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朝起きて、いつもならエレナが来るのに他の子達がやってきて用意をしてくれている時から何か可笑しいなとは思っていたの。

でも、気のせいかなって。

エレナだって私専属だとは言っていても他の仕事もあることだし、来れないこともあるだろうし。

それにエレナ、多分、この御屋敷で結構上の方な立場なようだなって感じてたし。

きっと他の大事な仕事を任されたんだろうって思っていたのだけど。



「奥様。」


「ふぇ?」



朝の用意を終えたと思ったらエレナが部屋にやってきていつもなら優しい笑顔なのが何故か怖い笑顔を浮かべて、私の前に立っている。

どうしたのかしら?

私何かいけないことしたかしら?

エレナに黙ってまた新しい苗を植えたことがバレたかしら?

もしくは、掃除婦達と一緒に倉庫を片付けたことがバレた?

いや、苗は急いで植えないといけない種のものだったし、倉庫の片付けだって、散歩の時に通りかかって、大変そうだったから、エレナにいう間もなくだったし。

それに皆に内緒にしていてねってお願いしたのだけど。

どこからかバレたのかしら?

エレナは、私が危険なことをするとすんごく怒るから。

片付けなんて実家では普通にしてたし、重いものだって普通に持ってたもの。

それに畑仕事は一応、エレナも承諾したことよ?

まぁ、新しい苗を植えることは言ってなかったけど。

でも、とっても良い苗を実家から送ってくれたのよ!

領民のみんなから。

これを枯らしたなんて、そんなことになったらもう領民のみんなに顔を合わせることが出来ないわ。

大事な大事な苗なのに。

なのに、わざわざ遠い地にいる私に分けてくれたのよ。

とっても良い苗だからって。

だから届いたと同時に植えにいったのだけども。

うーん、他にもエレナが気にしそうなことはたくさんあるけども。



「奥様、私が怒っていることは分かってますね?」


「えっ、えぇ。」


「なんで、怒ってるか分かりますか?」


「えぇっと。」



さっき考えたけども、どれか分からないわ。

一体どれかしら。



「お分かりならないようで。」


「うぅ。」


「私はいつも、戸締りはしっかりとしているはずなのですが?」



戸締り?

そうね、エレナはしっかり者さんだからきっちり戸締りは、しているわね。

寝る前の私の寝室から出る際もしっかりと。

だから、エレナが出ていった後にあの銀狼が来れるように再度鍵を開けているのだけど。



「この屋敷は警備は城よりも厳重にしています。なので、基本、この屋敷に、侵入者は入れません。えぇ、入れないのです。例外の彼女以外侵入されたことはない、厳重な警備です。ですから、窓を開けても侵入者が入ってくるようなことはありません。えぇ、えぇ。しかし、例外がありましたからね。私は再度気を引き締めておりましたよ。えぇ、えぇ。」



嗚呼、本当にセッカのことはエレナ達は相当気にしているようで。

ことある事に思い出しては落ち込み、打倒セッカを強く思っていることは知ってはいるけども、何故、怒っている話からその話に?



「なのに!なのに!何故か奥様のお部屋に侵入しているものを見たという者がおりまして。私はその話を聞いて驚き、急いでこちらに来たのです。」


「あ、嗚呼、あの銀狼さんのこと!」


「!!本当だったのですか!?」



えっ?なんで、そんなに驚いているの?

いや、だって、あの子は。



「あの子はこの屋敷の子でしょう?」


「えっ?」


「だって、あの子獣人でしょう?そして、この屋敷で働いている子でしょう。多分基本は外で働いているんだと思うのだけど。」


「えっ、えっ?奥様、彼のこと。」


「あっ、あの子、男性だったのね!」


「ええー?!男か女かも知らなかったのですか!!」



そう、エレナが驚いて聞いてくるので、一応これまであったことを話した。

別に隠していたことではないので。

怪我をしていたこと、その時に手当をするために触ったりはしたが、手当てに集中してそんなこと気にしていられなかったし、その後も別にどっちでも良いかなって思っていたので聞いてもない。

それに、例え本当の狼でもジロジロと観察するなんて悪いことだし、ましてや相手は人獣の方だから。

そやなことを話せばエレナは大きくため息を着いた。



「奥様がお優しいことは十分に分かっております。しかし!たとえ、怪我をしているからと、部屋に入れては行けません!もし、そんなことがあったのならば、私を呼んでください!」


「いや、だって、夜も遅かったし。」


「関係ありません!!いいですか、奥様!さっきも言ったように例外が居たように侵入者が絶対入ってこないとは言いきれません。ましてや、あなたはこの公爵家の奥様です!誘拐しようとする輩がいるかもしれません!獣人族を使ってしてくるかも知れません。この屋敷には獣人族の者が多く仕えていますが、獣人族だからといって、この屋敷の者とは言いきれません!ですから、もし、何かあった時には絶対に私を呼んでください。たとえ、どんな時でも奥様の一大事には駆けつけますので。いいですか!!」


「はっはいっ!」

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