がしません。



「クリスさん。奥様にはもっと落ち着いた家具等がよろしいかと思います。」


「エレナ。」


「数日奥様と過ごさせて頂いて、奥様の好むものは多少なりとも理解していると思います。私がこの部屋の家具等を再度考えさせて頂きたいのですが、奥様どうでしょう?」


「えっ?」


「勿論、奥様は新しく買うと言えば遠慮なさると思いますので、大奥様が好んで使っておりました家具等がありますので。それは見た目豪華というものではなく、落ち着いた雰囲気のあるものばかりです。そちらをこちらの持ってきてはいかがでしょうか?」


「そんな物があるのですか?」



多分、お値段はそれなりのものだと思いますが、今のキラキラした家具よりは落ち着けます。

期待してエレナさんを見ればにっこり素敵な笑顔。

一緒に過ごしたのは数日なのに。

できたメイドさんです!



「えぇ。よろしければ、明日にでも運んできます。」


「いいんですか?そんな急に。しかも無駄な仕事を増やして。」


明日ですか?!

そんな急にじゃなくても!

無駄な仕事ですし!

私がしたいぐらいなのですが、そんな力持ちでもないので、1人では無理ですし。



「大丈夫です。旦那様はしばらく帰ってこられないということで何人かは手が空いている者がいますので。それに無駄なことではありません。大事な奥様がお部屋で安心して過ごされるための大事なお仕事ですので。」


「はっはぁ。では、お願いします。」


「っという訳です。クリスさん。」


「奥様がそう望むならば、良いでしょう。」



良かった!

これから過ごす部屋ですし!

安心して過ごしたかったので!

エレナさん、様々です!

頭が上がりません。


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